【マルクスとアインシュタイン】


◎反エコ(環境)ファッショ特集 【14】

 相変わらず配信間隔が半年以上と長くて、すみません。

 さて、今回は、前回までの『「風力発電=無害」論者たちが論拠と
 している「影響消滅理論」を解剖する話』はお休みして、許し難い
 ニセ科学を斬る話をしたいと思います。
 それは、昨年、体制側の名ばかり「専門家」どもが発表した「北極
 の温暖化(→氷の減少)が、冬の寒波を強める(招く)」というニ
 セ科学です。
 しかも、このニセ科学は、前々回の『余談』で訴えたように、私が
 発行している別のメルマガの内容をパクって(部分的に盗んで)造
 られたものとしか思えないものなのです。
 今回は、そのあたりのことも含めて、お話ししたいと思います。
 非常に長いですが、どうか最後までお付き合い願います。


●冬に無氷海域で発生する低気圧を利用

 まず、このニセ科学が説く「寒波を強める」メカニズムについて説
 明いたしましょう。
 それは、要約すると、つぎのようなものです。

  (1)北極の温暖化により、北極海氷がとけて無くなる。
  (2)すると、氷が無くなった海域で低気圧が発達するように
     なる。
  (3)すると、冬の寒気を吹き出す高気圧が発達し、寒気の吹
     き出しが活発化する。
  (4)その影響で、日本などの中低緯度で寒波が強まる。

 以上です。

 これは、一見、もっともらしく見える説です。
 でも、実際には全くふざけた「子供だまし」のニセ科学なのです。

 まず、北極の氷がとけて減った(無くなった)のは、(地球)温暖
 化のせいではありません。
 大陸で発生する移動性の寒気団のせいで大気の大循環が強まり、そ
 の影響で海流(暖流)が強まって、温かい海水が北極海に押し込ま
 れたせいです。

 このように、まずスタート地点からしてインチキなのですが、その
 後の部分にも破廉恥なトリックが満載なのです。


●冬に海で低気圧が発生する理由

 まずは、(2)で出てくる低気圧について追求してみましょう。

 なぜ氷が無くなった(氷に覆われなくなった)海域で低気圧が発達
 するのか?
 海水温が高いから?
 でも、すぐ近くに、まだ氷が残っているのですよ。
 しかも非常に高緯度です。
 ですから、海水温の高さが原因とは言えないはずなのです。
 では、何が原因なのでしょうか?

 そこで参考になるのが、日本における冬の気圧配置である「西高東
 低の気圧配置」です。
 「東」は海ですよね。
 では、なぜ冬になると海で低気圧が発達するのでしょう?
 夏(や秋や春)よりも海水温が高くなるから?
 まさか、そう思う人は、いませんよね。
 しかも、この低気圧の中心の緯度は、結構、高いのです。
 高緯度の方が低緯度よりも海水温が高いというのは変でしょう。
 ですから、海水温の高さが原因ではないのです。

 では、何が原因なのか?
 それは、海以外が(海よりも)低温になるからです。
 海から見て最も直接的なものとしては、大気(空気)が低温になり
 ます。
 だから、海によって温められ、上昇気流が生じ、その結果、低気圧
 が発達するようになるのです。

 では、なぜ大気の方が海よりも低温になるのか?
 それは、海よりも(大)陸の方が低温になるからです。

 さて、以上の常識を思い出してもらえれば、北極の氷が無くなった
 海域で低気圧が発達する理由もわかるでしょう。
 それは、その周囲が(それも非常に)低温だからです。

 もっとも、これは「北極の温暖化」と矛盾しますね。
 地球温暖化とも矛盾します。
 氷が無くなった海域だけが高温になったというだけの話だったこと
 になってしまうのです。(事実、そう。)
 だから、海以外の低温のことは徹底的に無視するのです。
 所詮は「子供だまし」のトリックでしかないのです。


●確かに高気圧への供給量は増えるが…

 次に、(3)の高気圧が発達する(寒気の吹き出し量が増える)と
 いう部分について追求してみましょう。

 低気圧は、高空では、大気を吹き出します。
 それ故、寒気を吹き出す高気圧に、高空経由で大気を供給すること
 になるのです。
 そして、その影響により、高気圧が発達し、それが吹き出す大気の
 量が増えることになるわけです。

