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           『科学』という思想信条 04/11/11特別号

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≪おわび≫

 発行が長期間中断してしまって、申し訳ありません。
 実はしつこい迷惑メールのことでムカついていたもので。(^^;

 さて、久しぶりの今回はダーウィン進化論・退化論の話はお休みにして、地
 震に関するお話をしようと思います。
 新潟県中越地震のせいで、地震予知可能を唱えていた地震学者たちが叩かれ
 てますね。
 というか、マスコミにも相手にすらされない状態です。
 そこで、今回は、地震に対する私の持論を述べたいと思います。
 もちろん、支持するかしないかは、みなさまの自由です。

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<プレートにこだわりすぎでは?>

 地震学者たちを見ていて気になるのは、プレートにこだわりすぎているよう
 に思えることです。(いわゆるプレートテクトニクス。)
 このため、プレートの境界にばかり目が行ってしまうわけです。

 確かに、プレートの境界では地震が多発します。
 でも、忘れた頃にドドーンとやってくる大地震は、以外と少ないのですよね。
 関東大震災のことが、あまりにも強く意識されすぎているのではないかと思
 います。

 それに、プレートの境界って、地震のたびに書換えられているのですよね。
 意外と心許ない理論なわけです。
 これでは予知は後手後手になるでしょう。

 プレートテクトニクスは、大陸移動のような地球規模の現象の説明には、そ
 こそこ役立つのでしょうが、地震の予知には、いささか役不足のようです。
 学術的には魅惑的でしょうが、地震予知という実用分野においては、イマイ
 チです。
 というか、あまり関係が無いような気がします。

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<要するに、ひび割れ>

 火山性の地震を別にすれば、多くの地震は岩石(地殻)が、ひび割れする際
 に生じる振動であると私は思います。(注:これは私のオリジナルではあり
 ません。念のため。)

 ガラス(に限らなくても良いのですが)にひびが入る時って、「ピキッ」と
 か「バキッ」という音がしますよね。
 音は空気の振動です。
 ガラスがひび割れする時、ガラスが振動し、それが空気に伝わって、音にな
 るわけです。
 このように、物が壊れる時は、振動が生じるのです。

 地震もこれと同じだろうと私は考えます。
 ただし、地震の場合は周波数が低く(=周期が長い、波長が長い)、振幅が
 大きくなる。
 音の場合、同じ音量だと、低音の方が、振幅が大きいですよね。
 それで、激しい揺れになる…というわけです。

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<一度壊れた場所は弱い>

 さて、この考え方によると、断層は、ひび割れが人間の目に触れられるかた
 ちで、表面に現れたもの…ということになりましょう。

 それはともかく、一度壊れた(ひびが入った)場所は弱く、再び壊れやすく
 なっています。
 人間の体でも、そういうことがありますよね。
 スポーツやっていた方はわかると思うのですが、一度痛めた場所は、また痛
 めやすかったりします。

 物体も同じです。
 一度ひび割れしたところに、ひびが入りやすいのです。
 そのために、地震の巣(=地震多発地帯)になりやすい…というわけです。
 これは経験的事実とよく一致しているでしょう。

 もっとも、ひびはどこでも入ります。
 ひびが無かった場所に、新たにひびが入ることもある。
 それで、忘れた頃に大地震が来たりする。
 地震のたびにプレートの境界を書換えるよりは、こちらの方が合理的だと思
 うのですが…。

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<応力をもたらすもの>

 岩石等がひび割れする(壊れる)のは、周囲から力(応力)が加わるからで
 す。
 力が加わることで、変形し(歪みが生じ)、それが限界に達すると、ひび割
 れし(壊れ)て、激しい振動が生じる…というわけです。
 そして、破壊の力をもたらすものとして、マントルの対流があり、マグマや
 水蒸気の圧力があり、月の引力がある…というわけです。(注:もしかした
 ら、他にもあるのかもしれません。)

 より包括的に、統一的に説明できる点においても、こちらの考え方の方が魅
 惑的でしょう。

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<予知は可能か?>

 では、もし地震がひび割れの際に生じる振動だとすれば、地震を予知するた
 めには、何が必要になってくるのでしょうか?

 そのためには、(少なくとも)以下の二つのことが必要になってきます。

 まず第一に、「どんな力が加わっているのか?」ということを完全に正確に
 知り尽くすことが必要です。
 ですが、そのためには、あらゆる場所の歪み(変形の度合い)を知る必要が
 ある。
 そんなことは、理論的には可能でも、現実的には極めて困難でしょう。

 第二に、あらゆる場所の物性を知り尽くすことが必要です。
 でも、これもまた、現実的には極めて困難でしょう。

 以上のことから、地震の予知は極めて困難である、と言わざるを得ないので
 す。

 夢やロマンを壊してしまって、すみません。
 でも、これが現実なのです。

 もちろん、だからといって、完全に諦めるべきでもないと私は思います。
 上で述べた二つの条件を満たすための新技術や設備が整えば、予知は可能に
 なるわけですから。

 ただし、今までのような研究態度・姿勢・方針では、予知は永久に無理だと
 思います。
 特にプレートへの偏執は、いただけません。

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発行者:media
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