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           『科学』という思想信条 2005/10/20特別号

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≪お詫びと今回のテーマ≫

 まずは、お詫びです。
 8月中に発行再開するようなことを言っておきながら、こんな時期になって
 しまい、申し訳ありません。
 サマータイム導入反対運動(というほど大げさなもんじゃない)に夢中にな
 ってしまいまして…。
 やはり、政治運動にハマると、本業が疎かになって、駄目ですね。
 組合闘争世代や学生紛争世代の人たちの心理が理解できたような気がします。

 さて、復帰第一号の今回は、vol.65までの話とは少し違った話をします。
 それは、眉唾科学と経済界の関係についてです。
 サマータイム反対運動をやっていて気付いたのは、眉唾科学の背後には必ず
 といって良いほど経済界の影がちらついているということです。
 そこで、今回は、これをテーマにおおくりいたします。
 なお、前回までの話の続きは、次回からいたします。
 とはいっても、今回の話は、決して退化論と無関係ではありません。
 では、本編をどうぞ。

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<経済界という黒幕>

 私がサマータイム制度導入に反対したのは、それが多くの嘘で塗り固められ
 ていたからです。
 たとえば、「余暇の時間が増える」とかですね。
 時計の針をどう動かしたって、一日の長さは24時間で変わらないのですか
 ら、これはあり得ない話です。
 さらに破廉恥だったのは、寝不足で体調を崩したり、仕事の効率が落ちた人
 たちがいた事実を隠していたこと。
 臭いものには蓋です。
 加えて、ありもしない経済効果を生み出すために、実験期間中、特別な値引
 きサービスを行っていたこと。
 これは、データ捏造という不正行為でしょう。
 それでも、どのメディアも批判しないのですから、呆れましたよ。

 そんなニセ科学まみれの制度を擁護・推進していたのが、経済界だったので
 す。

 そこで、ふと思ったのです。
 ニセ科学や眉唾科学を支えている黒幕は、実は経済界なのではないのか?と。

 サマータイム導入の論拠となっている温室効果(による地球温暖化)説も、
 どこか胡散臭いところがあります。
 これは、クール&ウォームビズ実施の論拠にもなっているものです。
 御存知のように、クールビズは、環境配慮というよりは、景気浮揚策や選挙
 宣伝のネタという感が強いものです。
 ここにも、経済界の影が見え隠れしていますでしょう。

 チーム・マイナス6%への参加は、企業にとって、最高の宣伝になりました
 しね。
 「環境にやさしい」が今年のキャッチフレーズ。
 となると、やはり疑うべきは経済界でしょう。

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<眉唾科学と金儲け>

 マイナス・イオンがブームになりましたよね。
 健康に良いとかなんとか言って。
 でも、これ、確かな根拠はないのですよね。
 正常細胞に+になるものなら、癌細胞やバイ菌とかにも+になるのでは?
 特定の生命体だけに+になるものなんて、そうそうないと思いますよ。
 それに、+の効果しかないというのも変。
 やっぱ胡散臭い。
 要するに、金儲けのための眉唾科学だったわけです。

 ある種の消臭剤もそう。
 臭いをみるみる吸い取る…な〜んてこと言ってますけど、それって、エント
 ロピーの法則に反するんじゃないの?
 臭い(の成分)は拡散するのが普通じゃん。
 (空気を吸いこむための)ファンでもついてないと、無理でしょう。
 これまた、金儲けのための眉唾科学。

 他にも探せばいろいろあるのでしょうが、以上の話だけでも、眉唾科学を支
 えているのが経済界であるのは明白でしょう。

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<眉唾科学ネットワーク>

 経済界を黒幕とする眉唾科学のネットワークは、次の通りです。
 まず、経済界と結び付きのある、もしくは、経済界に気に入られた科学者・
 大学教授。
 同じく、経済界に持ち上げられた作家や評論家。
 さらに、経済界の犬であるメディアと芸能界。
 こんな感じですね。
 そして、とどめは、経済界のイエスマンである政治家や、お友だちである官
 僚・お役人。
 このような見えない帝国を築き、ボロ儲け…というわけです。
 これが、経済界を黒幕とする眉唾科学ネットワークの実体です。

