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           『科学』という思想信条 vol.42

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<カラスの脳>

 だいぶ間があいてしまいましたが、今回から再び、カラスの脳(の進化)に
 ついて取り上げていきたいと思います。
 つまり、カラスの脳を進化させた原因についてです。

 その前に、予め、お断りしておきたいことがあります。
 こういうテーマを取り上げたからといって、別に、カラスの高度な頭脳が、
 進化によって得られたものだ、と断言しているわけではありません。
 もし進化によって得られたのだとしたら、どういうことが原因で進化が起こ
 った可能性が高いか?、ということを考えてみようというだけです。
 つまり、「これが絶対!」というものではありませんから、誤解なさりませ
 ぬように。
 どうも、そのあたりのことを全く理解せずに、嫌らしく絡んでくる人がいる
 ので、念のため。(ほんと、疲れるわ〜)

 あくまで可能性の話ですから、まず起こりそうもないことは批判の対象とな
 り、そうでないもの(まだ見込みのありそうなもの)が、(たとえ、それほ
 ど確かな根拠がなくても)取り上げられることになります。
 つまり、相対的に可能性の低いものよりも高いものに注目してみよう、とい
 うわけです。
 進化に要する時間の問題を考えれば、そうするのが合理的でしょう。

 以上のことを理解した上で、以降の話をお読み下さい。

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<逆効果のことも…>

 カラスの脳は、どうして進化したのでしょう?
 「生き残るために必要だったから」と進化論者たちは主張します。
 ならば、「必要」とは何でしょうか?
 自然の摂理でしょうか?
 もちろん、答えは「No」です。
 それは、命あるものの願望ですよね。
 つまり、心に関係あるものです。
 「生き残るために必要」とは「生き残りたいという願望をかなえるために必
 要」ということです。
 これでは、「心が奇跡を起こす」と言っているのと同じですよね。

 これは、ちょっとオカルト的で非現実的な感じがします。
 それに、時には、逆効果の場合さえあります。

 たとえば、背が小さい人には、「大きくなりたい」という願望があるもので
 すよね。
 ところが、そうした願望があまりにも強くなりすぎると、それがコンプレッ
 クスとなり、ストレスとなって、かえって体の成長が阻害されたり、時には
 健康を害して背が縮んでしまうことさえあります。
 つまり、「大きくなりたい」という願望が、逆に、背を小さくしてしまうの
 です。
 ついでながら、こうした皮肉な現象は、美容などでも起こります。(ですか
 ら、変に気にしないのが一番なのです!)

 こうしたことから考えると、進化の原因を心に求めるのは、あまり賢明とは
 言えないでしょう。

 たしかに、心は、脳と関連のある概念です。
 また、体の各部の働きは、脳からの指令によるものが多いことは事実です。
 しかしながら、人間が願望を実現できるのは、そのための知恵を身につけて
 いるのと、そのために努力するからです。
 心に進化の原因を求める人たちは、そこを勘違いしているように思えてなり
 ません。

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<雑食について>

 それでは、脳の進化の原因を、「カラスが雑食だから」とする説は、どうで
 しょう?
 これは、注目に値する説だと思います。
 少なくとも、脳が進化できた条件の一つとすることは、良いことだと思いま
 す。
 しかしながら、それを脳が進化した原因と考えるには、少々弱いところがあ
 る、と言わざるを得ません。

 たとえば、脳が進化するために雑食になった、という考え方も可能だからで
 す。
 つまり、脳が進化していく過程で、その十分な栄養補給のために、雑食にな
 ろうとする生理的欲求が生じて、そうなった、とする考え方です。

 また、これとは別に、高度に進化した脳を維持するために、雑食にならざる
 を得なかった、という考え方も可能です。

 これらは、そもそもカラスはどうして雑食になったのか?、ということを考
 えた場合に問題になることです。

 さらに、全く別の、もっと意地悪な考え方もあります。
 雑食ということは、食べられるものが多いということです。
 これは、食物が豊富なことと同じことになります。
 ならば、脳が進化する必要もなくなります。
 これでは、いけません。

 少し話が逸れますが、肉食・草食・雑食という区別は、相対的なものです。
 肉食でも草を食うことがありますし、草食でも草などと一緒に虫などを食べ
 てしまうこともあるわけです。

 それに、肉食獣が食らう草食獣の肉は、もとは植物からできたものです。
 これは、意外と忘れられてしまうことです。

 こうしてみていくと、雑食説も、あまり説得力のあるものではないことが、
 おわかりいただけると思います。

 雑食説のように、食物に進化の原因を求めるような考え方は、どうも、今流
 行の『最新健康情報』を意識したもののように思います。
 何しろ、ウケがいいですからね。
 「この食品をとると、頭が良くなる」、「脳の働きが活性化される」、「ボ
 ケ予防になる」、…
 今のオトナは、そういうのが大好きですよね。

 科学的説明としてよくあるのは、
 「この物質(栄養素)は、脳細胞を構築する上で必要な物質。だから、こ
  れをとるのが、脳にいい。」
 というものです。
 でも、そういう物質をとっても、それから脳細胞が構築される働きがなかっ
 たら、それをいくら沢山とっても、意味が無いですよね。
 TVで大流行の最新健康情報には、こうした盲点があります。
 そして、同じことが、雑食説にも言えるわけです。

 やはり、雑食説だけでは、カラスの脳の進化は説明できそうもありません。

                            (つづく)

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発行者   : media
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