【くたばれ!友情論】 vol.71


●作り物の世界の悪には友だちがいない超〜不自然

 マンガやアニメ、ドラマ、映画…といった、いわゆる作り物の世
 界を見ていて、非常に奇妙に思わさせられることがあります。
 それは、悪には友だちがいないことになっていることがほとんど
 であることです。
 これ、あまりにも不自然ではありませんか?

 友だちがいるのは、なぜか善すなわち正義の側だけ。
 中には、悪の側にいた者が、正義の側の者と友だちになってしま
 い、改心してしまう…な〜んて作品までありますよね。
 そして、最後はみんなで、友だちがいない悪を倒す…と。
 こういうパターンの作品、すごく多いと思いません?

 こうしてみると、友情が正義と完全に結びつけられてしまってい
 ることがわかります。
 だから、悪は友情の敵。
 だから、悪には友だちがいない…というわけです。

 でも、現実の世界では、そういうものでしょうか?
 もしそうなら、悪が力を得ることなど、絶対にあり得ないことの
 はずです。

 でも、現実の世界では、悪が力を得ています。
 強大な勢力をなしていることさえ、少しも珍しくありません。

 ということは、作り物の世界の法則『悪には友だちがいない』は、
 所詮、作り物の世界の思想、『決めつけ』でしかないということ
 でしょう。
 そんなアホらしい思想を現実世界に持ち込むのは、全く救いよう
 のない幼稚なバカと言わざるを得ないことになるはずです。


●差別や偏見を煽る危険思想

 ところで、作り物の世界の法則『悪には友だちがいない』は、差
 別や偏見を招きかねない危険思想だと言えます。
 なぜなら、『悪には友だちがいない』ということになると、友だ
 ちがいない(もしくは少ない)者は悪ということにされてしまい
 がちになるからです。

 実際、友情論好き人間には、友だちの有無や数で人を差別する者
 が非常に多いものです。
 サヨク世代には、特に多いようですね。
 日頃、「差別はイケマセン!」なんて言っているくせに、こうい
 う差別は平気でするのです。

 こういう連中がいるから、たとえば自閉症の人たちなどが苦い思
 いをさせられることになるのでしょう。
 自閉症だと、友だちができにくいですからね。
 「障がい者の人権!」なんてことを叫ぶような奴らに限って、こ
 ういう人権問題は放置するのですから、全く呆れる限りです。


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発行者:media
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