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           『科学』という思想信条 vol.40

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 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜39、及び、旧メル
 マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
 めします。

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<都会は厳しい?…甘ったれの科学>

 前回の話の続きです。
 カラスを進化させたのは、都会の厳しさである、と記事は説いています。
 しかし、カラスにとって、都会は本当に生きていく上で厳しい場所なのでし
 ょうか?

 都会では、ゴミの袋を突っつくことで、食料は容易に確保できます。

 また、天敵もいません。
 鳥獣類は法律により保護されているし、昔からカラスは狩の対象にはなりま
 せんでした。
 また、その黒い外見からか、カラスを気味悪がって近づかない人間が多いこ
 とも幸いしています。

 こうしたことを考えると、都会はカラスにとってむしろ楽園と言えるのでは
 ないでしょうか?
 だとすれば、それは厳しい環境ではなく、カラスを進化させる要因にはなら
 ないはずです。

 都会が厳しいなんて言っているのは、都会の『人間たち』でしょう。
 でも、田舎の生活だって、決して楽というわけではないと思いますよ。
 都会の方が暮らしやすいから都会で暮らしているのではありませんか?

 こうしてみると、「都会の厳しさ」を進化の根拠にするのは、まさに都会で
 暮らす『甘ったれども』の論理であることがわかるでしょう。
 人間、程度の差こそあれ、甘えたいという願望は誰にでもあるものです。
 考えてみれば、前回指摘した『求めよ、さらば与えられん』という教義も、
 解釈しだいでは、甘ったれどもにとって大変都合のよいものです。
 進化論は、こうした人間たちの心理を巧みにとらえた科学、ということがで
 きましょう。
 それはまさに『超能力(習得)』を餌に若者たちを信者獲得していったオウ
 ムのやり方にそっくりです。

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<珍しくもない知恵>

 もし、都会の厳しさでカラスが進化しているのなら、都会のカラスは、自然
 界で暮らすカラスよりも、脳が進化していなければなりませんよね。
 でも、そんなことを示す科学的なデータが存在するのでしょうか?

 それ以前に、都会のカラスの行動は、本当に賢さを証明するものなのか?、
 という疑問がわいてきます。

 たとえば、鳥が、ハンガーなどの針金を使って巣を作ったりすると、人間た
 ちは「賢い!」と感心・感動します。
 でも、ひょっとしたら、単に、手に入るものを利用しているだけなのかもし
 れませんよ。
 こうした行動は、虫などにも見られるもので、別に珍しいことではありませ
 ん。

 都会のカラスの賢さを証明するというその他の行動も、ひょっとしたら、自
 然界では珍しくないことなのかもしれませんよ。
 単に、人間がそれを知らないだけなのかもしれません。
 だとすれば、彼らの主張は、あまりにもオタク的(引きこもり的)としか言
 いようがありませんよね。

 賢さをネタに進化論を説く前に、まず、『賢さ』というものの客観的な基準
 をきちんと示すべきです。

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<どうして判断できたのか?>

 仮に、カラスが賢く、それが脳の進化によるものだとしましょう。
 また、生き残るために必要となれば、進化が実現する、という教義も受け入れ
 ることにしましょう。
 でも、そうなると、ある重大な問題にぶち当たるはずです。
 それは、
 『カラスは、どうして、生き残るためには脳を進化させる必要がある、と判
  断できたのか?』
 という疑問です。

 カラス進化論者たちに言わせれば、カラスは特徴のない鳥だから、生き残る
 ために脳を進化させなければならなかった、ということですよね。
 でも、いくらカラスが賢いとはいえ、そんな判断ができるのでしょうか?
 否、カラスの祖先が、(今の)カラスよりも脳が未進化だったことを考える
 と、これはますますもって奇妙です。
 そんな判断ができたのは、神様ぐらいじゃなかったのか?、と…。

 ある種の宗教によれば、悪魔は神に次いで賢い、と言います。
 その悪魔のイメージのカラーといえば、カラスと同じ、まさに黒!
 カラス進化論者たちが上記のような疑問を抱かないのは、そうした宗教的概
 念を、科学(生物学)の中に持ち込んでいるからではないでしょうか?

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<あっち立てれば、こっち立たず>

 なぜ、カラスは、脳を進化させたのでしょう?
 なぜ、(生き残るために必要な)その他の機能(たとえば水に潜る機能)を
 進化させなかったのでしょう?
 進化させられなかったから?
 ならば、その理由は?
 脳は進化できるのに、どうして、それ以外は進化できないのでしょう?
 それって、脳以外の進化はあり得ないことの根拠になってしまうのでは?

 一つの問題は説明できても、複数の問題は説明できない。
 一つの種の問題は説明できても、複数の種、生物界全体の問題は説明できな
 い。
 一つのことにとらわれて、他のことをケロッと忘れてしまう。
 進化論とは、こういう人たちになら理解できる科学なのでしょう。
 (都合の悪い問題は、頭の中で自然淘汰されてしまう…)

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<結局、人間を特別扱いする科学>

 カラスが賢いと思うのは、人間がカラスと遭遇することが多いからではない
 でしょうか?
 カラスの賢さばかりが話題になるのは、人間がカラス以外の生き物のことを
 知らないからではないでしょうか?
 生き残るために脳が進化する必要があったというのも、人間だから可能な思
 考ではないでしょうか?
 こうしてみると、進化論者たちは、何事においても、人間の立場からしか見
 ていない(考えていない)ことに気付くと思います。
 「ヒトは特別な存在ではない」と言いながら、ヒトの立場でしか物事を見よ
 う(考えよう)としない。
 進化論とは、そういう科学なのです。

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<ヒトは避けては通れない問題>

 前回から取り上げている記事は、新聞記者という、科学に関しては全くの素
 人が書いたものです。
 しかしながら、その論拠となっているのがプロの科学者の意見であることを
 見落としてはなりません。
 実際、プロの科学者たちの主張も、これと似たり寄ったりなのです。

 加えて、もう一つ、重大な問題があります。
 それは、脳の進化という問題です。
 なぜ、脳ばかりが進化したのか?
 これは、我々人間(=ヒト)にとっても無視できない問題のはずです。
 進化論がこの問題から逃げることになれば、それは、我々自身の存在を否定
 することになります…よね。
                         (次回に続く…)

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発行者   : media
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