【サマータイム制導入に反対する】 特別号外2 f0006


◎福島第一原発事故の原因追究特集 第6回

 前回までの話により、国の御用学者たちがやらかしたプレート境
 界診断誤診の原因となったものうち、主なものについては全て述
 べることができました。
 で、今回は、主なものではないが、厳密解を求めようとする場合
 には考慮しなければならないもの(受圧固着によるものではない
 ものも含む)について述べようと思います。
 影響が小さいので、無視しても(考慮するのを忘れてしまっても)
 桁違いになるような誤差は出ませんが、端数ぐらいの誤差にはな
 り得ますので、一応、そうしたものを二つだけ述べておきます。

 そして、その後で、力(の向き)というものについて考えること
 の重要性を再度確認しておきたいと思います。
 この部分の方が、むしろ重要度の極めて高い話になりますので、
 是非とも最後まで読んで下さい。

 それでは、本編をどうぞ。(なお、今回も図がいくつも登場する
 ので、等幅フォントで御覧下さい。)


●自重が生み出す押っ付け力

 まずは、左側(陸側)の岩盤(プレート)に着目して下さい。
 自重は、鉛直方向の圧力を生み出します。


   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
             \/
            ↓/
            /
                         (図21)

 で、鉛直方向の圧力を受けると、岩盤(プレート)は、それとは
 垂直の方向、すなわち、水平方向にサイズを増そうとします。


   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
             \/
            →/
           →/
                         (図22)

 すると、左側の岩盤は、右側(海側)の岩盤に押っ付けられるこ
 とになります。
 すると、左側の岩盤は、右方向にサイズを増すことは出来ず、右
 側の岩盤から抗力を受けることになります。
 この抗力が、(さらなる)受圧固着を起こす圧力となるわけです。

 なお、この受圧固着は、前々回と前回に説明した受圧固着と比べ
 ると、かなり弱いものです。
 特に、マントル流によって起こる左右二つの岩盤のぶつかり合い
 によって起こる受圧固着(前回の図16)とは、圧力の方向が似
 ていますが、圧力の大きさ(強さ)はかなり小さい(∴受圧固着
 の程度も小さい)のです。
 ですから、無視しても、答えが桁違いに異なってしまうというよ
 うなことにはなりません。
 正確(厳密)な値を求めたがる人向けの話です。


●食い込みによる出っ張りの邪魔効果

 次の話は、受圧固着ではなく、それ以外のことによる『すべりに
 くさ』発生メカニズムの話です。
 実は、これ、上の話とも関係のある話です。
 図22、および、前回の図16を見て下さい。(念のため、前回
 の図16も以下に載せておきます。見た目は同じですが…。)


   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
             \/
            →/
           →/
                         (図16)

 すると、どちらのケースも、左側の岩盤が右側の岩盤に押し付け
 られていることがわかるでしょう。

 すると、左側の岩盤が右側の岩盤に食い込んでいくことになるわ
 けです。
 かなり大げさに(しかも歪めて)描くと、こんな感じです。


   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
             \/
              \
              /
             /
                         (図23)

 テキストアートの表現力の限界のせいで、かなり不正確な図にな
 ってしまっていますが、それでも、言いたいことはわかると思い
 ます。
 左側の岩盤が右側の岩盤に食い込んでしまっているでしょう。

 で、この食い込みが、すべりにくさを生むわけです。
 図23を見ればわかるように、左側の岩盤が右斜め上に跳ね上が
 ろうとすると、右側の岩盤が出っ張りとなり、邪魔になって、跳
 ね上がりにくくなるわけです。
 そんなわけで、プレート境界はすべりにくくなるのです。

 もちろん、この出っ張りはわずかなものであり、強度もそれほど
 あるとは思えませんので、その効果は小さい(弱い)と考えられ
 ます。
 ですから、これもまた、上の話と同様に、正確(厳密)な値を求
 めたがる人向けの話です。


●どんな力が岩盤に働くのかを知ることが肝要

 さて、これまで、プレート境界をすべりにくくする原因の話をし
 てきましたが、受圧固着にしろ、食い込みによる出っ張りの邪魔
 効果にしろ、どんな力(どういう方向の、どれだけの力)が岩盤
 に働くのかがわからなければ、全く解明できない(∴気付くこと
 もできない)ことなのです。
 逆に言えば、岩盤に働く力のことを把握していれば、これらに気
 付くことは極めて容易なことなのです。
 そして、そのことがわかってしまうと、国がプレート境界のすべ
 りやすさ(にくさ)の診断を誤ったのは、国が岩盤に働く力のこ
 とを把握していなかったからだという事実がわかってしまうので
 す。

 いや、岩盤に働く力のことを「把握していなかった」というより
 も、「知ろうとすらしなかった」というのが実態です。
 国は、今でも、どんな力(どういう方向の、どれだけの力)が岩
 盤に働くのかということに無関心です。
 だから、国の予想は外れてばかりいるのです。
 国のこうした姿勢は、全く非科学的で、怠慢としか言いようがな
 いものです。


●岩盤の壊れ方や動き方すら予想できない

 岩盤に働く力のことを考えなければ、岩盤の壊れ方や動き方を予
 想するのは、絶対に不可能です。
 そして、地震や津波という現象は、岩盤(主に地殻)が壊れて動
 くことによって起きるのですから、こんなことでは、地震や津波
 を予想することなど、出来るわけがないのです。

 つまり、受圧固着や、食い込みによる出っ張りの邪魔効果などの
 ような『プレート境界のすべりやすさ(にくさ)』という高度な
 問題のことはおろか、岩盤が壊れ動く現象という最も基礎的な部
 分のことすら、まともに扱うことが出来なくなってしまうのです。

