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           『科学』という思想信条 vol.43

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜42、及び、旧メル
 マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
 めします。

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≪はじめに、ちょっとだけ、お断り≫

 前回に引き続き、カラスの脳が進化(発達)した原因について考えてみよう
 と思います。
 こういうことを取り上げると、まるで進化論に賛成しているように思われる
 かもしれませんが、実はそうではありません。
 このシリーズでは、後半で思わぬオチがあります。
 それが何なのかは、後でのお楽しみ…ということで、しばらくの間、お付き
 合い下さいませ。
 では、本篇をどうぞ。

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<学習と脳>

 よく使われる部分が成長することは、実際に観察される現象です。
 そして、もし、こうして得られた特徴が遺伝してくれれば、これは(小)進
 化ということになるでしょう。
 つまり、これは、『よく使われる部分が進化する』ということになります。

 そこで、『よく使われる部分が進化する』ということを前提として、カラス
 の脳の進化の原因を考えてみましょう。
 なお、『得られた特徴がなぜ遺伝するのか?』という問題については、次の
 次の回(vol.45)で考えてみようと思います。

 さて、よく使われる部分が進化するのなら、カラスの脳も、よく使われるこ
 とで進化したことになりますよね。
 ということは、カラスは、脳を使う機会が多かったということになります。
 では、脳を使う機会が多くなるためには、どうあればよいのでしょうか?

 そこで思い出していただきたいのが、vol.41での話です。
 脳が使われる機会を増やすのは、暇や余裕でした。
 (→ http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm3/41.htm )
 暇や余裕があるからこそ、学習の機会が増え、それ故、脳が使われる機会が
 増える、というわけです。

 では、カラスの場合、何が暇や余裕をもたらすのでしょうか?

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<カラスはハンディの多い鳥なのか?>

 ある研究者に言わせると、カラスは特徴のない鳥なのだそうです。(vol.39
 → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm3/39.htm の『求めよ、さらば与え
 られん!』の項を参照。)
 ということは、何かとハンディが多い鳥ということになりますね。
 ならば、暇や余裕など無いはずです。
 これでは、上で示した理屈では、脳の進化は説明できませんね。

 そこで、懐疑精神を発揮してみましょう。
 本当にカラスは特徴の無い(故にハンディの多い)鳥なのか?、と。

 もし、そうでなければ、上で示した理屈も成り立つ可能性が出てきます。
 そこで、カラスが特徴の無い(ハンディの多い)鳥なんかではないことを、
 以下に示してみようと思います。

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<爪について>

 まずは、爪についてです。

 猛禽類のような爪がないということですが、鳥の場合、爪は攻撃のためには
 あまり役に立ちません。
 四肢動物の場合は爪で引っ掻いたりすることもあるようですが、鳥の場合は
 足が細長いため、下手にそんなことをすると、足が引っ掛かって折れてしま
 う危険性があります。

 では、何のために爪があるのかというと、獲物などを掴み上げるためです。
 つまり、獲物などに爪を適度に食い込ませることによって、引っかかりを良
 くし、滑り落ちにくくするのです。

 体の大きな鳥は、食う量も多く、より大きな獲物が必要です。
 でも、そうなると、獲物をくちばしでくわえて運ぶのが困難になります。
 ですから、足で掴んで運ぶことになり、爪があると便利なのです。

 対して、カラスは、それほど大型の鳥ではありません。
 しかも、体の大きさのわりには、くちばしがデカくてゴツい!
 というわけで、重い獲物を足で掴んで運ぶ必要はなく、それ故、猛禽類のよ
 うな爪は必要ないのです。

 ついでにいうと、鳥の攻撃力のメインは、くちばしです。
 そういえば、肉食の四肢動物の多くも、メインは口(牙)ですよね。
 それに、カラスのくちばしを見てください。
 まるで出刃包丁のような格好をしているではありませんか。
 しかも、なかなか器用です。

 このように、爪のことはカラスにとって何らハンディにはならないのです。

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<大きさについて>

 次は、大きさについてです。
 (カラスよりも)大きな鳥のほうが強そうで有利なように思えますが、実は
 そうではありません。

 上でも述べましたが、大きな鳥は、食う量も多いため、食料確保に苦労しま
 す。
 これに対し、カラスはそれほど大型の鳥ではありませんから、この点で余裕
 が生まれます。

 また、大型の鳥は、生活(特に営巣)に広い空間を必要とします。
 飛ぶにしても、小回りがききません。
 狭い場所には入り込めないので、逃げるのにも、獲物を追うのにも、不利。
 さらに、体が大きいければ、体重も重くなります。
 このため、とまるには足場が頑丈でなければならないし、飛行にはより多く
 のエネルギーを必要とします。
 これらの点でも、カラスは有利です。

 もっとも、カラスは、小さい鳥とは言い難いでしょう。
 つまりは、中くらいの大きさです。
 攻撃に関しては、これが有利な点となることは、もうおわかりでしょう。
 つまり、小さな鳥よりは強い、ということになるわけです。