 こうした現象は、冬のラニーニャで体験できます。
 ラニーニャになると、「西高東低」の「東低」の低気圧が発達する
 ことにより、「西高」の高気圧であるシベリア高気圧からの寒気の
 日本などへの吹き出し量が増え(冬の季節風が強まり)、厳冬にな
 ります。
 もっとも、ラニーニャによる海の低気圧の発達は海水温の高まりに
 よるものですが、大気温が低いことが原因で低気圧が発生している
 場合でも、話は同じです。

 とにかく、そういうわけで、低気圧が発達すると高気圧から吹き出
 す大気の量が増えることは、確かなのです。
 ですが、それで信用してしまっては、いけません。
 実は、このシナリオには大きな盲点があるのですから。


●低気圧による吸い込みを忘れては困る

 その盲点とは、(北極の氷が無くなった海域に発達するようになっ
 た)低気圧による吸い込みです。
 低気圧は、低空(地表付近)では、高空とは逆に、大気を吸い込む
 のです。
 ですから、高気圧から吹き出された大気(の一部)も、当然、吸い
 込まれてしまうのです。
 この低気圧による吸い込み(の影響)を見落としてはなりません。

 つまり、高気圧からの吹き出し量(の総量)が増えても、低気圧に
 吸い込まれてしまう分(減少分)が生じてしまうため、日本などの
 中低緯度への吹き出し量は(ほとんど全くと言っていいほど)増え
 ないことになるのです。
 これでは、寒波の強まりは説明できないでしょう。

 かくして、体制側の「専門家」どもによるニセ科学は、完全崩壊と
 いうことになるのです。


●得意の保存則無視

 低気圧による吸い込みがあると、低気圧が存在する方向以外の方向
 への流量は減ってしまうはずです。(だから、吹き出しの総量が増
 えても、日本などの中低緯度への流量は(そんなに)増えない。)
 保存則を無視しない立場の人なら、このことが絶対に理解できるは
 ずです。
 こうしてみると、体制側の「専門家」どもは、保存則を無視してい
 ることがわかるでしょう。

 そ、風力発電の有害性を死ンデモ認めたがらない人たちが得意とす
 る保存則無視です。
 いわゆる、いつものビョーキ。
 手口は、いつも同じです。


●得意の悪平等思想

 「日本などへの中低緯度への流量が増える」とする論には、もう一
 つ、別の思想が関与しています。
 それは、悪平等思想です。

 つまり、高気圧からの吹き出し量の増加分を、あらゆる方位・方角
 ・方向に「平等に配分」したがるわけです。
 そうすれば、(たとえ低気圧による吸い込みがあったとしても)日
 本などの中低緯度への流量は増える…ということにすることが可能
 になりますでしょう。

 ですが、もしこの悪平等主義者たちの言うとおりなら、高気圧の等
 圧線は必ず常に同心円の真円になるはずです。
 もちろん、実態は全然違います。
 ですから、悪平等主義者たちの言うことは全くの大嘘ということに
 なるのです。

 物質の世界にまで政治思想を持ち込むとは、よほどの思想偏執狂と
 しか言いようがありません。


●悪平等主義者ゆえのエコ贔屓

 ところで、悪平等は、サヨクの十八番です。
 そして、そのサヨクをウォッチングしていればわかるように、悪平
 等主義者というものは、実は、選民主義的なエコ贔屓や差別が大好
 きなものなのです。

 実際、このニセ科学でも、それが見られます。
 事実、高気圧からの吹き出し量の増加分は、中低緯度にばかり配分
 されています。
 これは、中低緯度をエコ贔屓する行為でしょう。

 ま、無理もありません。
 そうしないと、寒波の強まりが説明できなくなるからです。


●悪平等主義者ゆえの差別

 一方、高緯度への配分は、ゼロです。
 高緯度は寒波が「豊か」だから、寒波に「乏しい」中低緯度に多く
 配分しよう…ということでしょうか?

