【マルクスとアインシュタイン】 特別号


◎お詫び

 三か月以上も配信が止まってしまい、申し訳ありません。
 環境ファシズムとの闘いに時間がとられ、原稿作成のための時間
 がなかなか確保できません。
 というわけで、今回もまたまた、殴り書き的な差し替え記事です。
 それも、環境ファシズム関連の。(かなりの部分、他のメルマガ
 から流用。)
 なかなか最新号を配信できず、申し訳ありません。
 読者の皆様方には御迷惑をおかけしっぱなしですが、どうか御理
 解のほどをよろしくお願い申し上げます。


●『運動』を軽んじる思想

 地球温暖化説という眉唾科学の思想的根底にあるのは、マルクス
 主義です。
 より詳しく言うならば、弁証法的唯物論です。

 弁証法的唯物論によれば、『矛盾』が『運動』の原動力とされて
 います。
 つまり、『矛盾』が原因であって、『運動』は結果にすぎないわ
 けです。
 もっと言うと、『矛盾』が主であって、『運動』は従にすぎない
 というわけです。

 そうわけで、マルキストたちの世界では、『運動』が低く扱われ
 るわけです。
 ですから、当然、軽んじられることになるわけです。

 ですが、現実に目をやるならば、この教義は間違っていることに
 気付くはずです。
 『矛盾』は根源的なものではありません。
 むしろ、『運動』によって生じる“ある状態”と言えます。

 たとえば、資本の集中。
 これは、全ての資本が、ある特定の者に向かって『運動』する現
 象でしょう。
 このように、『運動』により、『矛盾』(と人間が思う状態)が
 もたらされるわけです。

 逆に、『矛盾』があっても、『運動』(発展、または、そのため
 の闘争)が生じない場合もある。
 北朝鮮や中共の様を見れば、そのことは明らかではありませんか。

 『矛盾』であれ、何であれ、状態とは、『運動』により実現する
 のです。
 それが現実世界の実態なのです。
 ですから、『運動』の方が、より重要視されなければならないは
 ずなのです。

 なのに、マルキストたちは、『運動』を軽んじたがる。
 それは、彼らが、運動を嫌っているからです。
 では、なぜ『運動』を嫌うのか?
 それは、『運動』は複雑で難しいからです。
 だから、それから逃避したがるのです。

 この“運動嫌い”という傾向は、文マル科学に共通する傾向です。
 (いずれ説明しますが)相対論や量子論にも見られますし、地球
 温暖化説にも見られます。
 そこで、今回は、そんな実態のほんの一部について、お話しした
 いと思います。


●だから風の重要性を認めない

 風とは、空気の『運動』です。
 ですから、文マル科学(気象学、気候学)の世界では、軽んじら
 れることになります。
 代わりに重用されるのが、「気圧」や「水」です。

 たとえば、「風は、気圧の差によって吹く」などと説明されます。
 ですが、気圧は、決して、根源的なものではありません。
 たとえば、低気圧(高気圧)は、空気が上昇(下降)することに
 より生じます。
 上昇(下降)は『運動』でしょう。
 つまり、本当は『運動』の方が、より根源的なのです。
 ですから、上昇(下降)気流を『高さ方向に吹く風』とするなら
 ば、『風』の方が気圧よりも根源的となるのです。

 一方、「水」の温度は、確かに、風の吹き方に影響を及ぼします。
 ですが、風が「水」の温度に影響を及ぼすのも事実です。
 さらに、温度の面から風に影響を及ぼすのは、「水」(海)だけ
 ではありません。
 陸や空気も影響を及ぼすのです。
 ですから、「水」が主とは、お世辞にも言えないのです。

 また、「水」は、自力では、そんなに運動(循環)することはで
 きません。
 「水」を運動(循環)させているのは、風です。
 海流は言うまでもなく、塩分濃度による沈み込みも、風が強く関
 与しています。
 海水を冷やす(濃度を高め、重くし、沈ませる)のも、冷やされ
 る海域に海水を供給し続けるのも、風がやっていることです。
 また、風には、水の蒸発を促す働きがある。(風が吹くのと吹か
 ないのとでは、全然違ってくる。)
 さらに、水蒸気を上昇させ、雲を発生させるのは、高さ方向に吹
 く風です。
 さらには、水蒸気や雲を陸地にまで運ぶのも、風がやっているこ
 とです。
 以上のことが分かれば、「水」が主とは、お世辞にも言えないこ
 とが分かるはずです。

 気圧原理主義や海水原理主義は、『運動』を軽んじ、風の働きを
 軽んじようとする、マルクス主義的擬似科学思想なのです。
 ついでに言うと、風の働きを軽んじるからこそ、風力発電などと
 いう自然からの搾取行為(=自然に負担をかける行為)が平気で
 出来てしまうのです。
 これのどこが環境保全なのか?


