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           『科学』という思想信条 vol.61

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≪退化論…その11≫

 進化論に対する皮肉として提唱する退化論の第11回目です。
 今回は、退化の原因である依存についてです。

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<分業が有利な理由>

 単細胞生物よりも高等とされている多細胞生物も、受精後は、単細胞生物と
 同様、細胞分裂によって細胞の数を増やしていきます。
 違うのは、細胞が分業化・専業化していくことです。
 これが、分裂後の細胞どうしの共存共栄を実現するわけですね。

 生物に限らず、高度なシステムを作り上げる上で、分業は欠かせません。
 では、なぜ、分業はその点で有利なのでしょうか?
 それは、個々のものにかかる負担が少なくなるからです。

 分業化されていないと、あらゆることをこなさなければなりません。
 これに対し、分業化されると、特定のことだけをこなせばすむようになりま
 す。
 これは楽ですよね。

 さらに、分業化の良いところは、コンピューターで言えば、シングル・タス
 クですむようになることです。

 分業化されていないと、複数のことを同時にこなしていかなくてはなりませ
 ん。
 そのため、マルチ・タスクになります。
 これは、大変な負荷がかかります。
 コンピューターで、複数のプログラムを多数(同時に)起動していると、動
 きが遅くなりますね。
 効率が悪いです。
 場合によっては、フリーズしたり、ハングアップしたりと、動作が不安定に
 なることさえあります。

 これに対し、分業化されると、シングル・タスクですむようになり、負荷も
 少なく、効率もよく、動作も安定する、という利点があるわけです。

 そんなわけで、分業化・専業化されると有利なわけです。

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<退化で最適化>

 分業化・専業化により、特定のことだけこなせばよい…ということになれば、
 その要求される「特定のこと」だけができれば良いことになりますね。
 つまり、他のことはできなくていいわけです。

 だったら、そうした要らない機能とか特性とかは捨ててしまって構わないで
 すよね。
 そして、自然現象としては、これは「退化」によって実現することでしょう。

 退化によって要らない機能や特性を捨てると、要求される条件に(より)合
 うように最適化することができます。

 たとえば、皮には血管がありません。
 だからこそ、少々傷ついても平気なのですね。
 血管があったら、出血したり、バイキン等が侵入してきたりするでしょう。

 このように、不要なものを失うことで、その要求される目的条件に(さらに)
 最適化されることになるわけです。
 その結果、システム全体として、より高度なものになれるわけです。
 そして、それを可能にしてくれる自然現象が、退化というわけです。

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<依存ゆえ欠点もあるが…>

 ところで、不要な機能や特性を捨てることができるのは、担当外のことを他
 のものが代わりにやってくれるからですよね。
 つまり、他のものに依存しているわけです。
 ですから、分業化・専業化された世界では、みな互いに依存し合って生きて
 いるわけです。

 それだけに、欠点もあります。

 それは、どこか一カ所がやられると、全体に影響が出てしまうことです。
 分業化・専業化のために、自分の担当外のことは他に任せる(=依存する)
 ために、こういうことになってしまうのですね。

 また、変更が難しい。
 条件が変わると、全体の分業の仕方を変えなければなりませんが、専業化し
 てしまっているために、なかなかそれができない。
 特に退化によってそうなった場合は、まず不可能。
 それ故に、生物の場合は、環境変化に弱くなります。
 多細胞の高等(とされる)生物には、環境の変化によって絶滅してしまうも
 のが少なくありません。

 そこへ行くと、分業化・専業化していないものは、単独でも、何でもある程
 度こなせるようになっているので、一つがやられたぐらいで、全部がやられ
 ることはない。
 また、専業化も退化もしていないと、環境変化にも融通性をもって対応でき
 る。
 それ故、下等とされる単細胞生物は、滅びにくく、しぶとい。

 以上を見ていくと、退化論から導かれる結論は、実際の生物の様とよく一致
 していると思います。

 それはともかく、分業化・専業化されている方がいいのか、されていない方
 がいいのかは、一概には言えないことでしょう。
 単にしぶとく生き延び続けるだけなら、後者がいい。
 しかし、後者は、下等なレベルに甘んじなければならない。
 ですから、高等なレベルを目指すには、どうしても前者でなければならない
 のです。

