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           『科学』という思想信条 vol.39

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
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<カラスの賢さは進化の証し?>

 今日のマスコミ人間には、進化論オタクが多いようですね。
 この間も、某地方新聞に、こんな見出しの記事が載っていました。

 『カラスの賢さ サルに匹敵−脳の密度は人間の倍−都会の厳しさでさら
  に進化』

 まあ、進化論オタクたちは、なんでもかんでも見境なく進化に結びつけたが
 るものです。
 上記の新聞記事も、そうした偏執狂的な論理と、悪賢いトリックに、満ちあ
 ふれています。
 そこで、今回から、これを題材に話を進めようと思います。

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<科学的データを用いたテクニック>

 まず目につくのは、科学的データを振りかざすというテクニックです。
 この新聞記者は、こう述べています。
 「○○大学の□□研究室では、カラスの脳を解剖、その知能を数値的に証
  明している。同研究室の△△教授によると、カラスの脳の神経細胞の密
  度は鶏のそれの六倍で、鳥類では傑出している。…カラスの脳の質は人
  間に勝るとも劣らない。」
 まあ、見事なまでに権威を感じさせる言葉がずらりと並べてあるのですが、
 こんなものは、進化の証拠とはなり得ません。

 たとえば、創造論の信者たちなら、このことをもとに、
 「そう、カラスの脳は傑出している。これはまさに、神がカラスを、傑出
  した脳を持つ鳥として創造された証拠だ!」
 と説くことだって可能なのです。

 あるいは、定説とは異なるシナリオの進化論を唱えている人なら、
 「カラスの脳が傑出しているのは、カラスが他の鳥とは異なる起源をもつ
  鳥であることの証拠だ。(故に、カラスは爬虫類から進化したのではな
  い。)」
 と説くことだって可能なのです。

 このように、上記の科学的データは、(彼らが考えているような)進化を証
 明する証拠にはならない(とは限らない)のです。
 上記のデータは、カラスの脳が傑出しているという、今現在の事実を教えて
 くれるだけです。
 決して進化があった(&今も進化し続けている)証拠ではないのです。
 でも、進化論オタクたちは、おめでたいことに、そういうことも進化の証拠
 ということにしてしまうのです。
 権威や、無関係な科学的データを見せつけて、読者や聴衆を惑わす…
 これが進化論オタクたちが好んで用いる『テクニック』なのです。

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<求めよ、さらば与えられん!>

 さて、カラスの優れた脳が進化の証拠だというのなら、カラスはどうして脳
 を進化させることができたのでしょうか?
 記事では、下記のようなある研究者の言葉を載せています。
 「カラスは猛禽類のように爪などの武器がなく、水に潜れるわけでもない
  特徴のない鳥だ。生き残るためには頭脳に頼るしかなかったのが理由だ
  と思う。」
 またまた専門家の意見を引用し、権威を装うというテクニック。
 でも、こんなものは、進化の原因の説明には全然なっていませんよね。
 それどころか、進化論の欠陥を自らさらけ出すことになっています。

 もし進化があったのが事実なら、時間を逆にたどると、カラスの祖先は、ま
 だ脳が傑出していなかったことになります。
 だとすれば、「特徴のない鳥」である彼らは、脳が進化するまで、どうやっ
 て生き残ることができたのでしょうか?
 彼らが生き残れなかったら、今のカラスは存在し得なかったはずですよね。
 まあ、神の御加護があったというのなら、話は別ですけど…。

 それはともかく、そもそも生き残るために必要になったくらいで、進化が起
 きるのでしょうか?
 これはあまりにも虫のいい話だと思います。
 そんなことぐらいで進化が起きるのなら、誰も苦労はしないでしょう。
 夢物語といってもいいような…。

 結局、進化論の行き着くところは、『求めよ、さらば与えられん!』ではな
 いでしょうか?

 「カラスは神に祈った。どうか生き残れるようにして下さい、と。神はカ
  ラスの願いを聞き入れ、脳を進化させたもうた…」

 これが本音のような…。

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<賢さの基準とは?>

 ところで、賢さの基準って、何なのでしょうか?
 それもハッキリさせずに、「賢さ」とか「進化」とかを議論しても、意味が
 ないですよね。
 では、その基準とは?

 記事の見出しを見ると、「都会の厳しさでさらに進化」とあります。
 ということは、都会で生活できることが、賢さの証拠というわけですね。
 でも、それって、本当に賢さの証拠と言えるのでしょうか?
 文明社会で育った私などから見れば、大自然の中で暮らす生き物たちの方が
 よっぽど賢く思えてならないのですが…。

 事実、ホームレスの人たちは、大自然の中で暮らすことよりも、都会で暮ら
 すことを好みます。
 それは、仙人のように大自然の中で暮らすよりも、都会で暮らした方が楽だ
 (→賢くなくてもよい)からではないでしょうか?
 仙人は尊敬され、ホームレスの人たちは軽蔑されるのに、これはおかしいと
 思いませんか?

 こうしてみると、賢さの定義というものが、誠にいい加減であることに気付
 くと思います。
 次回は、このあたりのことを、さらに追求してみたいと思います。

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≪お詫び≫

 またまた、発行周期が長くなってしまって、すみません。
 なお、ホームページのアドレスが変わりましたので、下記を御覧下さい。

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発行者   : media
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