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『科学』という思想信条 vol.38
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当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜37、及び、旧メル
マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
めします。
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<『進化』という言葉(その6)>
三回の予定のはずが、結局、六回になってしまい、申し訳ありません。
本音を明かすと、あと二回ほど欲しいところなのですが、何とか今回で終わ
らせます。(そのかわり今回は分量が多目です。ゴメンナサイ m(..)m )
さて、「進化」という言葉が、これほどまでに乱用される理由の一つには、
この言葉の定義が曖昧であることがあげられると思います。
だとすれば、この言葉を乱用する人たちは、何らかの意図があって、そんな
ことをするのだろうと推測できます。
今回は、そのあたりを探ってみたいと思います。
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<いい加減なオジサンたちが喜ぶ言葉>
「進化」という言葉は、様々な言葉の代わりとして乱用されています。
ただの「変化」の意味でも使われていますね。
でも、その他に、前回も述べたように、「変更」の意味で使われることがあ
ります。
こういう言葉の使い方を喜んでいるのが、仕事のいい加減なオジサンたちで
す。
何しろ、彼らは、言うことがコロコロ変わります。
上司がこういうオジサンである若い社会人の人たちは、大変でしょうね。
仕事の指示がコロコロ変わるのですから。
これでは仕事になりません。
「てめーっ、ええ加減にせい!」とキレたくなる気持ち、よくわかります。
言うことがコロコロ変わるのは、大抵、後になって不備に気付くからです。
では、なぜ、後になって不備に気付くのかというと、
(1)設計や計画がずさんだった(手を抜いた、考えが甘かった、もとも
と設計能力が無かった…)
(2)顧客等とコミュニケーションをとらなかったために、注文や要求等
を正確に把握していなかった
(3)部下や他の部門とのコミュニケーションをとらなかったために、指
示が誤って伝わっていた、あるいは、全然伝わっていなかった
というのがほとんどです。
まあ、要するに、いい加減な仕事をしているから、後になってヤバイことに
なり、変更せざるを得なくなるわけなのですよね。
こういうオジサンたちにとって、「進化」という言葉が「変更」の意味で使
われることは、非常に都合のいいことでしょう。
なぜなら、いい加減さゆえの変更も、「進化」と信じ込ませることができる
のですから。
(その点では、三回と言いながら六回もやっている私も、人のことは言えま
せんけどね。でも、それを「進化」などとほざいたりはしませんよ。)
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<検証不可能化を正当化・審美化する言葉>
学者(科学者)にも、言うことがコロコロ変わるオジサンたちがいます。
真偽・正否はともかく、まともな科学理論は、何らかの予言をします。
だからこそ、検証が可能なのです。
そこで、もし、実験や観測の結果が、予言と食い違っていたら、どうでしょ
う?
まともな科学者なら、その理論が間違っているか、さもなければ、欠陥があ
る、と判断しますよね。
でも、信者たちは「間違い」とは絶対に認めたくない!
そこで、その理論の欠陥を埋めるような都合のいい仮説をでっち上げます。
こうして、自分たちの理論の権威が守られることになるわけです。
でも、これは、検証不可能にする行為ですよね。
その仮説がでっち上げられる前は、得られた結果は、その理論を反証するも
のであったはず…
ですから、このような行為は、『反証するもの』を『反証するものではない
もの』に「変更」してしまう行為です。(∴言うことがコロコロ変わる)
こんな勝手な「変更」が安易に許されていいのでしょうか?
否、信者たちの間では許されるのです。
なぜなら、こうした「変更」は、理論の「進化!!」だからです。
こういう話術・論法は、宇宙論者や素粒子理論家とかがよく用います。
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<進化とソフトウェアと文系人間>
さて、意外なのが、文系人間たちとの関連です。
進化論を批判すると、それにヒステリを起こす人たちがいるのですが、おも
しろいのは、その多くが『文系』の人たちであることです。
一方、「進化」という宣伝文句を最も多用する業界が『ソフトウェア業界』
なのです。
そして、おもしろいことに、この業界の技術者には文系人間が多いのです。
これは単なる偶然の一致でしょうか?
昔、生産業の主役、すなわち、技術者は、多くが理工系の人たちでした。
もちろん、文系の社員もいましたが、ほとんどは事務か営業で、しかも彼ら
の多くは、同じ文系人間でも、理屈より「笑顔と体力」で勝負する人たちで
した。
そのせいか、生産業で「進化」などという思想オタク的な言葉が宣伝文句と
して使われることは希でした。
ところがソフトウェアという業界が、この常識を覆したのです。
この分野の技術者には、文系の人が非常に多いのです。
そして、「進化」という宣伝文句を多用し始めたのも、まさにこの業界。
これは単なる偶然でしょうか?