 ですが、それは差別というものです。
 北極は温暖化していることになっていたはずです。
 だから、低気圧が発達することになったのでしょう?
 ですから、高緯度へ配分しないことは完全に差別になるのです。

 都合の悪いことなら自分の言ったこともキレイさっぱり忘れられる
 認知症も、サヨクの十八番です。
 これで、体制側の「専門家」の正体は明らかでしょう。
 だから、NHKや北海道新聞などのようなマスゴミにヨイショされ
 るのですよ。


●低気圧に寒気が流れ込むと困る

 それにしても、なぜ高緯度への流れ込み(吹き出し)を無視するの
 でしょうか?

 高緯度には、氷が無くなったことで発達するようになった低気圧が
 存在します。
 そう、そこには、氷が無くなった海が存在するのです。
 そこに寒気が流れ込んだら、どうなるか?
 答えは「凍ってしまう」でしょう。

 でも、そうなると困りますよね。
 なぜなら、低気圧が発達できなくなってしまうからです。
 そうなると、寒波の強まりを(北極の)温暖化のせいにはできなく
 なってしまう。
 つまり、地球温暖化説にこじつけることができなくなってしまうの
 です。
 だから、高緯度への流れ込み(吹き出し)は徹底的に無視するので
 す。

 こうしてみると、極めて破廉恥で悪質な騙しのニセ科学であること
 がわかるでしょう。


●パクったものだから矛盾が気にならない

 ところで、寒波が強まるメカニズムを、もし本当に自分で考えて導
 き出した(解明した)のなら、今回指摘した矛盾(間違い)にすぐ
 に気付いたはずです。
 まして専門家ともなれば。
 専門家ともあろうものが、こんな恥ずかしい理論を発表できるわけ
 がありません。

 要するに、人の理論を部分的に盗んだものだから、ボロに気付かな
 いのです。
 それに、人の理論を盗むような者に、本当に優秀な人間はいません
 からね。
 ならば、気付かないのも当然かも。

 というわけで、次に、パクられたオリジナルの理論の話をしたいと
 思います。


●温暖化は加速するはずだったのに…

 北極海氷の減少のことが騒がれ始めた頃、体制側の「専門家」ども
 は「北極海氷が減少すると、温暖化が加速する!」とほざいていま
 した。
 そして、やれ「スキー場が経営難になる」だの、「雪解け水が減少
 して、農業が駄目になる」だのと、恐怖をいいだけ煽りまくってい
 たのです。

 そこで、私は、すぐさま、こんな対案(異論!)を(他のメルマガ
 上で)発表しました。
 要約すると、こうなります。

  (A)日本などに冬の寒さをもたらす寒気は、大陸で発生する
     ので、北極海氷が減っても影響は(ほとんど)無い。
  (B)北極海氷が無くなった海域では低気圧が発達しやすくな
     り、その影響で、大陸から寒気が吹き込んでくるように
     なるので、氷は再生していく。
  (C)低気圧が発達すれば、高気圧が強まるので、高気圧から
     の寒気の吹き出し総量は増える。(だから、日本などへ
     の寒気の流れ込みは減らない。むしろ増えるかも。)

 こうしてみると、むしろ恐怖(パニック)を鎮めるためのものだっ
 たことがわかるでしょう。
 それを、逆に、恐怖を煽るためにパクるのですから、呆れた連中で
 す。

 それはともかく、ここで注目して欲しいのは、体制側の「専門家」
 どもが「温暖化が加速する」と説いていたことです。
 そして、当然のことながら、私の対案を完全に無視していたことで
 す。
 鼻にもかけないという感じで…。

 ところが、笑うべきことに、その直後から、強い寒波に見舞われる
 ことがあるようになったのです。
 そう、体制側の「専門家」どもは、完全に間違っていたのです。

 ところが、彼らは、自分たちの間違いを棚に上げて、人の理論を部
 分的に盗み、寒波を温暖化にこじつける理論を発明し発表してしま
 ったのです。
 普通の人なら、なぜ私が激怒するのか、わかると思うのですが…。


●得意の批判的継承

 さて、上記の(A)〜(C)と前述の(1)〜(4)とを比較する
 と、体制側の「専門家」どもが、私の対案のどの部分を盗用したか、
 よくわかるでしょう。
 それは、(B)と(C)です。
 低気圧のせいで高気圧からの大気(寒気)の吹き出し量が増え、そ
 の影響で低温になる…としているところですね。

