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           『科学』という思想信条 vol.6

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 今回は『火星の人面岩論争』(3回シリーズ)のラストです。

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<存在価値>

 ここで、火星人(がいる、または、いたと仮定して)にとっての、人面岩の
 存在価値について考えてみると、大きな疑問が生じていきます。

 まず第一に、火星の地上からは『顔』は見えないことです。
 自分たちが見えないものを作る意義があるのでしょうか?

 第二に、航空機や宇宙船の誘導などには、『顔』という形状は、あまり役立
 ちそうもないということです。

 第三に、火星人が自分たち(知性)の存在を異星人に知らしめるものとして
 も、『顔』という形状は曖昧すぎることです。
 むしろ、最近のミステリーサークルのように、幾何学的な形状のものの方が
 良いのではないでしょうか?

 加えて、火星人がある程度の知性の持ち主なら、
 「顔では、論争が起きて、自分たちのことに気付いてもらえない」
 ということに気付くと思うのですが…。

 以上の問題を考えると、たとえ『人面岩』が見つかったとしても、それが人
 工物とは限らないことになるはずです。
 だとすれば、何もムキになって『人面岩』の存在を否定することもないはず
 でしょう。
 否定論者たちは、人工物の存在を否定したかったのではないのでしょうか?

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<火星人神話による宣伝>

 日本の文化において、火星はそれほど重要な存在ではなかったように思われ
 ます。
 ですが、西洋(欧米)では、太陽や月以上に重要な存在でした。
 科学の時代になっても、そうした傾向は少しも変わってはいません。

 パーシバル・ローウェルの運河(実は筋)の発見!
 H・G・ウェールズのSF小説『火星人襲来』。
 オーソン・ウェルズのラジオ放送が引き起こした一大パニック!
 タコのような頭でっかちの火星人像…。

 御存知のように、これらの話は、火星にまつわる人騒がせな話のネタとして
 よく持ち出されるものです。
 そして、人面岩批判の宣伝にも利用されるものです。

 しかし、それだけではありません。
 人面岩批判自体に、ある種の宣伝効果があるのです。

 つまりそれは、

 『昔から火星には人騒がせな話が多いので、その手の話を批判することに
  よって、自分たちの"冷静さ"、"客観性"、"科学的態度"という好イメー
  ジを、世間に売り込める』

 というものです。

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<それでは、なぜ火星に期待するのか?>

 それはそうと、なぜ、かくも多くの科学者たちが、ああも火星に期待するの
 でしょうか?

 「火星には(大量の)水がある(あった)」
 「火星には生物が生息するかもしれない」
 「地球の植物を移植すれば、人が住める環境が作れるに違いない」

 夢を壊すのは良くないことかもしれませんが、これらの夢は確証のあること
 なのでしょうか?
 確かに、火星は地球に最も近い環境にあるといわれています。
 しかし、それも相対的な話であって、実際には何とも言えないことのはずで
 す。
 コロニーを作るのなら、月の方が近くていいのでは?
 「否、火星でなければならないのだ!」と、多くの科学者は主張することで
 しょう。

 でも、なぜ?

 確証も無しにそれにこだわるからには、彼らを動かすよほど強い要因がある
 はずです。
 では、それは何か?
 それは、子供の頃、SFや人騒がせな話などから得た影響があるからではな
 いのでしょうか?
 となると、やはり『隠れオカルティズム』の香りが…。
 客観的事実だけからは、あれだけの情熱は生まれ得ないと思うのですが…。

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発行者   : media
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