【くたばれ!友情論】 vol.17


●友だちの条件

 友だちの条件とは何でしょうか?
 あっ、日本語が変ですか?
 では、こうお尋ねしましょう。
 友だちになる条件とは何でしょうか?
 友だちでいる条件とは何でしょうか?

 友情論者である今時のオトナたちは、とかく綺麗事だらけの理想
 論を答えたがるものです。
 でも、そういう当の本人たち(の人間関係)が、ぜ〜んぜん、彼
 らの解答(理想論)通りではなかったりするから、笑えます。
 自分ができもしない理想(論)を青少年たちに押し付けるのは、
 あまりにも偽善的ではないかと私は思います。
 ですから、私はあくまで現実的な解答をしたいと思います。

 友だちになる(でいる)最低限の条件とは、次の二つ(をともに
 満たすこと)だと思います。

  (1)何か共通のものをもつ。

  (2)相手を利することはあっても、相手に害を与えるよう
     なことはしない。あるいは、(相手に与える)「利」
     が(同)「害」を上回っていること。

 この二つが満たされていなければ、まず、友だちにはなれませし、
 友だちでいることもできません。
 共通するものが無ければ、疎遠になっていく…。
 害ばかり与えていたのでは、プッツンしてしまう…。
 これが現実です!
 ですから、この二つの条件をともに満たさなければ、友だちなん
 かできっこないのです。


●いつの時代でも大人は押し付けが大好き

 したがって、この二つの条件をともに満たすことのできない青少
 年たちが、友だちができないのは、仕方のないことだと思います。
 特に、(1)の条件を満たさないことなど、それほど珍しいこと
 ではないのですから、友だちがなかなかできないことがあったと
 しても、別に不思議ではないと思います。
 むしろ、そんな青少年たちに、「友だちを作れ!」などと強要す
 ることこそ、虐待とも言える問題行為だと私は思います。

 いたずらに「友情、友情」と叫ぶことは、友だちができない子を、
 ますます孤立させることになります。
 その子は「異常者」のレッテルを貼られることにもなります。
 これって、差別を助長する行為でしょう。

 変に「友だちができないのが心配だ」などと心配がることは、い
 たずらに不安や恐怖を煽り立てる行為であり、そのせいで、精神
 に異常をきたしてしまう可能性だってあり得ます。
 友だちができないということで、「自分は貧しい人間だ」と、グ
 レてしまうこともあり得る。
 「自分を受け入れてくれない」とか、「自分は透明な人間なんだ」
 と勝手に勘違いし、極度の社会不信や人間不信に陥る場合だって
 あり得る。
 友情論者のオトナたちは、自分たちが押し付けている教義が招い
 ている弊害に全く気付いていないようですね。

 今のオトナたちは、若い頃、自分たちよりも年長の人たちに対し
 て、「大人の押し付けは反対!」などと主張していました。
 その彼らが大人になり、友情(論)なんて理想・思想を押し付け
 ているのは、まことに滑稽なことだと思います。


●やはり矛盾が発展の原動力!?(←意味わかる?)

 どんなことでも、条件が満たされなければ、それは実現しないも
 のです。
 友情も同じ。
 ですから、どうしても友だちができるようにしたいのであれば、
 上で述べた条件を満たすようにしなければダメでしょう。

 でも、そうするとなると、問題も生じてきます。

 たとえば、(1)の条件を満たすようにするためには、「個性」
 とか「自分らしさ」といったものを、ある程度、抑えなければな
 らなくなるでしょう。
 ところが、今時のオトナたちは、「自己の信念を大切にしてほし
 い」などと、正反対の教育をしているのですよね。
 これって、やってることが完全に矛盾してません?

 一方、(2)については、道徳とか良識、理性、人格(育成)等
 の問題でしょう。
 ところが、今時のオトナたちは、こちらも、とことん、手抜き。
 こちらも、やってることが完全に矛盾してません?

 総じて言うならば、今時のオトナたちは、「友だちを作れ!」な
 どと説教しながら、友だちができなくなる教育をしているのです。
 あっちもこっちもと、欲張りすぎなのか?
 それとも、精神そのものが分裂しているのか?

 とにかく、こういうオトナたちなら、「共通するものが無くても、
 友だちになれるはずだ」((1)の否定)とか、「害を与えてし
 まう者でも、キン肉マンやセーラームーンのように、友だちにな
 れるはずだ」((2)の逆)などといった、幼稚な理想論を主張
 することぐらい、平気でやることでしょう。
 そして、そういう自分たちができもしないことを、子供たちに強
 要することも、平気でやるでしょう。

 やはり、物質の世界にまで「矛盾が発展の原動力となる」という
 教義を持ち込みたがる人たちは、やることが違う!?


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発行者:media
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