【サマータイム制導入に反対する】 特別号外2 f0005
◎福島第一原発事故の原因追究特集 第5回
今回は、前回の話の最後の部分で出てきた『一方のプレートが他
方のプレートの下に沈み込むケース』について、さらに理解を深
めていただくための話をします。
なにしろ、この特集のテーマである福島第一原発事故の原因とな
った東日本大震災は、このケースなのですから。
それでは、本編をどうぞ。(なお、今回も図がいくつも登場する
ので、等幅フォントで御覧下さい。)
●受圧固着の原動力となったものを把握する
前回の話の続きで、『一方のプレートが他方のプレートの下に沈
み込むケース』についての話です。
まずは、確認のため、前回示した図(図14)を再度御覧いただ
きたいと思います。
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(図14)
さて、前回の話では、メカニズムが異なる四つの受圧固着が起き
ることを説明しました。
ですが、それらの原動力となったものは、二つだけです。
それは、重力とマントル流です。
四つ示された受圧固着のうち、最初の一つが重力を原動力とする
もので、残りの三つはマントル流によるものです。
まずは、そのあたりのことを、復習を兼ねながら、一つづつ説明
していきたいと思います。
●重力と自重
まずは、一つ目の受圧固着である、左側のプレートの『自重で起
きる受圧固着』について見ていきたいと思います。
『自重で起きる受圧固着』については、図10による説明をしま
したが、あの図はプレート境界が水平な場合の図でした。
ですので、プレート境界が斜めになっている図14のケースにつ
いての図を以下に示したいと思います。
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(図15)
プレート境界部分のところに、下向きの矢印が描かれていますね。
これは、左側のプレートに重力が働くことによって生じる作用で、
この作用が『自重で起きる受圧固着』を起こさせることになるわ
けです。
つまり、この作用は、境界面に平行な(左斜め下向きの)分力と、
境界面に垂直な(右斜め下向きの)分力という、二つの分力に分
けることができるわけですが、受圧固着を起こす圧力となるのは、
後者、すなわち、境界面に垂直な分力の方です。
重力が受圧固着の原動力となるのは、この受圧固着だけです。
あとの三つの受圧固着は、これから述べるように、マントル流が
原動力となるのです。
●マントル流とプレートのぶつかり合い
次に、二つ目の受圧固着、すなわち、『プレートがぶつかり合う』
ことによって起きる受圧固着について考えてみましょう。
これも、図12による説明をしましたが、その図もまた、プレー
ト境界が水平な場合用の図でした。
そこで、図14のケース用の図を描いてみたいと思います。
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(図16)
プレート境界の部分に、今度は右向きの矢印が描かれていますね。
これが、『プレートがぶつかり合う』ことによって生じる作用で、
受圧固着を生じさせることになるわけです。
つまり、この作用もまた、境界面に平行な(右斜め上向きの)分
力と、境界面に垂直な(右斜め下向きの)分力という、二つの分
力に分けることができ、そのうち、受圧固着を起こす圧力となる
のは、これまた後者、すなわち、境界面に垂直な分力の方です。
ただし、その原動力となるのは、先ほどの場合とは違って、マン
トル流です。
左右二つのプレートがぶつかり合う原因となっているのは、それ
らの下にあるマントル流であるからです。
●マントル流と盛り上がり阻止作用
次に、三つ目の受圧固着、すなわち、盛り上がり阻止作用による
受圧固着です。
前回の図13で示したように、プレートがぶつかり合うだけでは、
プレート境界の深いところでは受圧固着が起きますが、浅いとこ
ろ、すなわち、上の方では、圧力の方向とは垂直な方向にサイズ
が大きくなろうとするのを抑える働きが弱いため、盛り上がって
しまいがちで、そのために受圧固着は起きにくくなるのでした。
もっとも、図13は、プレート境界が垂直な場合の図でしたので、
ここでは、図14のケース用の図を示したいと思います。
それは、こんな感じの図になります。(盛り上がり方が、かなり
誇張されてしまっていますが…。)
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(図17)
図16と比較してみて下さい。
左側のプレートの縁が、右側のプレートの上に迫(せ)り出すよ
うに盛り上がってしまっていますでしょう。
これでは、受圧固着はほとんど起きません。
ところが、右側のプレートが、左側のプレートの下に沈み込もう
(潜り込もう)とすると、左斜め下方向への引きずりの効果によ
り、この盛り上がり(迫り出し)が阻止され、浅いところでも受
圧固着が起きやすくなるのです。
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(図18)
右側のプレートの境界面付近に、左斜め下向きの矢印を描いたつ
もりなのですが…。(テキスト・アートの表現力の限界です。わ
かってやって下さい。m(_ _;)m )
この左斜め下向きの矢印は、右側のプレートの沈み込みを表すも
のです。
この『沈み込み』による『引きずり込み』が、左側のプレートの
盛り上がり(迫り出し)を阻止することになるわけです。
その結果、浅いところでも受圧固着が起きやすくなるというわけ
です。
以上が、三つ目の受圧固着のメカニズムです。
右側プレートの沈み込みが影響していますでしょう。
そして、この沈み込みは、マントル流によるものなのです。
ですから、この三つ目の受圧固着の原動力も、マントル流という
ことになるのです。
●マントル流と絞り
最後に、四つ目の受圧固着についてです。
これは、左側のプレートが、右側のプレートの沈み込みに引きず
られると、サイズが小さくさせられることになるため、圧縮され
ることになり、故に、受圧固着が起きる…というものでした。
これも図を示すと、こんな感じでしょうか。
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(図19)
左側のプレートの境界付近にも、左斜め下向きの矢印が描かれて
いる…と思ってやって下さい。m(_ _;)m
すると、左側のプレートが圧縮されることになるということがわ
かると思います。
と同時に、この受圧固着についても、原動力となるのはマントル
流であるということがわかると思います。
三つ目の場合と同じく、右側のプレートの沈み込みが原因となる
わけですから。
このように、一つ目の受圧固着の原動力は重力で、あとの三つは
マントル流が原動力となるのです。
ですから、受圧固着は四つでも、原動力は二つしかないことにな
るのです。
●そして、もう一つの原動力…歪み
今回は受圧固着の原動力となるものについて考えてきましたが、
実は、受圧固着の原動力となるものが、さらにもう一つ存在する
のです。
それは、プレートにたまった歪みです。
これは、とかく、見落とされがちなことです。
歪みがたまった左側のプレート(の端)は、上方向だけでなく、
右方向にも動こうとするのです。
なぜか?