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<「何でも屋」化…NHK磯村改革の愚>

 あれもこれもこなすなんて、到底無理(限界)があります。
 ですから、高度な組織を築くのに、分業化・専業化は、どうしても不可欠な
 のです。
 逆のこと、すなわち、「何でも屋」化なんてことなどしようものなら、レベ
 ルは確実に下がります。

 人間社会の例で言えば、NHK磯村改革(という呼び方は、私が勝手につけ
 たものです。念のため。)が、そのいい例です。
 これは、NC9(ニュースセンター9時)の初代キャスターだった磯村尚徳
 氏が、出世後、NHKの職員に対して行ったものです。
 それは愚かにも、自分の専門外・担当外のことでも(何でも)こなせなけれ
 ばならない…という負担を押し付けるものでした。
 おかげで、アナウンサーの質がかなり下がってしまいました。
 昔は、NHKのアナウンサーと言えば、正しくかつ美しい日本語の最高の手
 本とされていたのですが、今は見る影もありません。
 もしかしたら、アナウンサーだけではなく、記者など、あらゆる職員の質が
 低下してしまった可能性もあり得ます。
 事実、質の低い、くだらない俗悪番組や偏向番組が増えましたからね。

 そういえば、キャスターがやたらとベラベラしゃべるという悪しき報道番組
 の始祖となったのがNC9ではなかったかと記憶しております。
 そして、この磯村氏を東京都知事選候補に推したのが、たしか当時の自民党
 の幹事長だった小沢一郎氏だったとも記憶しております。(これは全くの余
 談…かな?)

 とにかく、いろんな意味で、NHKは、その後、みるみる堕落(→退化)し
 ていったのです。

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<本当は退化しているNHK>

 にもかかわらず、NHKの優位性は変わりませんね。
 むしろ強まっています。
 なぜでしょう?

 その主な理由は、二つあります。

 一つ目は、資金面で有利なこと。
 何しろ、公共放送であることをいいことに、受信料を国民から強制徴収して
 いますからね。
 カネには全く困らないわけです。

 二つ目は、政治的とも言える特権が与えられていること。
 どんなにひどい偏向報道番組や有害番組を放送しても、ペナルティーがあり
 ません。
 民営メディアのように、視聴者や購読者が減り、収入が減ることによる社会
 的制裁も受けません。

 このように、NHKはいろんな意味で非常に恵まれているのです。
 そのために、優位な立場にいられるのです。

 呆れたことに、NHKは、そうして得たにすぎない優位性を、自らの「進化」
 によるものであるかのように喧伝し、自画自賛の宣伝を盛んに行っておりま
 す。
 いい気なもんですよねー。
 のぼせ上がってます。

 でも、騙されてはいけません。
 本当は、NHKは、どんどん退化しているのです。

 NHKに優位性をもたらしているのは、NHKが社会に甘えている=依存し
 ているからです。

 カネは、黙っていても、いくらでも確実に入ってくる。
 これは経済的に社会に依存している証拠ですね。

 また、公共放送としての義務を果たさない。
 放送内容に対する責任をとらない。
 「公共放送だから」という世間の信用につけこむ。
 これらも、社会に対する傲慢かつ慣れ合い的な依存でしょう。

 そして、御存知のように、依存は退化の証拠です。
 ですから、NHKは本当は退化しているのです。

 そして、そういう依存をしているからこそ、自分たちのやりたいことには、
 とことんパワーを注ぎ込める。
 それで優位に立てる。
 このように、NHKの優位性は、NHK自身の退化の産物なのです。
 つまり、やるべきことをやらず、社会に依存し、やりたいことだけをやって、
 成り上がっているわけです。
 そんなものを「進化」と宣伝するなんて、ペテンもいいところでしょう。

 要するに、本当は堕落し社会に依存しているクソッタレ野郎が、自分を良く
 見せるために用いる宣伝文句が、「進化」というわけです。
 そして、また、そういうこともあって、NHKは、進化論をやたらとヨイシ
 ョしているのです。

 傲れる豚=NHKよ、少しは恥を知れっ!!

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発行者:media
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