 ただし、あくまで部分的盗用になっているところがポイントです。
 私の対案では、高気圧からの大気の吹き出しは、(主に)低気圧の
 存在する方向、すなわち、氷が無くなった海域の方向になっていま
 すでしょう。
 ところが、体制側の「専門家」どもは、これを全面的に「中低緯度
 の方向」に『すり替えて』しまったのです。

 こういうのを何というか、知ってますか?
 実は「批判的継承」というのです。

 ご存じのように、批判的継承はマルクス主義の中心的教義の一つで
 す。
 体制側の「専門家」どもの正体は、もはや明白でしょう。
 だからこそ、NHKなどのマスゴミがヨイショするのですよ。

 批判的継承とは、要するに、他人のアイデアの美味しいところだけ
 をつまみ食いする部分的盗用のことなのです。
 ですから、部分的パクリと表現するのがピッタリなのです。
 「北極の温暖化が寒波を招く」というニセ科学も、まさしく批判的
 継承=部分的パクリの産物なのです。


●認めていなかったという歴史的事実

 先ほども述べたように、体制側の「専門家」どもは、私の対案を全
 く認めていませんでした。
 な〜の〜に、予言が外れる現象が起き始めると、今度は、一転、私
 の対案と(部分的にとはいえ)同じことを言い始めたのです。
 低気圧のせいで高気圧からの吹き出し量が増える!と。
 これは、あまりに不自然なことではありませんか?

 もし低気圧のせいで高気圧からの吹き出し量が増えることを認めて
 いたのなら、なぜ北極海氷が再生することは認めなかったのか?
 どう考えても、「低気圧のせいで、高気圧からの吹き出し量が増え
 る」という部分を否定していたとしか思えません。

 この部分を採用する気になったのは、まず、高気圧からの吹き出し
 量の増加という部分に魅せられたからでしょう。
 これは寒波の強まりの説明に役立ちますからね。
 もっとも、吹き出し量が増える方向が違いますが…。
 でも、批判的継承がお好きな人たちなら、その部分への「批判」、
 すなわち、その部分の破棄は、平気だったはずです。

 もう一つ、気になることがあります。
 それは(C)の括弧内の「むしろ増えるかも」という部分です。
 この部分を真に受けたのかもしれません、
 実は、体制側の「専門家」どもをからかうために、冗談半分に言っ
 たのですがね。(だから、「かも」という言い方にした。)

 今になって考えると、当時の私も、低気圧の吸い込みによる減少分
 をきちんと考えていなかったことの証拠になることなのですよね、
 これって。(笑)
 もっとも、当時の私の話の重要点は『氷の再生』にあったので、こ
 んなことになってしまった(他の部分については十分には考えなか
 った)わけですが…。

 とにかく、人が冗談半分でいったことと同じことを主張するという
 のは、どうみても、人の理論をパクったからだとしか考えられない
 ことなわけです。
 パクるというのは、わけもわからずコピペするということなわけで
 すから、ならば間違った部分もそっくりそのまんまになっていたと
 しも少しも不思議なことではないわけです。

 とにかく、「想定外」の寒波が頻発するようになるまで、「低気圧
 のせいで、高気圧からの吹き出し量が増える」なんてことを言う人
 は、私以外一人もいなかったのです。
 体制側の連中は言うまでもなく、中立の人たちも、地球温暖化説を
 否定していた人たちでさえも…です。

 一方、私の対案は、ネット上で、いわゆるフリー・ソフト状態でし
 た。
 ですから、パクろうと思えば、いくらでもパクれたわけです。

 私の対案を無視していた過去を考えれば、その可能性は極めて高い
 と言わざるを得ないのです。
 多くの人たちが思っているほど「専門家」というのはピュアーな人
 たちではないのです。
 特に権力に擁護されているような連中の場合は。


●日頃の主張と矛盾

 そもそも、「北極の温暖化が寒波を招く」という理論は、彼らが日
 頃主張していることと完全に矛盾しています。
 なぜなら、彼らは、いつも、「寒気は北極でしか発生しない。陸で
 は発生しない。」などと言い張っている連中だからです。

 寒気が北極でしか発生しないのなら、寒気を吹き出す高気圧は北極
 (の氷が残っているエリア)に位置する高気圧ということになりま
 すよね。
 でも、それでは、寒気は中低緯度へは吹き出してこれなくなるはず
 です。
 なぜなら、高気圧と中低緯度の間には、(氷が無くなったせいで発
 達するようになった)低気圧が存在するからです。
 これが邪魔になるはずです。

