【マルクスとアインシュタイン】 vol.14


◎マルクス主義の実態(その12)

 (注)初読の方は、まず、vol.1〜13を必ず熟読して下さい。
     → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm5/bn.htm


●矛盾が原動力

 マルクス主義の中心的教義の一つに、弁証法的唯物論というのが
 あります。
 これは、ヘーゲルの弁証法を(批判的に)継承したもの、という
 ことになっています。

 で、そのヘーゲルの弁証法で最も重要な概念となるのが、「矛盾」
 なのです。
 そこでは、われわれの認識のみならず、すべての事物の発展は、
 「矛盾」を契機とするテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼの三段
 階の発展としてとらえられる、とされています。

 さて、マルクス主義の弁証法的唯物論でも、「矛盾」が極めて重
 要な概念となっています。
 それによると、世界の本質は、自ら運動し発展する物質であり、
 物質は、つねにその内部「矛盾」を原動力として運動・発展して
 いる、とのことです。

 このように、マルクス主義では、「矛盾」が極めて重要な要素と
 なるのです。


●矛盾を尊ぶ

 このため、マルキストたちは、「矛盾」を嫌うどころか、むしろ
 尊ぶのです。
 彼らが矛盾した論理を好むのも、このためです。
 彼らにとって、矛盾のないものは、発展しないもの→とるに足ら
 ないもの→科学の対象にするには値しないもの、なのです。
 矛盾のあるものこそが、発展するもの→高尚なもの→権威ある科
 学(の対象)、となるのです。

 さて、相対論や量子論に始まる近現代物理学でも、矛盾が大変尊
 ばれております。
 そこでは、主に二種類の矛盾が尊ばれます。
 すなわち、(1)論理の矛盾、(2)事実や現実との矛盾、であ
 ります。

 そう言われると、思い当たる節があるのではないでしょうか?
 矛盾のあるもの、∴理解できないものこそが、高尚なる天才の科
 学なのだと…。
 これについては、もしかしたら説明不要かもしれませんね。


●やっぱり前提を否定する論理

 ところで、ヘーゲルは観念論者でした。
 ですから、彼の弁証法では、精神が全ての根源となります。
 だからこそ、矛盾を発展のための原動力にすることができたわけ
 ですね。

 これに対し、マルクス主義は唯物論です。
 つまり、物質が全ての本質となるのです。
 前提となるものが全然違いますよね。
 どんなに立派な理論でも、前提が異なれば、成り立たなくなるは
 ずです。
 ところが、マルクス主義では、そんなことはお構いなし。
 vol.11でも指摘したように、またまた理論が成り立つための前提
 を否定・無視してますね。
 毎度おなじみの論理です。

 物質は、条件しだいでは、確かに変化することがありますが、そ
 れは別に(内部)矛盾のせいではありません。
 このあたりが、まさにマルクス主義の疑似科学性を示しています。

 そもそも、矛盾というものは、人間の精神があってこそ、初めて
 感じとれるものです。
 矛盾とは、人間が「期待」する通りにはなっていない状態に対す
 る「不満」を意味するものです。(ちなみに、マルキストたちが、
 自分たちの論理が「矛盾」しているとは思わないのは、結論が自
 分たちの「期待」する通りのものであり、そのために「不満」を
 抱かないからです。)
 「期待」も「不満」も、人間の精神の働きです。
 ですから、矛盾という概念は、人間の精神(の働き)の産物なの
 です。
 精神無きところに矛盾という概念はあり得ません。
 したがって、矛盾を物質の発展や運動の原因にするのは、物質の
 世界に精神の働きを持ち込むことに他ならないのです。

 こうしてみると、マルクス主義は、物質と精神とが混同・混乱し
 た世界であることがわかるでしょう。


●隠れオカルティズム

 となると、これはもうオカルト科学の世界ですね。
 マルキストたちが、現実を無視し、理想・空想の世界にひきこも
 っていられるのも、唯物論者を気取りながら、実は精神世界的要
 素を無意識のうちに持ち込んでいるからです。
 このため、行きつくところは、結局、精神論になってしまうわけ
 です。
 上辺では巧みに科学を装いながら、実はオカルト・精神世界の教
 義を説いているわけです。

 このように、表面では科学を歌いながら、裏ではオカルトの要素
 をしっかり持ち込んでいる教義のことを、私は「隠れオカルティ
 ズム」と呼んでいます。
 また、そういうことをする人のことを、「隠れオカルチスト」と
 呼んでいます。