●だから熱の移動も認めない

 移動は、『運動』の一種と言えます。
 ですから、『運動』を軽んじる者は、移動をも軽んじるわけです。
 そのために、何かの移動による現象を、全然別の現象と誤解する
 わけです。

 たとえば、低緯度から高(中)緯度に熱が移動する現象。
 これは、地球の温暖化(温室効果)ではありませんよね。
 ま、高(中)緯度は、熱が移動してきた分、温かくなるでしょう
 が、熱が移動していった低緯度は冷めるわけですから、これは、
 断じて、地球の温暖化(温室効果)などではありません。

 ところが、移動を軽んじる文マルたちは、これを「地球温暖化の
 影響だ!」などと喧伝するのです。
 そして、多くの人が、この大嘘に騙されているのです!

 「ここ数年」の温度の上昇は、実は、まさに、この『低緯度から
 高(中)緯度に熱が移動する現象』なのです。
 低緯度の熱エネルギーが、温風や暖流の形で、高(中)緯度に放
 出されることによって引き起こされていたことなのです。

 なのに、文マルたちは、これを地球温暖化(人為的CO2温室効
 果)のせいにしてきたわけです。
 まったく、呆れた反科学性です。

 ま、無理もありません。
 温風も、暖流も、それぞれ、空気・海水の『運動』ですからね。

 具体的に言うと、昨年の夏の猛暑の原因はラニーニャ、今年のそ
 れはダイポールモード現象です。
 これらが起きると、それぞれ、太平洋・インド洋の低緯度から、
 温風や暖流の形で、熱が放出されるのです。
 そのせいで、高(中)緯度で温度が上がるのです。

 ちなみに、昨年の猛暑ではサンゴが白化したのに、今年の猛暑で
 は白化しないのは、熱が放出された海域が違うからです。
 去年は太平洋だったので、温風に加えて、暖流の形でも、熱が移
 動してきた。
 だから、海水温が高くなり、サンゴが白化した。
 対して、今年はインド洋なので、温風だけ。
 暖流による熱の移動はないので、海水温が上がらず、サンゴの白
 化が起きないのです。

 ちなみに、今年、海水浴場でのクラゲの発生が早まったのは、梅
 雨明けが早かった(しかも、梅雨明け前も、晴れの日が多かった)
 からです。
 そのために、太陽光線などにより、水温が上がった(∴クラゲが
 早期に発生した)のです。
 海水浴場では、水深が浅いので、その影響が特に出やすいわけで
 す。
 つまり、これは、地球温暖化のせいではないわけです。
 それどころか、地球温暖化説を反証する出来事です。
 なぜなら、地球温暖化説によれば、地球温暖化が進むと梅雨明け
 が遅れることになっているからです。


●だから暖流の働きも認めない

 ところで、北極海氷を減少させたのも、実は、ラニーニャのよう
 な『太平洋の低緯度から高(中)緯度に熱が移動する現象』のな
 のです。
 北太平洋の暖流が強まったせいで、温かい海水が、ベーリング海
 峡から北極海に押し込まれたのです。
 そのせいで、北極海氷は解けてしまったのです。

 実際、写真を見ると、北極海氷は、ベーリング海峡を中心に、扇
 状に解けて無くなっています。
 これは、温かい海水の侵入によって解かされた証拠です。

 しかも、今年は、映像メディア等による北極海氷減少騒ぎが、な
 い。
 それは、北太平洋の暖流が強くない(∴温かい海水が北極海に押
 し込まれない)からです。
 数字上は同じ猛暑でも、実態は去年とは全く違うわけですよ。

 氷から落ちる痩せ細ったホッキョクグマや、凍死するアザラシの
 赤ちゃんは、湾岸戦争時の『油まみれの水鳥』に相当する存在だ
 ったわけです。


●だから寒気の働きも認めない

 では、低緯度からの熱放出(温風や暖流)は、どのようなメカニ
 ズムで起きるのでしょうか?
 実は、全く意外に思えるでしょうが、寒気により起きるのです。
 寒気が低緯度に乱入することにより、温風や暖流が生じ、あるい
 は、強まって、熱放出が起きるのです。

