【くたばれ!友情論】 vol.2


●友達しか助けない

 今時のオトナたちは、友情のすばらしいさを説くのが好きです。
 「辛い時、一番の支えになってくれる。」
 「苦しい時、助けてくれる。」
 「だから、自分も友情を大切にしなさい。」
 「自分を犠牲にしてでも。」
 「先生よりも、親よりも、友情が大切。」

 そうですか。
 では、なぜ、みんな、拉致被害者を助けてあげないのでしょう?
 なぜ支えになってあげないのでしょう?
 答えは簡単。
 それは、拉致被害者は友達じゃないから。

 そう、友情パワーは、友達しか救わない。
 これが友情の正体。
 選民的で閉鎖的で排他的。
 こんなもののどこがそんなにすばらしいのでしょう?

 ナイチンゲールの精神とは対照的。
 人を別け隔てして処理する思想の世界。
 そんなもののどこが美しいのでしょう?

 友情を絶対的美・善と崇めさせようとするアニメ制作者たちよ、
 こんな陰険な思想を青少年たちに植え付けて、そんなに楽しいか
 ね?


●友情を大切にしないから拉致されたとでもいうのか?

 元・工作員の証言によれば、いなくなっても騒ぎにならないよう
 な人を拉致の対象にしたといいます。
 だとすれば、友達の多い人は拉致の対象にはできなかったでしょ
 うね。
 つまり、拉致されたのは友達の少ない人。
 ということは、「友達がいないから、友情を大切にしないから、
 拉致された」ということでしょうか?

 冗談じゃない!
 友情なんて選民思想に多くの日本人がハマッていたから、拉致被
 害者たちは透明な存在とされ、無視され、見捨てられてきたので
 す。
 そういう友情オタクの日本人のマヌケさに、あちらがつけこんだ
 だけですよ。
 いかがわしい思想に無中になってつけこまれる方が悪いのです。

 こうしてみると、友情論者たちの正体が見えてくるではないでし
 ょうか?

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発行者:media
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