【マルクスとアインシュタイン】 vol.11


◎マルクス主義の実態(その9)

 (注)初読の方は、まず、vol.1〜10を必ず熟読して下さい。
     → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm5/bn.htm


●先人たちの権威を利用する

 マルクスとエンゲルスたちは、先人たちが唱えていた社会主義の
 ことを「空想的社会主義」、自分たちが唱える社会主義のことを
 「科学的社会主義」と呼んで、差別化しました。

 ここで注意しなければならないのは、彼らは決して先人たちの社
 会主義のことを(全面的に)貶していたわけではない、というこ
 とです。
 もし(全面的に)貶していたのであれば、自分たちの唱える思想
 のことを「社会主義」なんて呼んだりはしなかったでしょう。
 実は、ここに彼らの「せこさ」があるのです。

 つまり、こうです。
 社会主義って、すばらしい!
 でも、自分たちが唱える社会主義の方が、もっとすばらしい!
 そう訴えているわけです。(実際には、ちっともそうではないの
 ですが…。)
 そして、そうした宣伝のための差別化のために、空想的・科学的
 という区別をしているわけです。
 相対的な優位性を訴えて、自分たちの権威を印象づけているわけ
 ですね。
 宣伝の世界ではよくあることです。

 ですから、先人たちのことは、ヨイショしているわけです。
 つまり、先人たち(が主張した社会主義)の権威は、尊重してい
 るのです。
 事実、先人たちは権威ある人たちでした。

 ここまでくると、彼らの狡賢い手口が見えてくるでしょう。

 そう、実は、彼らは、先人たちの権威をちゃっかり利用している
 のです。
 先人たちに対する信用を、まんまと利用しているのです。
 わかりやすく言うと、権威ある先人たちを踏み台にするようなこ
 とをしているのです。
 そうすることで、自分たちの絶対的な権威を印象づけているわけ
 です。

 なんてせこい連中なのでしょう。

 でも、せこい奴が勝ってしまうのが、思想の世界なのです。(…
 って、別に思想の世界に限ったことではないのですけれど…。)


●前提を否定する科学

 さて、物理学の世界にも、同じようなせこい手を使って権威を得
 た人たちがいます。
 実は、アインシュタインも、そうした人物の一人なのです。
 誤解のないように念のためお断りしておきますが、これはよく言
 われる「ポアンカレらのアイデアを盗んだ」といった次元の低い
 話のことではありません。
 彼自身のアイデアに、先人たちの権威を踏み台にしているところ
 があるのです。
 こうした手口の共通性からも、相対論や量子論にはじまる近現代
 物理学が文化マルキシズムの一環にすぎないことが見えてくるで
 しょう。

 それはそうと、(文化)マルキストたちがよくやる「先人たちの
 権威を利用する(踏み台にする)」という手口は、「接ぎ木」に
 似ています。

 余談ですが、接ぎ木をするといくらでも品種改良が可能だ…と一
 昔前までは信じられ、良い面ばかりが注目されていました。
 しかし、今では、病気などに弱くなる、といった問題点も指摘さ
 れています。
 まあ、不自然なことをするのですから、何かしら問題が起きてく
 るのは当然でしょう。
 
 同じことが、理論の世界でも言えます。
 接ぎ木のようなことをすれば、確かに、先人たちのアイデアを超
 えたアイデアが生み出せることになるでしょう。
 でも、根幹となるものが異なるので、必ず何か問題が起きる。
 つまり、前提が異なるものを無理矢理繋いでいくので、必ず論理
 に矛盾が生じてしまうことになるのです。

 もっとも、(文化)マルキストたちは、居直ることで、こうした
 問題をごまかしてしまいます。
 そのいい例が、「常識が間違っている」です。
 これには、批判の意欲もそがれてしまいます。

 そんなわけで、近現代物理学では、前提となるものを無視したり
 否定したりする滅茶苦茶な論理がまかり通っているのです。

 こうしたことについての詳細は(いつも言っていることですが)
 いずれ物理の話の中で説明いたします。


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発行者:media
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