!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

           『科学』という思想信条 vol.41

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜40、及び、旧メル
 マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
 めします。

  当メルマガのバックナンバー
   → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm3/bn.htm

  旧メルマガのバックナンバー
   → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm2/bn.htm

----------------------------------------------------------------------

<何が脳を進化させたのか?>

 カラスやヒトの高度な頭脳が進化の産物だとすれば、その原因は何でしょう
 か?
 本当に、生き残る上での『厳しさ』が原因なのでしょうか?
 どうも、これはあまりにも精神(根性)主義的すぎるような気がします。
 そこで、他の可能性を探るために、今回は(例によって少々異端的ではあり
 ますが)その参考になりそうな話をしようと思います。

----------------------------------------------------------------------

<ヒトは雑食ではなかった?>

 おそらく、世間の少なからぬ人たちが、ヒトは、それがこの世に現れた時か
 ら雑食だった、と思っているのではないかと思います。
 でも、これはそれほど確かな根拠のあることではないように思います。
 なぜなら、たとえば消化器だけを見ても、肉食にも草食にも向かない構造を
 しているからです。

 まず、肉食にしては、胃が貧弱すぎます。(肉の消化に不利)
 おまけに腸が長い。(宿便ができやすい→腸の疾病の原因となる)

 一方、草食にしても、胃の構造が単純すぎます。(反芻とかもしない)
 また、盲腸もほとんど無いに等しい。
 これでは、草は消化できません。

 これらのことから、肉食も草食も無理だったのではないのか?、と考えられ
 るのです。
 肉食動物とも草食動物とも言えない構造をしているため、それを「中間的な
 構造」とみなすことで「雑食」と結論付けているようですが、それが唯一の
 解釈ではないと思います。
 もし、本当にヒトが雑食ならば、肉食にも草食にも向く構造に進化している
 はずです。(もっとも、進化論が間違っているのなら、話は別ですが…)
 ヒトが雑食になったのは、おそらく、「調理」という知恵を発明してからで
 しょう。

----------------------------------------------------------------------

<では、何を食っていたのか?>

 それでは、ヒトは元々、何を食べていたのでしょうか?
 それは、おそらく、植物の「実」などでしょう。
 植物の実は、かたいものも少なくないのですが、噛み砕いてしまえば、肉や
 草よりも消化しやすいところがあると言えます。
 ですから、胃も腸も単純な構造ですむわけです。
 そういえば、霊長類には、植物の実を食べるものが多いですよね。
 もし、ヒトの祖先がサルならば、これまた、有利な証拠となり得ます。

 ところで、ヒトが植物の実を食べていたことは、肉食や草食の動物に比べて
 有利なところがあります。

 まず、植物の実は、草よりも栄養価が高いことです。
 逆に言うと、草は栄養価が低いので、草食動物はしょっちゅう食っていなく
 てはなりません。
 一方、植物の実を食べているヒトは、しょっちゅう食っている必要がありま
 せん。
 ですから、そのぶん、暇や余裕がもてもます。

 栄養価が高いと言えば、肉もそうです。
 しかしながら、肉を得るためには、獲物を追いかけまわし、捕まえて、ぶっ
 殺さなければなりません。(表現がどぎつすぎますか?)
 これは大変、時間と労力を要します。
 というわけで、肉食動物もまた、暇や余裕はもてません。

 このように、植物の実を食べることは、暇や余裕をもつのに、非常に有利な
 条件となるのです。

----------------------------------------------------------------------

<暇・余裕が必要>

 実は、文明を発展させる上で、暇や余裕は、非常に重要な条件なのです。
 なぜなら、暇や余裕が無いと、「考える」ということができなくなってしま
 うからです。
 特に、創造的・建設的な思考には、暇や余裕が必要です。

 暇や余裕があるからこそ、考える(ことができる)機会に恵まれる。
 つまり、脳を使う機会に恵まれる。
 脳を使うと、それが刺激となり、脳の成長が促される。
 また、それにより、脳を成長させやすい体質に変わっていく。
 それが遺伝子などにより次の世代にも受け継がれる。
 こうして脳が進化していく。
 こう考える方が生理学的には合理的ではないでしょうか?
 もし、そうなら、脳を進化させるのは、『厳しさ』ではなく、その逆、暇や
 余裕となるわけです。

 飢えや貧困に苦しむ国の人たちは、厳しい環境におかれていますよね。
 もし、厳しさが脳を進化させるのなら、こうした国の人たちの脳は、豊かな
 国の人たちの脳よりも進化しているはずです。
 はたして、そんなことを示す科学的データなど、存在するのでしょうか?

 「地上の楽園」(北朝鮮)で暮らす人たちと、「強制連行の国」(日本)で
 暮らす人たちとでは、どちらの脳が進化しているのでしょうか?
 是非教えていただきたいものです。

----------------------------------------------------------------------

<保存食と、学習する機会>

 ところで、植物の実の中には、保存のきくものもあります。
 このこともまた、ヒトが文明を発展させるのに有利な条件をもたらします。

 たとえば、冬、食べ物が無い時期も、冬眠せずにすみます。
 その間、思考や想像にふけることができます。
 このように、食べ物に困らないことが、文明を発展させることができる条件
 となるのです。

 さらに、保存がきくことから、それをもって、遠出することも可能になりま
 す。
 こうして、ヒトの行動半径、さらには居住範囲が広がる可能性が出てくるこ
 とになります。

 また、それにより、ヒトは、より多くの物事・出来事に出会い、より多くの
 経験を積むことになります。
 つまり、より多くの学習の機会に恵まれることになるわけです。
 これにより、ヒトは、より多くの知恵を得ることになり、文明がさらに発展
 することになるわけです。

 以上のように、恵まれていることが、進化の条件だと考えられるのです。
 もちろん、恵まれているだけでは、脳は進化しません。
 恵まれた条件におかれたが故に、脳を使う機会が増え、それによって脳が進
 化したと考えられるわけです。
 よく使う部分が進化するというのは、あり得そうなことですからね。
 少なくとも、「生き残るために必要だったから…」なんて理屈よりはマシで
 しょう。

----------------------------------------------------------------------

<進化論と精神世界>

 どうも、進化論者たちの理屈には、精神世界的なものが多いような気がして
 なりません。
 進化とは心がもたらす奇跡なのでしょうか?
 それでは「心が癌を治した」というのと大差無いですよね。
 ちなみに、これは、1993年2月11日、あるメディアが、某新興宗教団
 体系の病院をヨイショした番組に用いられたタイトルです。
 ついでに、この病院は、2002年5月に閉鎖に追いこまれたそうです。

 そう言えば、このメディアは、以前、「天体衝突が生物を進化させた」とす
 る学説をヨイショしたことがあります。
 天体衝突は、生物にとっては、厳しい環境をもたらします。
 厳しさが奇跡をもたらす…
 これは、同メディアが、2002年のゴールデン・ウィークにヨイショした
 『ドーマン法』に通ずるところがあります。

 要するに、このメディアは、そういうのが好きなのでしょうね。

 でも、ひょっとしたら、これは全ての進化論者たちに言えることなのかもし
 れません。

 それにしても理解に苦しむのは、厳しさが進化を実現するなどという精神主
 義的なことを主張しながら、その一方で「都会は厳しい」などという甘った
 れたことをぬかすことです。
 やはり、こうした支離滅裂さにつきあえる人にしか進化論は理解できないの
 でしょうか?

----------------------------------------------------------------------
発行者   : media
----------------------------------------------------------------------

『科学』という思想信条(バックナンバー)へ