 寒気は、低エネルギーです。
 ですから、それ自体には、温風や暖流を起こす能力はありません。
 また、低エネルギーゆえに、むしろ、『運動』を抑えてしまうよ
 うなイメージがありますね。
 ですが、寒気には、他の物質が有する熱エネルギーを運動エネル
 ギーに変換する(形で放出させる)能力があるのです。
 そういう意味で、『運動』を引き起こす原因となるもの…と言え
 るのです。

 たとえば、寒気が(水温の低くない)海上に来ると、海水により
 温められる(海水から熱エネルギーを奪う)ので、上昇します。
 また、自分よりも温かい(∴自分よりも軽い)空気と出合うと、
 これを上昇させます。

 さて、寒気は、このように、低緯度に乱入すると、赤道付近での
 上昇気流を勢いづける働きをするのです。
 すると、中緯度高圧帯での下降気流が強まる。
 すると、中緯度高圧帯から吹き出す風も強まる。
 高(中)緯度に猛暑をもたらす温風は、まさしく、この風の一部
 です。
 また、貿易風もそう。
 だから、貿易風も強まる。
 すると、海洋の循環が強まる。
 太平洋で言えば、赤道付近を西へ流れる暖流が強まり、その影響
 で黒潮さらには北太平洋海流(いずれも暖流)の勢いが強まる。
 すると、日本近海の海水温が上昇したり、さらには、温かい海水
 が北極海に押し込まれたりするわけです。

 このように、「ここ数年」の擬似温暖化は、寒気の低緯度乱入に
 よるものだったのです。

 ところが、文マルたちは、『運動』嫌い。
 だから、熱の移動を考えない。
 だから、その原因となる寒気の働きも考えない。
 全て、地球温暖化(人為的CO2温室効果)のせいにする。
 その方が、単純で美しい…。
 こんなものが「まともな科学」と言えるでしょうか?


●一時的な寒冷化は擬似温暖化をもたらす

 ところで、寒気の低緯度乱入は、なぜ起きるのでしょうか?
 それは、移動性の寒気が発生しやすくなっているからです。
 では、移動性の寒気を発生させやすくしているのは、何でしょう
 か?

 私は、一つには、風力発電の激増があると考えます。
 風力発電は、風を阻害します。
 ですから、風の役割を阻害するのです。
 風には、いくつか重要な役割があるのですが、特に注目すべきは、
 熱交換と(陸への)水蒸気運搬です。
 熱交換が阻害されれば、温度差が緩和されなくなるので、寒気が
 生じやすくなるでしょう。
 また、水蒸気運搬が阻害されれば、放熱を邪魔する雲が出来にく
 くなるので、放熱が促され、寒気が発生しやすくなります。
 というわけで、風力発電が激増すると、移動性の寒気が発生しや
 すくなり、擬似温暖化が起きやすくなると考えられるわけです。

 一方、もう一つ考えられるのは、世間の常識とは完全に反する説
 です。
 それは、地球寒冷化です。
 地球寒冷化が進むと、移動性の寒気が発生しやすくなるのです。
 そのために、寒気の低緯度乱入が頻繁化し、熱放出が起きやすく
 なると考えられるのです。

 短期の寒冷化の場合、低緯度からの熱放出により、逆に温度が上
 がることさえあり得ます。
 これは、ちょうど、正午(夏至)よりも午後2時(8月)ごろの
 方が温度が高くなるのと同じようなことです。

 実は、2000〜7年ごろにかけて、太陽の黒点の数が激減しており
 ました。
 これは、太陽活動が低下したということです。
 ですから、寒冷化してもよさそうな時期だったのですね。
 ところが、温度は、むしろ高まった。
 これは、寒気の低緯度乱入による熱放出があったのと、太陽活動
 低下期間が数年と短かったからです。(太陽活動低下期間が長く
 続くと、さすがの熱放出も、やがては弱まってしまい、寒冷化し
 ていくことになる。ちょうど、小氷河期の時のように。)

 ちなみに、この放出熱の大部分は、(一時的にであれ)海水が蓄
 えていた熱です。
 「気候や気象を考える上で、一番重要なのは、水だ!」などと偉
 そうに説教するのなら、なぜ、この(熱放出)現象を理解しよう
 としないのか?

 もし、見かけとは逆の『一時的な寒冷化』が原因だとしたら、今
 後数年間は寒冷化する可能性もあり得ます。
 そうなれば、国連(IPCC)や日本国政府の言うことを盲信して寒
 冷化に対する備えを完全に怠る人は、(短期的にとはいえ)地獄
 を見ることになるでしょう。
 赤い自称科学を盲信するのは、非常に危険です。


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発行者:media
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