それは、歪みがたまる際の変形のさせられ方が関係しています。
左側のプレートに歪みがたまるのは、右側のプレートの沈み込み
による引きずりが原因です。
ところが、引きずりの方向は、下向きではありません。
左斜め下向きです。
このため、左方向にも変形させられているのです。
故に、左向きの歪みもたまっているのです。
ですから、その弾性力(反力)として、右向きの力が(も)生じ
ることになるのです。
図で示すと、こんな感じです。
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(図20)
もうお気づきのように、これは図16、すなわち、プレートのぶ
つかり合いによって生じる受圧固着の話の時の図と(ほとんど)
同じです。
ならば、その応用で、右向きの力の分力を考えれば、こちらもま
た受圧固着を生じさせることになるということがわかると思いま
す。
このように、プレートにたまった歪みが生み出す力までもが、実
は、受圧固着を生じさせる働きをしてしまうのです。
プレートの沈み込みに加えて、プレートの歪みまでもが、プレー
ト境界付近を壊れにくくする(∴滑りにくくする∴動きにくくす
る∴地震や津波を起きにくくし、歪みの解放を阻害する∴歪みが
たまりやすくする∴強大な地震や津波を起こしやすくする)働き
をしていたのです。
ところが、国の地震研究では、そのいずれも、プレート境界付近
を壊す(∴歪みを解放させる∴強大な地震や津波を起こりにくく
する)働きしかしないと考えていたのです。
これでは、予想がハズレるのは当然のことでしょう。
●分力のことを十分考えることが不可欠
さて、こうしてみると、東日本大震災の震源となるエリアでは、
なんと、五つもの受圧固着が起きていたということがわかります。
国の地震研究では、そのうちの一つも考えていなかったのですか
ら、論外レベルのお粗末さだったのです。
それはともかく、受圧固着について考える時は、分力というもの
を考えることが、まずは重要になってきます。
今回の話でも、分力のことが出てきましたでしょう。
最も単純な、重力が原動力となる受圧固着、すなわち、自重が原
因となる受圧固着でさえ、境界面を押すことになる向きの力の成
分(分力)を考えなければ、たとえ受圧固着という現象のことを
知っていたとしても、受圧固着が起きることには気付かないこと
になってしまうのです。
ですから、まずは、分力について考えることが重要になってくる
のです。
●力の向きのことを十分考えることが不可欠
さらに、プレートのぶつかり合いのケースなどでは、なおさら、
そのことが言えます。
元の作用は横向きで、その分力を考えなければ、境界面を押すこ
とになる向きの力(=受圧固着を起こすことになる圧力)のこと
など、全然思いつかないことになることでしょう。
分力を考えるということは、力の向きを十分に考えるということ
です。
ところが、これが意外と忘れられがちなことなのです。
実際、プレートにたまった歪みまでもが、境界面を押すことにな
る向きの力を生み出すということに気付いていた者が、どれだけ
いたでしょうか?
先ほども述べたように、左側のプレートにかかっていたのは、下
向きの力ではなく、左斜め下向きの力であり、故に、右向きの弾
性力(反力)をも生み出すことになるのですが、そのことに気付
くためには、力の向きを、残らず、正確に把握しておく必要があ
るのです。
そこまでやらないと、受圧固着を把握しつくすことは不可能なの
です。
故に、地震や津波が起きる可能性の予想も不可能になるのです。
●意外と厄介な力の向きという問題
力の向きを把握するということは、結構面倒なことなのです。
なぜなら、物質・物体というものには、力の向き(や大きさ)を
変えてしまう働きがあるからです。
たとえば、物体に圧力をかけると、圧力とは垂直な方向に膨張し
ようとします。
膨張しようとするということは、膨張しようとする向きの力を生
じさせるということです。
つまり、圧力とは垂直な方向の力を生み出すのです。
これは、圧力となる力を、それとは垂直な方向の力に変えてしま
うということになるでしょう。
物体が置かれた斜面もまた、力の向きを変えてしまう働きをしま
すね。
物体に働く下向きの力である重力を、斜面に水平な力(物体をす
べり落とさせようとする力)と垂直な力(斜面を押す力)とに分
割変換してしまいます。
というわけで、力の向きや大きさを把握しつくすことは、結構面
倒なことなのです。
それだけに、科学のことを知ったかぶりしたがる政治家には、非
常にウケが悪いのです。
そのため、国の地震研究は、おかしなものになってしまったので
す。
次回は、そのあたりの話をしたいと思います。
(次回に続く)
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