【くたばれ!友情論】 vol.4


●友だちを裏切るなんて…

 拉致問題で日本国民の怒りが爆発すると、すかさず拉致被害者の
 家族らと友だちになろうとすり寄ってきたセコいセンセイたちが
 わんさといたことは、前回もお話しいたしました。
 しかし、その一方で、死んでも友だちになりたがらないセンセイ
 たちもいるのでございます。
 そう、顔も見たくないという人たちが…。
 それは、「拉致はでっち上げ」と叫んできた人たちでございます。

 う〜ん、この人たちは、人と友だちになりたくないのでしょうか?
 友だちを作りたくないのでしょうか?
 友情が嫌いなのでしょうか?
 だとしたら、友だちがいないってこと?

 いえいえ、そうではありません。
 彼らにだって、友だちはいます。
 彼らの友情の絆は、他の誰よりも強い!
 そのお友だちとは…
 言わなくてもわかりますね。

 そう、彼らは、彼ら自身の友情のために、拉致を否定してきたの
 です。
 まったく、すばらしい友情パワーではありませんか。
 中には、友だちが拉致を白状した後でも、「拉致は捏造だ!」と
 ホームページで友だちの無罪を訴え続けた人たちもいました。
 いゃあ、友情って、ほーんと、ありがたいものですねぇ。
 そう、友だちを裏切るなんて、とんでもないことです。


●俺たちの友情のためにオマエら死ね!

 要するに、彼らは、自分たちの友情のために、拉致被害者たちを
 故意に見捨ててきたわけです。
 すっごいですねーぇ、友情パワーって。
 歴史事実までスプーンのようにねじ曲げてしまう、この超能力!

 でもさぁ、感動してる場合じゃないと思うよ。
 見捨てられた側はどうなるの?
 これって、結局、
 「俺たちの友情のために、オマエらは死ね!」
 ってことじゃん。

 友だちのためなら、何でもしちゃう。
 そのためなら、友だちでない者は、どうなったっていい。

 おいおい、それじゃあ、ただのエゴじゃないか。

 いやっ、俺たちと友だちになろうとしない奴らが悪い!

 はぁ、そうですか。


●友だちじゃないもん

 さてさて、
 「友だちでなければ、どうなろうとかまわない」
 という考えは、発展させれば、
 「友だちでなければ、どうしようとかまわない」
 となりますでしょう。
 友だちでない人間は、煮て食おうが、焼いて食おうが、勝手にし
 てよい。
 いじめようが、無視しようが、ゆすろうが、奪おうが、傷つけよ
 うが、ブッ殺そうが、一向にかまわない。

 こうした論理って、何かに似てません?
 そう、信じられないような犯罪に走る今時の若者たちの論理に、
 です。
 彼らは、罪意識というものが全くない。
 そりゃあ、そうでしょう。
 相手(被害者)は友だちではないのだから。

 どうして漫画の本を万引きするの?
 だって、本屋のオジサンは友だちじゃないもん。

 どうして自分より小さい子供を痛めつけるの?
 だって、この子は友だちじゃないもん。

 なるほど、ごもっともなことです。
 彼らを責めることはできません。


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発行者:media
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