【くたばれ!友情論】 vol.3


●友だちになりたくない!

 友情論に染まった今時のオトナたちは、子供たちに「友だちを沢
 山作りなさい」と説教します。
 「友だち百人できるかな?」なんて歌まで作っちゃってます。
 とにかく、「より多くの人と友だちになりなさい!」と強迫する
 わけです。
 子供の方は、問題児呼ばわりされるのが恐くて、それに従います。
 そんな子供たちのストレスなど微塵も考えず、今時の大人たちは
 「友だちになれ!」と迫るのです。

 そうすっか、そんなに人と友だちになることが重要なんすか。
 では、多くのオトナたちは、なぜ、拉致被害者の救出にあたって
 いる家族らと友だちにならなかったのでしょうか?

 答えは簡単。
 そんなものとは、かかわり合いになりたくなかったから。
 (ちゃいまっか?)
 要するに、自分たちの損得勘定で人を選別してるだけじゃん。

 子供にだって、子供の損得勘定というものがあるのでは?
 だったら、子供にだって選ぶ権利はあるはず。
 子供の権利はいずこへ?

 「否、友情とはそういうものではない!」と言い張るオトナたち
 へ。
 自分たちがやってもいないことを、子供たちに要求したりして、
 恥かしくないんすか?

 友情論者たちは、拉致被害者の救出にあたっている家族らに、ど
 んな態度をとっていたのでしょう?
 まさか、「右翼の手先じゃないか?」なんて言った人はいないで
 しょうね。
 ましてや、「自分の子供のことを思うのなら、飢えに苦しむ北朝
 鮮の子供たちのことを考えろ!」なんて説教した人はいないです
 よね〜ぇ。
 そんなの、友だちになろうとする人たちが口にできるセリフじゃ
 ないですもの。
 違います?


●それが今では…

 かつて、家族を拉致された人たちと友だちになりたがるオトナは、
 ごく少数でした。
 ところが、将軍様が白状して、日本国民の怒りが爆発すると、情
 況は一変!
 我も我もと友だちになりたがるオトナたちが押し寄せてきたそう
 です。

 たとえば、政治家のセンセイたち。
 中には、握手しているところを写真に撮らせ、それを自分のホー
 ムページで公開しちゃったセンセイもいるとか。

 かと思えば、自分たちのイデオロギーに都合のいい証言を得る取
 材をするために、親のいない時を狙って、子供に接近してきたマ
 スコミもありました。

 他にも、得体の知れないNGOだかNPOだかが…。

 御親切に、募金までしてくれるオトナたちまで登場。

 ものすごい友情パワーの嵐ですね。
 でも、この豹変ぶりは、一体、何なの?

 やはり、自分に得になる人と友だちになりたがるのですね。
 損になる人とは友だちになりたくない。
 これが実際の友情論の姿。

 「事実を否定するのは非論理的です」とはMr.スポックのセリ
 フですけど…。
 友情論に論理は無用ってこと?


──────────────────────────────
発行者:media
──────────────────────────────

バックナンバーへ