【ブライデン夫妻ブームを斬る】 vol.1 創刊号


●はじめに

 大変お待たせいたしました。
 創刊号です。
 購読申し込みいただき、ありがとうございます。

 さて、初回の今回は、このメルマガの発行動機について述べよう
 と思います。


●「福祉、福祉」と言うけれど…

 今日、「福祉」という言葉をよく耳にしますが、これはどういう
 意味の言葉なのでしょうか?
 手元の辞書には、こう記されています。

 『幸福。特に社会構成員に等しくもたらされるべき幸福。』

 ここで重要なのは、「社会構成員に等しくもたらされるべき」と
 いう部分でしょう。
 たとえば、病気の患者や、障害者といった人たちは、ハンディが
 あるために、幸福を手に入れられにくいものです。
 だからこそ、「福祉」と言えば、こういう人たちのための福祉の
 ことが大きく取り上げられることになるわけです。

 しかし、ここで忘れてもらっては困ることがあります。
 それは、等しく幸福をもたらされるべき社会構成員は、何も患者
 や障害者たちだけではないことです。
 たとえば、彼らの面倒をみなければならなくなった人たちがいる
 でしょう。
 それから、直接面倒をみないまでも、経済的な面や社会的な面で
 負担を強いられる、いわば「あかの他人」の人たちもいるでしょ
 う。

 実は、ここが見落とされがちなところなのです。
 特に「痴呆」の場合はそうなのです。
 患者本人も辛いのでしょうが、患者以外の人たちも辛い目にあう
 ことが少なくないのです。
 こういう立場の人たちのことを忘れてもらっては困るのです。

 このメルマガの批判の対象となる「ブライデン夫妻ブーム」は、
 まさに、こういう立場の人たちのことを全然考えていないものと
 言わざるを得ないのです。
 というのは、患者への同情ばかり煽っているからです。
 もちろん個人差はかなりあるとは思いますが、こういうブームが、
 患者以外の人たち、中でも患者の面倒をみなければならなくなっ
 た人たちの感情をどれだけ害することになるか、ブームの仕掛人
 たちは何もわかっていないのです。

 ちなみに、ブライデン夫妻とは、痴呆の人としては初めて国際ア
 ルツハイマー病協会(ADI)の理事に選ばれたオーストラリア
 のクリスティーン・ブライデンさんと御主人のことです。
 誤解の無いよう、あらかじめお断りしておきますが、彼らに非は
 一切ありません。
 問題があるのは、彼らを利用して、勘違いなブームを仕掛けよう
 としているメディアの方なのです。

 福祉というものは、時として、ずる賢い野心家たちの道具にされ
 てしまうことがあります。
 自分(たち)を売り込むための道具にする者、それで利益を得よ
 うとする者、ウケ狙いで視聴率を稼ごうとする者、政治的煽動の
 材料にしようとする者…等々、世の中には困った人たちが少なか
 らず存在するのです。
 ブライデン夫妻ブームには、こうした「たかり屋」たちの放つ悪
 臭が立ち籠めているのです。
 こんな連中の存在は、ブライデン夫妻にとっても、福祉にとって
 も、ありがた迷惑でしかないでしょう。
 これが、当メルマガを発行することになった最大の理由です。

 と言われても、まだピンとこない方も多いかもしれません。
 ですが、福祉というものは、(変な言い方ですが)用い方しだい
 では、とんでもない凶器になるのです。
 そこで次回はまず、勘違いな福祉同情ブームがもたらす毒性につ
 いて説明したいと思います。


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発行者:media
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