 よくよく考えると、メディアって、情報を商品とする企業なのですよね。
 となると、これも経済界の一部とみなしてよいでしょう。

 また、芸能界だって、芸やキャラを商品とする人たちの集まり。
 これまた、経済界の一部とみなせますでしょう。

 さらに、作家や評論家、さらにはタレント大学教授(科学者)などは、メデ
 ィアのおかげで出世できた人たちなのですから、メディアのイエスマンであ
 り、よって、経済界の手先と言ってしまってかまわないでしょう。
 中には、経済界をパトロンとしている人たちもいますしね。

 そう、ぜ〜んぶ、経済界の息がかかった連中なのです。
 こんな巨大なネットワークを敵に回したのでは、到底、勝ち目はありません。

 そういえば、欧米の名門大学には私大が多いようですね。
 ということは、経済界から、かなりの寄付や研究費をもらっている可能性が
 考えられますね。
 ならば、擬似科学批判を行っている科学者・大学教授が、経済界のイエスマ
 ンであっても不思議ではないでしょう。
 彼らが眉唾科学を批判しないのは、ごもっともなことです。

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<経済界好みの科学(?)とは?>

 さて、眉唾科学の黒幕が経済ならば、眉唾科学とは、経済界に都合の良い科
 学(?)ということになりますでしょう。
 では、それはどんな科学(?)なのでしょうか?
 以下に、その主なものを挙げてみましょう。

 【1】感覚に訴える科学(?)

 これは、金儲けに直接つながる科学(?)です。
 「それって良さそうに思えちゃう」ってヤツです。
 実際にはそうではないのですがね。
 イメージで人を惑わす科学(?)です。
 マイナス・イオンや、臭いをみるみる吸い取る消臭剤、温室効果(による地
 球温暖化)説、クール&ウォームビズ、サマータイム…なんかが、そうです。

 【2】消費者を白痴化する科学(?)

 消費者が賢くなってしまうと、物が売れません。
 これでは、儲かりまへん。
 ですから、消費者を白痴化する科学(?)が好まれるのです。
 その意味で、相対論や量子論は、最高の科学(?)です。
 矛盾を矛盾と認めない、人々を思考停止状態にしてしまう科学(?)です。

 ちなみに、量子論は結果さえ合えば良い科学(?)です。(相対論にも、そ
 ういうところがあります。)
 経済界にとっては、結果さえ合えば良いのであって、理屈なんてもんはどう
 でも良いのですよ。
 それが実用の世界というものです。

 【3】偶像崇拝精神を植え付ける科学(?)

 消費者に偶像崇拝精神があった方が、物は売れます。
 アインシュタイン相対論は、これにピッタリの科学(?)でしょう。

 【4】他を認めない科学(?)

 「わが社の製品こそが絶対です」と信じ込ませるのには、消費者を、一つの
 ことしか考えない人間にしてしまうのが一番でしょう。
 他のことを考える人は、他社の製品を買ってしまうかもしれないでしょう。
 こういう目的に役立つのが、相対論、量子論、そして進化論です。
 これらは、他の可能性を考えない・認めない科学(?)です。
 であると同時に、視野を狭くする科学(?)でもあります。

 【5】誇大広告に役立つ科学(?)

 本当は大したことないのに、さも素晴らしい、次元の異なる秀逸なものであ
 るかのように宣伝するための思想科学…といえば、進化論でしょう。

 【6】闘争心を煽る科学(?)

 これは、受験産業等を別にすれば、従業員教育向けの科学(?)ですね。
 競争に勝つためには、闘争心がなければなりません。
 弱肉強食・自然淘汰を説く進化論は、うってつけの科学(?)でしょう。

 【7】経営者の趣味・思想に合う科学(?)

