【マルクスとアインシュタイン】 vol.10


◎マルクス主義の実態(その8)

 (注)初読の方は、まず、vol.1〜9を必ず熟読して下さい。
     → http://mediax.hp.infoseek.co.jp/mm5/bn.htm

●平等は結果ではなく条件

 マルクス主義という疑似科学思想が、多くの支持や人気を集めて
 しまう最大の理由は、それが平等の思想だと信じ込まされている
 人が多いからでしょう。
 「マルクス主義こそが平等な社会を築いてくれるのだ」と…。

 しかしながら、ここに大きな盲点があります。
 それは、「平等」は、マルクス主義がもたらしてくれるものでは
 なく、マルクス主義が成り立つための条件であることです。
 つまり、「平等」は、「結果」ではなく「条件」なのです。
 ここを勘違いしてはいけません。
 困ったことに、ここを勘違いしている人が、世の中には大勢いる
 のです。

 結果と条件を混同するなど、マヌケなことです。
 マルクス主義が主張しているのは、「平等という条件が満たされ
 れば、(マルクス主義により)安定成長する理想的な社会が実現
 できる」というものです。

 これについて、「本当にその通りにいくのか?」とか、「何をも
 って平等とみなすのか?」という問題は、本来、非常に重要な問
 題なのですが、ここでは取り上げないことにします。
 ここで指摘したいのは、むしろ、平等が条件にすぎない以上、マ
 ルキストたちが政権をとっても、平等な社会を実現してくれる保
 証はどこにもないのだ、ということです。

 そもそも、革命が支持される状況とは、社会が平等でない状態の
 時です。
 つまり、マルクス主義が成り立たない条件の時なのです。
 だったら、平等な理想郷など期待するほうが間違いでしょう。

 ちなみに、マルクス主義自体は、「どうやったら平等という条件
 が整うのか?」という問題に関しては、例によって例のごとく、
 具体的な知恵は何も示してくれません。
 全て「自分で考えてみよう」といった感じです。
 何と無責任なことか。
 ま、そんな調子ですから、独裁のような、特定の人間たちにとっ
 て都合のいい政治形態に向かうことがあっても、別に不思議なこ
 とではないのです。

 こうしてみると、マルクス主義のことを「平等をもたらしてくれ
 る思想だ」と盲信するのは、やはり軽薄なことと言わざるを得な
 いでしょう。


●結論を前提とする科学

 マルクス主義を平等の思想とするのは、結果と条件とを取り違え
 た行為です。
 別の言葉で表現するならば、結論と前提とを取り違えた行為です。

 つまり、マルキストたちが唱える平等論とは、
 「平等な状態を前提とすれば、平等な社会が実現される」
 というものなのです。
 こんな馬鹿馬鹿しい論理についていけますか?
 これは要するに、結論を前提とする論理です。

 マルキストたちには、こうした空虚な理屈をこね回す傾向がある
 のですが、これは実は、相対論や量子論にはじまる近現代物理学
 を盲信する人たちにも見られる傾向なのです。
 つまり、近現代物理学には、結論を前提とする理論が少なからず
 存在するのです。
 こんなところからも、マルクス主義と近現代物理学との関連性が
 うかがい知れましょう。
 詳しいことは、(毎度申し上げていることですが)物理学の話の
 中で説明いたします。


■ダークマターという大義

 ところで、最近、朝日をはじめとする左翼メディアは、さかんに、
 イラク戦争の大義である大量破壊兵器が見つかっていないことを
 ネタに、ブッシュ・米国を非難し、復興支援のための自衛隊派遣
 に猛反対しています。

 なるほど、それなら、ダークマターが見つからないことは、問題
 ではないのでしょうか?
 相対論に基づく現代の宇宙論は、ダークマターが存在しないと成
 り立たないものです。
 ところが、ダークマターは、もう何年も探し続けているのに、未
 だに見つかりません。
 そう、現代宇宙論の「大義」が見つかっていない。
 それでも疑わないなんて、変じゃないですか?
 「大量破壊兵器が見つからないからダメ!」というのなら、現代
 宇宙論だって「ダークマターが見つからないからダメ!」とすべ
 きでしょう。

 ところが、朝日をはじめとする左翼メディアは、現代宇宙論をと
 ことんヨイショし続けています。
 そう、現代宇宙論は、文化マルキシズムの一環にすぎないのです。
 もう正体は隠せない!


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発行者:media
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