 隠れオカルチストたちが、科学の中にオカルトの要素を持ち込む
 動機は、少なくとも三つあります。
 ある人は意図的に、ある人はやむを得ず、そして、ある人は無意
 識のうちに、オカルト的要素を科学の中に持ち込むのです。
 三番目のタイプの人は、自覚症状が無く、それ故、一番たちが悪
 い存在です。
 でも、多いんですよね、このタイプの人が。
 特に文化人とかに。

 それはともかく、マルキストたちは、言うまでなく、隠れオカル
 チストです。(「隠れ…」でない「真性オカルチスト」の人たち
 も沢山いらっしゃいますけれど…。)
 つまりは、根がオカルチスト。
 それ故、その正体を隠そう、または、否定しようとして、超常現
 象などをムキになって批判します。
 あくまで科学的人間を装うために。
 また、悪いことは何でも超常現象のせいにする…。
 彼らのこうした傾向については、知っておいて損はないでしょう。

 そして、実は、相対論や量子論に始まる近現代物理学や宇宙論を
 盲信・狂信する人たちにも、隠れオカルチストが多いのです。
 つまり、これらの分野は、まさしく「隠れオカルティズム」の世
 界なのです。
 だからウケがいい。
 自然科学とは関係のない要素が、しっかりと盛り込まれているの
 です。
 詳しくは、物理学の話の中で説明したいと思います。


●二重性

 物質と精神、または、科学と非科学のジンテーゼ。(笑)
 これこそ、20世紀の学界を支配した(疑似)科学思想の正体で
 す。
 これは、「二重性」とか「二重構造」と言っていいでしょう。
 そして、これもまた、相対論や量子論に始まる近現代物理学に見
 られる特徴の一つです。

 それはともかく、二重性とか二重構造とかをありがたがる連中の
 行きつく果ては決まっています。
 そう、「ダブル・スタンダード」です。
 ダブルスタンダードもまた、相対論や量子論に始まる近現代物理
 学や宇宙論における常識です。
 それを『批判』するなんて、『トンデモない』こと!
 そんな『誹謗中傷』は許さない!
 何しろ彼らは『弱者』であり『被害者』なのだから。(いや〜ぁ、
 誰かさんたちの大好きな単語がズラリ並んでますなぁ。)


■気前のいい国・アメ〜リカ

 さて、ここでちょっと物理学に関する話題を取り上げてみたいと
 思います。

 一般相対性理論が予言してる時空の歪み(による光線の曲がり)
 を観測するために、アメリカ航空宇宙局は人工衛星を打ち上げる
 ことにしたそうです。
 でも、こんなのは金と時間と労力の無駄である、と私は見ていま
 す。
 なぜなら、たとえどんな観測結果が得られようとも、科学者たち
 が下すであろう結論は、最初から決まっているからです。

 もし理論と一致しない観測結果が得られてしまった時、科学者た
 ちはどうするつもりなのでしょう?
 答えは明白!
 やれ誤差のせいだとか言って、ごまかすに決まっています。

 どんな実験(観測)でもそうですが、特に検証のための実験(観
 測)を行う時は、「どの程度の程度のズレなら良しとすべきか?」
 とか、「どれぐらいズレたら理論が間違っているとしなければな
 らないか?」ということを、予めハッキリさせておかなければな
 りません。
 それもせずに実験(観測)を行っても、何の意味もありません。
 ですから、そういうことは、きちんと一般にも公表すべきなので
 す。
 ところが、例によって例のごとく、公表されていないのですね。
 だから、科学者たちの都合のいいように、いくらでもごまかしが
 きくわけです。
 これでは、一般の人たちは、信者たち(=科学者たち)に、うま
 〜く、ちょろまかされるのがオチですよね。
 まったく、ふざけてます。

 逆に、理論に一致する結果が得られた時は、彼らは、その一致ぶ
 りを大々的に喧伝することでしょう。

 ですが、よくよく考えてみれば、光が曲がる理由って、時空の歪
 みだけなのでしょうか?
 自分たちに都合のいい結果が得られた時は、他の可能性は考えな
 い・認めないというのは、ちょっとセコイんじゃありません?
 ま、マルキストたちにはよくあることですけど…。(笑)

 とにかく、そんなわけですから、アメリカ航空宇宙局がやろうと
 している実験(観測行為)は、ヤラセ程度のものにすぎないと見
 ておいたほうがいいでしょう。
 とはいえ、相手は世界の警察、「米帝」であります。
 ですから、ここは、一つ、だまされてやった方が無難だと思いま
 す。
 さもないと、丸チン拷問写真撮られちゃうかも!(笑)

 それにしても、こんな最初から結論のわかりきっている、しょー
 もない実験(観測行為)に、あれだけの税金やマンパワーをつぎ
 込むなんて、アメリカって国は、ホント、気前のいい国なんです
 ね。
 それとも、何か意図でもあるのかなー?


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発行者:media
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