 なんだかんだ言っても、経営者は絶対権力者。
 自然と、こうなりますよね。
 で、今の経営者世代は、戦後の真っ赤っかな自虐サヨ教育を受けた人たち。
 ベンチャー企業を別にすれば、ほとんどが、組合闘争や学生紛争に夢中にな
 った世代の人たちです。
 というわけで、マルクス主義と根が繋がっている科学(?)が好まれるわけ
 です。
 それが、進化論、相対論、量子論というわけです。

 ちなみに、現在、最も人口の多い世代も、この世代です。
 つまり、一番のお得意サン世代。
 ということは、これは、消費者の趣味・思想に合う科学(?)でもあるでし
 ょう。
 物が売れるためには、御機嫌とりも仕方ない…か。

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<闘争史観という障害>

 ところで、進化論の教義(の一部)である弱肉強食・自然淘汰と非常によく
 似た教義があります。
 それが、闘争史観です。
 つまり、マルクス主義の階級闘争に基づく歴史観ですね。
 どちらも、物事の関係を、何かと、分裂し対立し合う関係としてのみとらえ、
 それらの間の闘争によって発展する…とする歴史観です。
 これを見ても、進化論が文マル科学であることは明白でしょう。

 マルクスやダーウィンの素晴らしいところは、醜い現実を科学的事実と認め
 たところにあります。
 これは、それまでの科学にはなかった態度です。
 それまでの科学は、神の調和とでも言うべき“きれいごと”を絶対的原理と
 していましたからね。
 ですから、その点は、大いに評価すべきでしょう。

 ですが、世の中、醜いものだけで成り立っているわけではありません。
 まして、醜いものが発展をもたらすわけでもありません。
 そこに、彼らの誤りがあるのです。

 発展は、実際には、相互依存によって叶えられるものです。
 闘争では、双方が疲弊するだけです。

 肉食獣だって、草食獣と対立し闘争するために襲っているのではないのです
 よ。
 草食獣を食べることによってしか生きられないから、そうしているまでのこ
 となのです。
 現に、腹が減ってない時は、襲いませんからね。
 依存しているだけなのですよ。

 こうしてみると、マルクス主義が、退化論を理解する上で、大きな障害にな
 っていることがわかるでしょう。

 どんなに裕福な資本家でも、無人島で一人になってしまったら、生きていけ
 ません。
 このことから、資本家と労働者は、本当は依存し合う関係であることがわか
 るでしょう。
 ただ、プライドゆえ、資本家側が、その事実を認めないだけです。

 企業と労働者の関係についても、同じことが言えます。
 闘争に熱心な人たちが、発展をもたらしていますか?
 むしろ、衰退をもたらしているでしょう。

 人間どうしの依存は、協力という形になり、それは相互の信頼によって築か
 れるのです。
 発展とは、それによって、もたらされるのが現実です。
 テロや紛争の多い国が発展してますか?

 「闘争」という概念は、確かに、人をバトルに駆り立て、夢中にさせるもの
 です。
 「試験、反対!」などと叫んで学生紛争やっていた連中が、受験産業になだ
 れこんでいったのは、お受験がまさしく闘争の世界だからでしょう。
 また、家庭や家族が壊れるほど会社人間になれるのも、ごもっともなことで
 す。
 もしかしたら、家庭や家族という場にさえ、階級闘争という概念を持ち込ん
 でいるのではないでしょうか?
 それはともかく、闘争が破壊的作用しか持ち得ないことに、現代人はもうい
 い加減に気付くべきです。

 結局のところ、階級闘争という概念は、社会を分裂させるための、とんだ入
 れ知恵だった…ということです。
 そうすることで、体制を弱体化させ、憎悪の感情を煽り、革命に都合の良い
 状況を作り出すわけです。
 そういう毒に気付かなかった20世紀人は、やはりバカだったというべきで
 しょう。

 いずれにせよ、進化論がこれだけ持ち上げられているのは、それが経済界の
 “お気に入り科学”だからです。
 このように、眉唾科学や擬似科学を流行らせている黒幕は、経済界なのです。
 いつの時代でも、一番の大物ワルは、批判や懲罰を免れるものです。
 科学も、所詮は、経済界の奴隷なのですよ。
 それが現実!


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発行者:media
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