 となると、高気圧を吹き出す高気圧は、陸に位置する高気圧でなけ
 ればなりません。
 でも、そうなると、寒気は陸で発生することになってしまう。
 これでは、彼らが常日頃からほざいていることと完全に矛盾してし
 まいます。

 このように、体制側の「専門家」どもの言うことは、矛盾だらけな
 のです。
 そういうことが平気なのは、矛盾を「発展の原動力」などと崇めて
 いる人たちぐらいなものでしょう。
 正体はバレバレです。


●因果すり替えという批判的継承

 このように、体制側の「専門家」どもがほざく「北極の温暖化が寒
 波を招く」論は、真っ赤なニセ科学なのです。
 では、なぜ、北極海氷が減ると寒波が強まるのでしょうか?

 まず受け入れなければならないのは、『北極海氷の減少』が『寒波
 の強まり』の『原因』ではないという事実です。
 実は、『北極海氷の減少』は『寒波の強まり』と同じく『結果』な
 のです。
 最初の部分でも説明したように、その本当の『原因』は、陸での寒
 気(団)の発生の活発化なのです。
 そして、それをもたらしているのが、太陽活動の低下による宇宙線
 飛来量の増加なのです。
 そのせいで内陸部の雲が減り、温室効果が低下してしまっているの
 です。
 以上のようなわけで、寒波が強まったり、北極海氷が減少したりす
 るのです。
 この事実を否定するから、矛盾だらけの屁理屈をこね回さなければ
 ならなくなり、挙げ句の果ては、パクリまでやらなければならなく
 なっているのです。
 真の原因を隠す(否定する)ために、結果にすぎないことを原因に
 すり替えようとするわけです。

 それはともかく、サヨク科学の世界では、この『因果すり替え』ト
 リックが頻繁に用いられています。
 因果をすり替えることで、それこそ自称「革命的」な新説をでっち
 上げるわけです。
 また、今回斬ったニセ科学のように、自分たちに都合のいい屁理屈
 をでっち上げることにも用いられます。
 寒波と同じく『結果』にすぎない「北極海氷の減少」を『原因』に
 してしまうのですから。

 このような破廉恥は、少しも驚くべきことではありません。
 なぜなら、この『因果すり替え』トリックもまた、批判的継承の一
 種にすぎないからです。
 「陸での寒気の発生が活発化したせいで、寒波が強まり、また、北
 極海氷が減少する」という正論から、まず『寒波の強まり』と『北
 極海氷の減少』だけをパクるわけです
 そして、邪魔な部分、すなわち、「陸での寒気の発生が活発化した
 せいで」という部分を批判して破棄する。
 そして、パクった部分だけを活かして、こう再『解釈』するわけで
 す。
 「『北極海氷の減少』のせいで、『寒波が強ま』るのだぁ!」と。
 これが、ことの真相です。

 サヨク学者たちは、この『因果すり替え』トリックというをよく用
 います。
 民主党政権時代に大流行した「偏西風が南に蛇行するから、寒気が
 入ってくる(寒くなる)」というニセ科学(いわゆる偏西風原理主
 義)も、そうなのですよ。
 本当は「寒気のせいで、偏西風が南に蛇行する」が正しいのに。
 そのすり替えしかたについての説明は、もはや不要でしょう。

 普通の人たちには理解できないでしょうが、彼らには、因果すり替
 えも、部分的盗用と同じく、何の罪意識もありません。
 それは、これらが批判的継承だからです。
 そんな連中を擁護しているわけですよ、日本国政府は。


●利権屋のたかり場にされる北極

 北極海氷の減少のことを騒ぎ立てる連中に限って、北極海氷を破壊
 する人間活動には好意的なものです。
 冒険家が北極の氷をとってくることにも、全くの無批判。
 ロシアが北極点までオリンピックの聖火リレーを行っても、全くの
 無批判。
 その北極に渡るために氷を船でバリバリ割っても、無批判。
 各国の北極での資源開発にも無批判。
 いや、それどころか、「バスに乗り遅れるな!」的な態度です。
 とても正気の沙汰とは思えません。

