【マルクスとアインシュタイン】


◎反エコ(環境)ファッショ特集 【13】

 今回は約半年も間があいてしまい、申し訳ありません。
 体調不良がかなり深刻化しておりましたので。

 さて、前回までは、「風力発電=無害」論者たちが論拠としている
 「影響消滅理論」を解剖する話をしました。
 すなわち、影響が薄まっていくメカニズムについての話を、です。
 そこで、今回は、いよいよ、「風力発電=無害」論を反証する話を
 してみたいと思います。

 自然保護のために、また、科学の健全な発展・啓蒙のために、どう
 か最後までお付き合い願います。


●「高エネルギー状態→低エネルギー状態」の変化と言えるか?

 前回までの話で明らかになったように、「影響消滅理論」が通用す
 るのは、物質の状態の変化のしかたが「高エネルギー状態→低エネ
 ルギー状態」となる場合に対してなのです。
 ドミノ倒しのドミノは、立った状態が高エネルギー状態で、倒れた
 状態が低エネルギー状態なので、『倒れたドミノが立った状態に戻
 る』という話には適用できないわけです。(事実、そんな現象は起
 きない。)
 むしろ、『ドミノが立った状態から倒れた状態になっていく』とい
 う話に適用できるのです。(実際、そうなる。)

 さて、そのことを思い出していただいたところで、質問です。
 「風力発電の影響が薄まっていく」という現象は、はたして、物質
 の状態の変化のしかたが「高エネルギー状態→低エネルギー状態」
 となる話と言えるでしょうか?
 「風力発電のせいで弱められた気流が、元の強さに戻る」というの
 は、はたして「高エネルギー状態→低エネルギー状態」となる変化
 と言えるでしょうか?

 答えは「ノー」でしょう。
 ならば、それは「影響消滅理論」が適用できない話ということにな
 り、現実にはあり得ない話ということになるでしょう。
 つまり、「風力発電=無害」論は、一見もっともらしい、でも実際
 は「影響消滅理論」を自分たちに都合のいいように誤用・乱用・悪
 用しただけの、よくできた嘘だったことになるわけです。


●地表からの影響を忘れる

 そもそも、「風力発電により弱められた気流が、元の強さに戻る」
 というのは、「低エネルギー状態→高エネルギー状態」となる変化
 であり、全く不自然な変化です。
 そんな変化が起こるのなら、人類はとっくにフリー・エネルギーの
 夢を叶えていることでしょう。
 風発信者たちは、なぜ、この不自然さに気付かないのでしょう?
 それは、地表からの影響を忘れてしまっているからです。

 「風力発電により弱められた気流が、元の強さに戻る」というシナ
 リオを期待してしまうのは、周囲の「風力発電により弱められては
 いない気流」からの影響を考えるからでしょう。
 ですが、弱められた気流が影響を受けるのは、それだけではないの
 です。
 地表からも影響を受けるのです。
 もう少し丁寧に言うと、地表からの摩擦抵抗も受けるのです。
 風発信者たちは、そのことをすっかり忘れてしまっているのです。

 それとも、意図的に無視しているのでしょうか?
 だとしたら、詐欺の確信犯ですね。

 たとえそうでなくても、地表からの影響を無視するのは、全くエコ
 贔屓な論理です。
 自分たちの教義や信仰に都合の悪いことを無視しているわけですか
 ら。
 そんなものは「科学」とは言えません。


●上空の風が強いのは…

 地表からの影響が如何に大きいか、それを知るには、「なぜ上空の
 風は強いのか?」という問いを発してみると良いのです。
 上空の風が強いのは、地表から離れているために、地表からの影響
 が少ないからです。
 これは、逆に言うと、「地表付近では、地表からの影響が大きくな
 るために、風が大きく弱められてしまう」ということなのです。

 このことに気付けば、「地表からの影響により、如何に風が弱めら
 れてしまうか」ということにも気付くはずです。


●陸や海は大気よりも遙かに重い

 さて、地表からの影響を考えなければならないとなると、さらなる
 問題が生じます。
 それは、地表を構成する物質の方が大気よりも遙かに密度や総質量
 が大きいことです。

 気流の実体である大気は、気体です。
 故に、軽い。(動かしやすく、止めやすい。)
 対して、地表は、陸か海。
 すなわち、固体や液体。
 故に、桁違いに重い。(動かしにくく、止めにくい。)
 従って、地表からの影響の方が、(風力発電により弱められてはい
 ない)気流からの影響よりも、遙かに大きいことになるわけです。

 このことに気付けば、「風力発電=無害」論は、とんでもないニセ
 科学であることがわかるはずです。


●周囲の気流までもが弱まってしまう

 「風力発電=無害」論者たちは、『風力発電により弱められてはい
 ない周囲の気流』からの加速(影響)ばかりを喧伝します。
 ですが、『風力発電により弱められた気流』を加速すれば、それだ
 け運動エネルギーを失うことになるはずです。
 つまり、『風力発電により弱められてはいない周囲の気流』が、加
 速により、弱められてしまうことになるのです。
 『風力発電により弱められてはいない周囲の気流』にしてみれば、
 『風力発電により弱められた気流』は「足を引っ張る」存在なので
 す。

 もっとも、風力発電で弱められるだけなら、その影響は微々たるも
 のなのかもしれません。
 ですが、『風力発電により弱められた気流』は、地表からの影響を
 も受けて、さらに弱められることになるのです。
 ですから、擬人的な表現を用いて言うと、地表側に荷担して、自分
 を加速しようとする『風力発電により弱められてはいない周囲の気
 流』をより一層弱めようとすることになるわけです。
 そうなれば、『風力発電により弱められてはいない周囲の気流』ま
 でもが、かなり弱められてしまうことになるでしょう。

 『風力発電により弱められてはいない周囲の気流』にしてみれば、
 『風力発電により弱められた気流』の存在は、地表が高く(近く)
 なったことと同じことになることなのです。
 別の言い方をすると、自分の側が地表に近づいたことと同じことに
 なるのです。
 となれば、その影響は、決して「無視できるほど小さい」ものには
 ならず、また、局所的なものにもならないでしょう。

 このように、「風力発電=無害」論は、都合の悪い因子を無視する
 ことで成り立っているニセ科学なのです。

                      (次回に続く)


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発行者:media
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