 人間社会でも、そうですよね。
 大きくても、小さくても、損。
 中くらいの連中が一番得をする。
 だから、余裕があるわけです。

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<ハンディ?…不必要な特徴、注目されない特徴>

 こうしてみると、カラスはちっともハンディのある鳥ではないことがわかる
 でしょう。
 考えてみれば、(先の研究者が指摘した)水に潜れないことも、(潜れるほ
 どの深さのある大量の)水が無い場所で暮らす生き物にとっては、何のハン
 ディにもなりません。

 ハンディが(脳の)進化をもたらすという進化論者たちの考え方は、もはや
 何の説得力ももたない、と言えるでしょう。

 そもそも、カラスが特徴のない鳥だという主張自体、間違っています。
 カラスには、いろんな特徴があります。
 上で述べた、大きさが中ぐらいでちょうどいいということだって、立派な特
 徴なのです。
 進化論者たちの言う「特徴」は、「特徴」というよりは、むしろ「特ダネ」
 という感じです。

 黒い容貌も、立派な特徴です。
 ひょっとしたら、これは自然界で生きていく上では、大変なメリットなのか
 もしれませんよ。
 たとえば、敵に見つかり難いとか。
 人間がそのことに気付いていないだけかもしれません。

 このことについて、特に疑われなければならないのは、欧米人や、最近の日
 本人が、黒という色に対して軽蔑的な印象を抱いていることです。
 だから特徴としても無視・軽視されてしまうのではないでしょうか?
 (黒はダメ?……それじゃ、赤なら認めてくれた?)

 とにかく、カラスがハンディの多い鳥というのはウソです。
 むしろ、利点の多い鳥なのです。

 となれば、暇や余裕が生まれ、学習の機会が増え、脳が使われる機会が増え
 る…。
 こうして、『よく使われる部分が進化する』ということにより、脳の進化が
 説明できることになるのです。

                             (つづく)

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≪余談−その1≫

 さて、ここからは全く関係のない余談です。

 いつだったか、NHKの夜のニュースをみて(正確には、聞いて)いたら、
 奇妙なニュースが報じられていました。
 ある反原発団体が、NHK(と民放)が撮影した映像を無断で裁判の証拠に
 使用しようとしたことに対し、NHKが抗議した、というものです。
 どうもNHKは、『奇跡の詩人』のビデオ鑑賞会以来、随分と神経質になっ
 ているようです。
 それはともかく、NHKのこのような反応は、NHKが偏向報道を行ってい
 ることを自ら認めることになってしまうのではないでしょうか?

 たしかに、無断で使用するのは問題があるのかもしれません。
 それでは、予め断れば、使用を許可したのでしょうか?
 おそらく、答えは「No」でしょう。
 というのは、抗議の理由が、今後の取材活動に支障をきたすおそれがあるか
 ら、となっていたからです。

 では、なぜ、今後の取材活動に支障をきたすおそれがあるのでしょうか?
 それは、映像の中に、取材を受けた側(=被告)にとって、都合の悪いもの
 が写っていたからでしょう。
 ですから、それが裁判の証拠に使われようものなら、もう、取材させてもら
 えなくなる…それでは困る…というのが、NHKの本音です。

 でも、それって、よくよく考えたら、NHKは取材を受けた者たちにとって
 都合の悪い情報は提供しない…ってことになりませんか?
 今回の映像は、そういうものが写っていることにNHKが気付かなかったた
 めに公開してしまったのでは?
 だとしたら、NHKは、取材を受けた側にとって都合の悪いことは報道しな
 いようにしている…ということになってしまうのではないでしょうか?

 実は、科学報道では、これはよくあることなのです。
 それは決してNHKに限ったことではありません。
 取材を受けた科学者にとって都合の悪いことは報道しないのが、メディアの
 常識です。
 そうしないと、もう、取材させてもらえなくなってしまうからです。

 こうしたことは、共産圏の国の取材にも言えることです。
 メディアが長いこと、ある独裁政治の国のことを「…民主主義人民共和国」
 とよんできたのも、そのためです。
 なんか、象牙の塔って、『地上の楽園』に似てません?

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≪余談−その2≫

 先日、別のメルマガ(性格偏執狂時代)に、
 「将軍様は、完全平等主義を理想とする性格の水瓶座」
 「『地上の楽園』で日本のマスコミや文化人たちを虜にしたお父様は、
  英雄的性格の強い牡羊座」
 という主旨の記事を載せたところ、占いオタクたちや、(隠れ)サヨッキー
 たちに、おもいッきり、絡まれてしまいました。
 どんな分野でも、検証可能な実例を示すと、呪われるのですね。

 それにしても、超常現象には手きびしいオジサン・オバサンたちが、占いに
 対しては「腰が低い」のは、なぜ??…

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発行者   : media
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