 要するに、彼らは、北極の氷を破壊するようなことをしたいから、
 北極をネタにした恐怖を煽るのです。
 「オレたちのせいじゃね〜よ」みたいな。

 そういえば、NHK・BS1が、今月、やはり北極(圏)をネタに
 した恐怖煽り番組を放送したようですね。
 もっとも私は予告編しかみていないのですが、それによると、温暖
 化のせいでCO2よりも温室効果が高いことになっているメタンが
 吹き出してきているぅ!とかなんとか言って恐怖を煽り立てていま
 した。
 でも、あれは、そのメタンをビジネスの対象にしようとしている連
 中が資金集めのためにやっている煽りなのではないか?
 「吹き出しているガスが地球環境破壊を加速させるのなら、収集し
 て資源として利用するのがいい」という世論が高まれば、政治家ど
 もは気兼ねなく税金を投入することができるようになるでしょう。

 今時、NHKごときを信用するのは、全くの「お子さま」のするこ
 とです。


●やはり世界からは相手にされず

 ところで、今回斬った「北極の温暖化が寒波を招く」というニセ科
 学は、日本製です。
 だから、なおさら、(部分的)パクりである可能性が高いわけです
 よ。
 何しろ、私は英語では、一切、情報を配信していませんからね。

 それはともかく、このニセ科学、世界からは、どの程度、評価され
 ているのでしょうか?
 数日前に共同通信が配信したらしい情報を見れば、その実態がわか
 るというものです。
 その情報とは、カナダの大学の研究チームとやらが発表したとかい
 うもので、温暖化により冬季五輪の開催地が減ってしまう…という
 ものです。
 北極の温暖化で寒波が強まるのなら、こんな心配は無用のはずでし
 ょう。
 要するに、世界からは全然相手にされていないわけです。

 そして、だとすると、ますます(部分的)盗作である疑いが濃くな
 ってくるわけです。
 なぜなら、これは、日本以外でそのような説を唱えている者はいな
 いということを表しているからです。
 なぜ日本人により提唱されたのか?
 それは、日本語のわかる外国人が少ないからではありませんか?
 日本語がわからなければ、たとえ盗用癖のある者でも、盗用できな
 いでしょうからね。


●「専門家」の正体

 そもそも、国やマスゴミの言う「気候変動」や「異常気象」の「専
 門家」とは、どういう者たちなのか?

 みな気象学の専門家だと思ったら、大間違いです。
 ま、中にはそういう人たちもいるのでしょうが、ほとんどは気象学
 以外のことが専門の者たちです。
 特に「海洋」関連の連中が多いようです。

 最近では、水産学部や、それに関連する工学部の連中も多くいるそ
 うです。
 「水産」は、はっきり言って、斜陽分野ですからね。
 そういう人の弱みにつけ込むようなことをするわけですよ、今時の
 政治家どもは。
 そう、風力発電とかの場合と同じです。
 こちらは、過疎に悩む田舎の弱みにつけ込むわけですよね。

 そういう「ならず者」から人や地方を守ろうとするのが、本来、ジ
 ャーナルの使命だと思うのですがね。
 日本のジャーナルには、逆に、「ならず者」たちの手先になるもの
 が多いようです。

 とにかく、国やマスゴミの言う「専門家」などというレッテルを信
 用してはいけません。
 「人を騙すぐらいなら、人に騙される方がまだマシだ」なんてこと
 を言う人たちがいるようですが、『あなたが騙されたせいで、巻き
 添えを食らったり、大損害を被ったりする人たちがいる』という事
 実に気付かないというのでは困ります。
 巻き添えを食らわせたり、損害を被らせたりするのは、罪ですよ。
 たとえ、それを罰する法律が存在しなくても。
 「騙す方より、騙される方が悪い」とシナ人たちの世界では言うそ
 うですが、これも(本来とは別の意味で)一理あると思います。
 騙されることは罪になることなわけですから。
 別に「騙された者を罰する法律をつくれ!」などと言っているわけ
 ではありません。
 「騙されることは罪である」というぐらいの意識を持たなければ駄
 目だと言いたいだけです。

 以上で、今回の話を終わりにしたいと思います。

            * * *

 次回は、今回する予定だった話(前回の続きの話)をしたいと思い
 ます。
 では。

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発行者:media
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