【ブライデン夫妻ブームを斬る】 vol.4


●夢を与える…ですか?


 メディアというやつは、よく、たとえばスポーツなどで良い結果
 を出すことのできた人を盛んにヨイショして、「夢」とか「希望」
 とか「勇気」とかを「(与えて)くれた」などと煽り立てますよ
 ね。
 でも、これって、ものすごく独善的かつ偽善的な行為だと思うの
 です。
 そういう人をヨイショしても、夢(希望、勇気)を与えてくれた
 と思う人は、現実にはごくわずかです。
 特に、不幸な人たちは、まず、そうは思いませんね。
 むしろ、自分がますます惨めに思えたり、最悪の場合、人のこと
 を妬んだり恨んだりするようにさえなります。
 どうして、メディアは、こういうことがわからないのでしょう?
 あまりに独善的かつ偽善的です!
 良い子ぶってますね。

 確かに、テレビなどの取材では、「夢(希望、勇気)を与えてく
 れた」などとと答える人が多いようですが、あれは本音ではない
 でしょう。
 そう言わないと世間から白い目で見られる…という強迫観念があ
 るからそうするという場合がほとんどです。
 それに、取材にはヤラセが付き物ですし…。
 押し付けがましいのですよね、メディアという奴は…。

 とにかく、幸せな人をヨイショしても、不幸せな人は幸せにはな
 りません。
 むしろ、逆です。
 ぜ〜んぜん、不幸せな人たちの本音がわかっていませんね。
 それとも、わかりたくないのかな?
 こういう頑迷さを見ていると、メディア関係者こそ、ある種の脳
 の病気ではないのかと疑いたくなります。

 彼らのやっていることは、単なる偶像化や個人崇拝にすぎません。
 人をさらっていくどこかの民主主義の国(?)と同じです。

 今の日本のオトナは、あまりにも幼稚です。
 スポーツに限らず、うまくいった人をヨイショすれば人に夢や希
 望や勇気を与えられる…などと信じていられるのは、そのためで
 す。
 人間の心理とは、そんな単純なものではありません。
 あまりにも(似非)唯物論的!
 特に学生紛争世代の人たちは、そのようです。
 無垢な若い人たちは、そういう世代の人たちの教義を信じ込まさ
 れる。
 そして、そのために、知らないうちに、人を傷つけてしまったり、
 恨みをかってしまったりすることになる。
 駄目ですよ、あんな人たちの真似なんかしたら。

 日本の伝統的な格闘技では、礼に始まり礼に終わることになって
 います。
 勝っても、ガッツポーズなんか見せては、(本当は)いけないの
 です。(今はすっかり堕落して全然そうなっていませんが。)
 これには、敗者に対する思いやりというものもあるのだろうと思
 います。
 こういう精神が、今の日本のオトナには、微塵も見られないので
 す!
 幸せな人=強い者を賛美することで、自分も強くなったように錯
 覚しているのでしょうね。
 そんなことしたって、自分のおかれた厳しい現実は、何も変わり
 はしないのに…。
 ほんと、バカとしか言いようがありません。

 そういえば、偉い人の講演会なんか、よく、聞きたがるようです
 けど、そういうことすれば何か御利益があるとでも思っているの
 でしょうね。
 ほとんどオカルトの世界。
 そのくせ、自分は科学的な人間だなどと思っているのですから、
 何ともおめでたい人たちです。

 で、このメルマガの批判対象である「ブライデン夫妻ブーム」も、
 そういうオトナたちの幼稚さがよく現れたものだと言えるのです。

 クリスティーン(・ブライデン)さんを見ていると、意外と症状
 が軽いのですよね。
 だからこそ、あれだけ働けるのでしょう。
 まぁ、早期発見と、適切なケアがあったからだと思いますが、症
 状が進んでしまった人たちやその家族にとっては、ああいう人を
 ヨイショしてくれても、何の救いにもならないのです。
 それが、このブームの仕掛け人であるメディアには、全然わかっ
 ていないないのです。

 彼女は、かなり幸運な例にすぎません。
 献身的な夫もいるわけですし…。
 全ての痴呆症患者が、彼女のような幸運に恵まれているわけでは
 ないのです。
 そういうことがわからないところが、あまりに無神経!

 その無神経の代表格が、他でもない、NHKなのです。
 それに、北海道新聞のような地方紙が共鳴する。
 もっとも、無神経なだけではなく、政治思想的な意図もあるので
 すが…。

 言うのが遅くなりましたが、「ブライデン夫妻ブーム」を盛んに
 煽っているメディアは、NHKと、北海道新聞のような一部の地
 方紙ぐらいのようです。
 ですから、御存知ない方が多くても当然だと思います。
 とはいえ、NHKがやったとなると、その影響力ゆえ、やはり見
 過ごすことはできないでしょう。

 そこで、次回は、NHKのことについて述べようと思います。


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発行者:media
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