 国は、そんなやり方をとっていたのです。
 そして、今もとり続けている!
 よっぽど自国民を殺したがっているようです。


●エネルギー万能主義に陥っている国

 国は、力のことは考えません。
 代わりに、エネルギーのことばかり話題にしています。
 これは、気象庁も御用学者たちも同じです。
 なるほど、予想をしくじり続けるわけです。

 力はベクトルですが、エネルギーはスカラーです。
 従って、方向という概念がありません。
 大きさしかない。
 そんなものを使って、地震や津波のメカニズムがわかるわけがな
 いのです。
 まして、プレート境界のすべりやすさ(にくさ)のことなど、わ
 かるわけがないのです。

 国は、エネルギー万能主義に陥っているのです。


●運動の仕方が定まっている場合にのみ可能

 エネルギーのことしかわからないのでは、『岩盤がどんな壊れ方
 や動き方をするのか?』ということすら、わかりません。
 エネルギーだけで事が済むのは、『岩盤がどんな壊れ方や動き方
 をするのか?』ということがわかっている場合だけです。
 別の言い方をすると、岩盤の壊れ方や動き方が定まっている場合
 (他の壊れ方や動き方はあり得ない場合)だけです。

 たとえば、縦方向にのみ伸び縮みするバネのことを考えてみまし
 ょう。
 この場合は、バネにたまったエネルギーを知るだけで、それが生
 み出す力を知ることができます。(∴運動を予想することができ
 る。)
 ですが、それが可能なのは、運動の方向が定まっている(縦方向
 のみ)だからなのです。
 だから、エネルギーだけで議論可能なのです。

 これに対し、地下の岩盤は、壊れ方も動き方も不定です。
 従って、エネルギーだけで議論することは不可能なのです。

 国のやっていることが、如何に疑似科学的であるか、わかるでし
 ょう。


●『モデル』原理主義に陥っている国

 なのに、なぜ、国はエネルギー万能主義に染まっていられるので
 しょうか?
 それは、国が、地震や津波に関する、特定の『モデル』を依怙贔
 屓しているからなのです。
 つまり、岩盤の壊れ方や動き方を、勝手に決めつけているからな
 のです。
 「それ以外の壊れ方や動き方は、あり得ない」と。
 これは、狂った原理主義としか言いようのないものでしょう。

 そう、今時の政治家お得意の『特定の学説の依怙贔屓』です。
 「こういう壊れ方・動き方しかあり得ない」と決めつけるのが、
 『モデル』というものであり、それを論拠として展開するのが学
 説というものなのです。

 政治家のモデル(学説)依怙贔屓が、多くの住民を溺死させた上、
 原発事故まで招いてしまったのです。
 真の加害者は、明白でしょう。


●時分割・エリア分散という問題

 地下の岩盤にたまったエネルギーがわかったとしても、どのくら
 いの大きさの地震や津波が起きるのかを予測することは、不可能
 です。
 なぜなら、たまったエネルギーが一気に(一度に全部)放出され
 るか否かがわからないからです。
 一気に放出されれば、大きな地震や津波になるでしょうが、小出
 しに何回かに分けられて放出される(いわゆる時分割される)な
 らば、(個々の)地震や津波は小さなものにしかなり得ません。

 さらに問題なのは、エネルギーがたまっているエリアの広さが不
 定であることです。
 同じエネルギー量でも、広いエリアにたまっている場合と、狭い
 エリアにたまっている場合とでは、話が違ってきます。
 エリアが狭い場合は、全部まとまって放出される可能性が高くな
 るのに対し、エリアが広い場合は、あっちこっちでバラバラのタ
 イミングで放出される可能性が高くなってくるのです。
 つまり、エネルギー放出が分散されて行われる可能性が高くなっ
 てくるのです。
 ですから、エリアの広さが不定であることは、大いに問題ありな
 のです。

 こうしてみると、国のやり方は杜撰きわまりないものであること
 がわかるでしょう。
 「国に責任は無い」などというのは、全く非科学的な見解なので
 す。


●最大値を求めたつもりでしょうが…リセット問題

 国がエネルギー万能主義に染まり続けているのには、もう一つ、
 理由があります。
 それは、「想定が求められる」という思い込みがあることです。

 岩盤にたまっているエネルギーを把握すれば、起き得る最大の地
 震・津波が予想できる…
 だから、確かな「想定」値を求めることが出来る…
 国は、そう考えたわけです。

 ところが、それが猿の浅知恵だったのです。
 そもそも、岩盤にたまっているエネルギーの総蓄積量を把握する
 ことなど、できるわけがないことなのです。
 それを把握するためには、エネルギーがゼロにリセットされてか
 らの総蓄積量を求めなければならないからです。
 でも、そんなことは不可能です。
 なぜなら、「エネルギーが完全に解放された」と思っていても、
 実際にはそうではないことがほとんどだからです。

 エネルギーがゼロにリセットされない限り、エネルギーの正確な
 総蓄積量はわかりません。
 エネルギーの総蓄積量がわからない以上、最大値など求まるはず
 がなく、故に、絶対確実な「想定」値を求めることは不可能なの
 です。

 国のやっていることは、一見、賢そうに見えますが、実は独善極
 まりないものなのです。
 「国に責任は無い」というのは、ゴリゴリの文系人間でもなけれ
 ば絶対に賛同することはできない妄言でしかないのです。

                      (次回に続く)


──────────────────────────────

戻る