【介護者虐待】 vol.16


●どうして知り得るの?

 “家族による痴呆症患者への虐待”を告発する、自称・家族の人
 たち。
 でも、自分の家族の介護に忙しいはずの人たちが、どうして、他
 人の虐待行為の存在を知り得るのでしょうか?
 非常に不思議です。
 そんな暇が、どこにあるのか?

 それとも、自分たちが虐待してしまった経験がある…ということ
 でしょうか?
 だったら、人を加害者に仕立て上げるより、まず、自分の行為を
 反省すべきでしょうに。


●相手によって態度が変わる場合もある

 痴呆症の老人の場合、相手によって態度が変わる場合があります。
 たとえば、他人に対してはお行儀が良いのに、家族に対しては横
 柄に振る舞う…といったぐあいにです。
 こういう事情も知らずに、イラつく家族をいたずらに虐待容疑者
 呼ばわりするのは、あまりに酷なことではないでしょうか?

 実態をよく調べもせずに、理屈や知識だけで情況を決め付けるの
 は、あまりに擬似科学的な行為です。
 ま、“人権屋さん”たちは、よくやるのですがね。


●NHKの奇妙な差別語論理

 ところで、今日では、痴呆症という言い方をせず、認知症という
 言い方が多く用いられます。
 なぜでしょう?
 NHKの説明によると、「痴呆症」と言うと、「何もわからなく
 なる」という意味になってしまうからだそうです。

 でも、これはおかしいですね。
 痴呆(症)という言葉には、そんな意味はありません。
 もし、そういう意味なら、「痴呆が始まった」とか、「痴呆が進
 む」なんて言い方は、あり得ないでしょう。
 まだ、そこそこ、わかることがあるからこそ、そういう言い方が
 可能なわけです。
 つまり、症状進行がアナログ的なわけです。
 ならば、「何もわからなくなる」ということには、なり得ないは
 ずでしょう。
 これでは、デジタル的です。
 いくらNHKがデジタル・オタクだからといって、これはあまり
 に酷い屁理屈ではないでしょうか?

 一般人にとっては、むしろ、「認知症」の方が、「何もわからな
 くなる」というイメージが強まると思われるのです。
 NHKの言語感覚は、一般人のそれから離反している…というこ
 となのでしょう。

 余談ですが、何もわからなくなると、何もできなくなるものです。
 そうなれば、何もしなくなる。
 故に、問題も起こさなくなる。
 家族にとっては、その方がよっぽど助かると思わさる場合さえあ
 る。
 そこまで行かないから、めっちゃ苦労するわけです。
 何をしでかすか、わかったものではないのですから。
 したがって、実際に痴呆症患者に接している人なら、「痴呆」=
 「何もわからなくなる」とは考えないはずです。
 要するに、NHKの連中は、自分で実際に介護した経験がないか
 ら、おかしな屁理屈をこね回すという恥さらしをやってしまうの
 です。
 哀れな連中です。

 ま、確かに、「痴呆」という言葉には、「アホ」という意味があ
 るのですがね。
 でも、実際にそういう感じになってしまうのですから、そう表現
 した方が的確でしょう。

 「差別、差別!」と言いますが、日常、患者に向って口にする言
 葉ではないのですから、そう騒ぎ立てることもないでしょう。
 そもそも、患者について、「痴呆症(認知症)」という言葉を口
 にする機会がどれだけあるというのでしょうか?
 なーんか、的が外れてます。

 そんな改革(?)に金や心血を注ぐ余裕があるのなら、もっと介
 護の方にそれらを回してもらいたいものです。
 ま、額に汗して介護の現場にかかわろうとしないインテリ特権階
 級者たちに、そんなことを言っても無駄でしょうけれどね。


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発行者:media
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