文系の学部・学科には設計演習などが無いせいか、文系出身のソフトウェア
技術者には、設計能力に問題のある人材が少なくありません。
もちろん、本人がそのことに気付き努力すれば、全く問題はないのですが…
いつまで経っても目覚めないオジサンたちがいるのです。
そのため、上で述べたような、仕事の指示がコロコロ変わるオジサンたちが
少なくないのです。
しかも、そういう連中に限って「進化、進化」と…
ちなみに、ソフトウェアで一番ほら吹きなのが『翻訳ソフト』です。
最も文系的なソフトだと思うのですが…
パッケージには、あたかも「当社の製品は、他社の製品と違って、訳が完璧
です」と言わんばかりのことが書いてあるのですけど、実際購入して使って
みると、訳がまるっきりチンプンカンプン!
おまけに新商品が出るたびに「さらに進化した」なんて書いてあるのですけ
ど、例文以外はやっぱりダメ!
まあ、これぐらいのハッタリ屋でもない限り、「進化」なんて宣伝文句は使
えない、ということでしょう。
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<お受験エリートと進化>
ところで、「進化」という言葉は、「その人にとってショッキングな変化」
という意味でも用いられます。
前回の『進化と老化』での話も、その一例です。
それとは別の例がありまして、それは『お受験エリート』たちによく見られ
現象です。
エリートと呼ばれる人たちは世の中には沢山いますが、はたして、本当に自
分で努力してきた人は、どれだけいるのでしょうか?
ほとんどは、
(1)塾や家庭教師など、受験産業のお世話になった
(2)先輩とかから、過去問や、レポートの模範例などをもらった
(3)友達などから、有利になる情報を仕入れた
という人たちではないでしょうか?
こういう人たちは、本当に自分で努力してきた人たちとは言えません。
一方、会社の経営者たちは、
「エリートとは、自分で努力してきた人たちだから、まだ誰もやったこと
のない仕事でも、自分でできるはず…」
と思って、エリートたちを採用してしまうのですね。
そこで悲喜劇が起こるわけです。
本当に自分で努力したことのないエリートたちは、マニュアルもなく、誰も
教えてくれないことで、えらくショックを受けます。
もっとも、そこで目覚めてくれればいいのですがね。
そうでない連中がいるわけです。
それで会社を辞めてくれるのなら、まだいいのですけれど…
しぶとく居座る連中が少なくないわけです。
そして、曲がりなりにも仕事をこなす…
その結果、本当に自分で努力したことがなかった彼らは、自分たちの成果を
「進化」などと大げさに評価する…
まあ、結果はどうあれ、ようやく本当に自分で努力するようになったのです
から、彼ら自身は進化(成長)したと言えるのかもしれませんがね。
でも、雇う側からすれば、そんなこと、できて(やって)当たり前ですよ。
そのために、高い給料、払ってやってるんだから!
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<だからエイゴが重要?>
一方、本当は自分で努力したことのない『お受験エリート』の学者たちは、
一体、どうやって、難を乗り切っているのでしょうか?
それは、欧米の論文を読みあさり、最新の情報を手に入れることで達成する
のです。
そうすれば、(少なくとも日本国内では)優越感に浸っていられます。
だからこそ、英語(力)が不可欠!、というわけですね。
また、こういう人たちは、欧米人の学者の意見しか認めません。
それ故、欧米での流行に振り回されます。
彼らにとって、それはすごい変化=進化なのです。
ある種の学者たちの姿を見れば、思わずニヤリとしたくなるでしょう?
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<マザコンのごとく…>
お受験エリートに関連する話として、もう一つ。
「進化(シンカ)」という言葉には、「進(シン)」という漢字が使われて
いますね。
この漢字が用いられている言葉には、この他に、「進学(シンガク)」とか
「進路(シンロ)」というのがあります。
どちらも、お受験エリートには、畏れ多い言葉ですよね。
だとすれば、言葉の響き・字面の類似性から、「進化」という言葉に強いコ
ンプレックスを抱く(支配される)ことがあっても、不思議ではないでしょ
う。
まるでマザコンのように…
ちなみに、お受験世代の最も古い世代は、とっくに50歳を過ぎています。
となれば、後は説明不要だと思います。
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<ウケるのにはワケがある!>
文系の人でなくても、「進化」と言うと、何か科学通にでもなった気分にな
れるのかもしれません。
でも、傍目からみれば、かえって科学コンプレックスのあらわれのようでも
あります。
ですから、もうそろそろやめた方がいいのではないのかと…
いずれにせよ、言葉がウケるのには、必ず理由があるのです。
そして、言葉を媒体にして、『科学』と『社会』とが互いに影響を及ぼし合
うものなのです。
言葉の影響力を軽く見てはいけません。
『利己的な遺伝子』なんて、そのよい例です。
これは提唱であって証明ではなかったのですが、証明と勘違いしてしまった
人たちが山ほどいて…
世の中、言葉一つで、結果は激変します。
学説のウケも、決して例外ではないのです。
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≪お詫び≫
最近、発行周期が長くなってしまって、すみません。
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発行者 : media
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