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『科学』という思想信条 vol.54
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当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
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マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
めします。
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≪退化論…その四≫
進化論に対する皮肉として提唱する退化論の第四回目です。
今回も、退化による分業の考え方について説明しようと思います。
動物を題材に話を進めますが、同じことは虫や植物などにも言えます。
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<砂金とり>
砂金は川などでとれるわけですが、泥やら砂やら砂利やらに混じって存在す
るため、そのままでは実用価値がありませんね。
ざるなどでこしたりして、泥やら砂やら砂利やらを取り除くことで、砂金と
いう実用価値のある材料・原料となるわけです。
ここで気付いてほしいのは、泥や砂や砂利があった方が、より多くの種類の
物質が存在することになるということです。
ところが、その状態では、実用価値の無いものになってしまうわけですね。
泥や砂利を排除し、物質の種類を少なくすることで、実用価値のあるものに
なるわけです。
つまり、何かの材料や原料などのように、実用価値のあるものにするために
は、その目的以外のものを捨て去らなければならないわけです。
あまりいい「たとえ」ではなかったかもしれませんが、退化論の考え方も、
これと同じです。
前回も説明したように、細胞がただ分裂を繰り返して、コピー増殖していっ
ても、機能を実現するために必要なパーツは出来上がりません。
パーツが出来るためには、細胞が分裂する際に、自身が担うことになる役割
にとって不要なものを捨て去らなくてはならないのです。
そして、そのためには、細胞は分裂する際に「退化」しなければならない…。
これが退化論の考え方です。
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<生殖との関係>
さて、退化論によれば、細胞は、各々の役割分担に合うよう退化しながら専
業化し、分化していくことになります。
そんな中で、注目して欲しいのが、生殖(器)関連の細胞です。
この細胞は、退化の果てに、ついに、染色体の数が半分しかないものになっ
てしまいます。
それが、雌の場合なら卵子、雄の場合は精子となるわけです。
そして、これらが受精によって一緒になることで、退化が止められ、退化す
る前の状態が取り戻されるわけです。
これが受精卵というわけです。
こうした退化の度合いを、概念図的なグラフに表すと、下図のようになりま
す。(必ず等幅フォントで御覧下さい。)
│A A A A
─┼┬┬──┬┬──┬┬──┬┬───→ 時間
││└┐ │└┐ │└┐ │└┐
││ └┐│ └┐│ └┐│ └┐
│┘ └┘ └┘ └┘ └
│ B B B B
│
↓
退化度
横軸は時間、縦軸は退化の度合いを表し、下にいくほど退化していることを
表します。(あくまでも概念図的なグラフであることをお忘れなく!)
また、グラフがなめらかな曲線になっておらず、階段状になっているのは、
退化が細胞分裂の際に起こることを意味します。
ただし、実際には、階段状であることが、人間の感覚ではほとんど認識でき
ないほど細かくなるくらいに段階数は多くなります。
このへんは、テキスト・アートの限界ですので、どうか御容赦願います。
さて、このグラフでは、Aの状態が受精卵の状態で、Bが卵子や精子の状態
となります。
おわかりのように、Aで受精した途端に、退化の度合いが一気に減少してい
ますね。
これが、いわゆる生命の誕生です!
その後、成長とともに細胞は退化し続け、Bで退化の度合いが最大となり、
Aで再び元に戻る…ということを繰り返しています。
このように、退化しきった細胞どうしが一緒になることで、退化する前の状
態が再び取り戻されるのが生殖である、というのが退化論の考え方です。
そこで思い出していただきたいのが、vol.51で述べた次の一文です。
「退化は、混血によって食い止められる」
混血も、受精も、異なるものが一緒になることですよね。
どちらも同じ原理によって説明できることがわかると思います。
進化論を盲信する現代の生物学者たちは、生物の成長の過程の中に、生物の
歴史を見出そうとします。
ですが、それならば、そこに退化論の根拠を見出すことができることを認め
てくれてもいいのではないかと思うのですが…。(笑)
余談ですが、こうした退化論の見方・考え方は、国家や民族や企業や政党…
などの栄枯盛衰の歴史の説明にも適用可能なものではないかと思います。
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<子孫永続とは?>
卵子や精子は、いずれも退化しきった細胞と言えます。
そして、御存知のように、同じものどうし、すなわち、卵子どうし、精子ど
うしを一緒にしようとしても、生命は誕生しません。
それらは、いずれ死んでしまいます。
また、それらの源となる大人の雌も雄も、加齢による老化によって、いずれ
は死んでしまいます。
そうなると、種が途切れて、絶滅してしまいますよね。
ですから、そうならないためにも、異なるものどうし、すなわち、卵子と精
子が一緒になる必要があるわけです。
そうすることで、たとえ大人の雌や雄が死んでしまっても、種は途切れるこ
となく、絶滅することなく、永代にわたり存在し続けることが可能になるわ
けです。
一方、死という現象は、変化の一種です。
つまり、変化は生物を絶滅させようとする原因になるわけです。
そして、変化による絶滅を防ぐのが、異なるものどうしが一緒になること、
すなわち、受精なのです。
ということは、変化による絶滅を防ぐのは、異なるものどうしが一緒になる
ことだということになりますね。
そこで、またまた思い出していただきたいのが、vol.51で述べた次の一文で
す。
「混血に成功したものだけが、環境変化による絶滅を免れる」
つまり、各環境に合うように異なるものに退化したものどうしが、混血によ
り一緒になることで、環境変化による絶滅を免れる、というわけです。
このように、退化論の考え方は、一世代、二世代のことだけでなく、多世代
にわたる現象をも説明できるのです。
つまり、スケールを問わず、微視的なことも、巨視的なことも、あらゆるス
ケールの事柄を統一的に説明できるという魅力があるのです。
次回は、退化論と遺伝子の関係について説明しようと思います。
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発行者:media
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