【ブライデン夫妻ブームを斬る】 vol.3


●強い女…ですか?


 ちょっと意外に思われることかもしれませんが、ブライデン夫妻
 ブームには、ハリポタ人気と共通するところがあります。
 そのキーワードとなるのが、「シングルマザー」です。
 ハリポタの原作者がシングルマザーだったことは、御存知の方も
 いらっしゃるのではないかと思います。
 実は、クリスティーン(・ブライデン)さんも、以前はシングル
 マザーだった時期があったそうです。

 お堅いホシュの方は、シングルマザーと聞いただけで、眉間にし
 わを寄せられるかもしれませんね。
 逆に、ナンパな方は、「それがどうした!」と言われるかもしれ
 ません。

 私が胡散臭く思うのは、一般にメディアの世界では、「シングル
 マザー」と言えば、「強い女」とか「闘う女」とか「自分らしく
 生きる女」というイメージで受け止められる傾向が強いからです。
 ですから、クリスティーンさんも、メディアのこうした需要に利
 用されているだけではないかと思えてならないのです。
 メディアは、こういうキャラクターが好きですからね。

 正直申し上げて、福祉の世界に、こういうキャラクターによるウ
 ケ狙いを持ち込むのは、あまりに軽薄な行為であり、また、迷惑
 になるのではないかと思われてならないのです。
 少なくとも、痴呆になる女性の全てが「強い女」というわけでは
 ないのですから。
 それに、「男」の痴呆症患者だっているのですよ。

 まして、「闘う女」とかとなると、あまりにも政治闘争的な香り
 が強まってきます。
 福祉は闘争の場ではありません。
 あくまで、「幸福」をもたらすことが目的です。
 「闘争」=「幸福」などと考えるのは、(革命)闘争を生き甲斐
 としているような思想オタクたちぐらいなものでしょう。

 そもそも、痴呆症患者のように福祉を必要としている人たちは、
 何らかのハンディを背負った人たちであり、弱い立場にある人た
 ちのはずです。
 そういう人たちに「強い…」だの「闘う…」だのといったキャラ
 クターをお仕着せるのは、彼らの立場をますます悪くすることに
 なってしまうのではないでしょうか?
 「そんなに強いのなら、なぜ福祉が必要なのだ?」と言われたら、
 どうするつもりなのでしょう?

 こういうところを見ると、ブライデン夫妻ブームは、とても福祉
 のことを真面目に考えている人たちによるものとは思えないので
 す。
 私には、視聴率や営利目的やイデオロギーのための、メディア・
 政治家・思想家らによる「アオリ」にしか思えないのです。
 同情を誘おうとする一方で、こういう攻撃的な面もあることに気
 付いてほしいのです。
 また、こういうところに気付くと、前回指摘したように、なぜに
 福祉の分野で「偏見」などという攻撃的な言葉を使うのかも、わ
 かるようになると思います。


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発行者:media
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