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           『科学』という思想信条 vol.37

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜36、及び、旧メル
 マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
 めします。

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<『進化』という言葉(その5)>

 「三回の予定」と言いながら、回数が大幅にオーバーしてしまって、申し訳
 ありません。
 今回を含めて、あと二回だけ、お付き合い願います。

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<当たらないから進化!?>

 前々回と前回、進化と予言の関係について述べました。
 進化という考えに基づいて予言を行うのは、無謀な行為です。
 でも、懲りない予言者たちが、世の中には沢山います。
 なぜ、そんなに進化という概念に魅せられるのでしょうか?

 以前も述べたように、予測され得るような変化は、進化とは言われません。
 予測され得なかったような大変化が、進化と言われるわけです。

 そこで、予言者たちは、それをいいことに、こう言い訳するわけです。

 「そう、誰もこんな変化は予言できなかった。それほどすごい変化だから
  こそ、これは進化なのだ!」と。

 当たらなければ、当たらないで、また宣伝ができる…
 これが、予言者たちが進化に魅せられる理由なのです。

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<進化と老化>

 ところで、変化の速さが速くなってくると、人間は、それを追っていくこと
 が困難になってきます。
 それ故、そのような変化は「不連続なもの」と感じるようになります。
 ですから、それを「進化」と表現したくなるのは、別に異常なことではあり
 ません。

 とはいえ、『速さ』に対する評価というものは、極めて感覚的で主観的なと
 ころがあります。
 つまり、ある人にとっては「速い」と思える速さでも、別の人には「速くな
 い」とか「遅い」と感じる場合があります。

 そこで気付いてほしいのが、人間、年を取ると、だんだん、スピードについ
 ていけなくなってくることです。
 そのために、世の中の変化が、ものすごく速く感じるようになってきます。
 若い人たちには、それほどでもないことでも…。

 となれば、年を取った人たちが、なんでも、かんでも、「進化」と呼びたく
 なる気持ちも、理解できるでしょう。
 そう、年輩の人たちが何でも「進化」と呼びたがるのは、実は、一種の老化
 現象なのです。
 つまり、彼らも年を取った、ということです。
 やはり、年には勝てません。

 それならそれで、明治世代の人たちのように、新しいものを頑固に拒む、と
 いう態度に出てくれれば、まだ可愛いのですがね。
 革新世代としてのプライドが、それを許さないのでしょう。
 そこで、「これは進化なのだ」と大げさに持ち上げることで、自分たちの老
 い耄れぶりを、必死になって隠そうとするわけです。

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<ソフトウェアと進化>

 一方、実際に変化が速い分野があることも事実です。
 たとえば、コンピューターのソフトウェア。
 苦労して身につけた知識が、あっという間に時代遅れになってしまい、つい
 ていくのが大変ですね。
 だから、若い人でも、つい「進化」と呼びたくなる…。

 しかしながら、その実体は「進化」と呼べるようなものではありません。

 この分野での変化のほとんどは、主要メーカーの都合による『流儀の変更』
 にすぎません。
 つまり、一部のメーカーの気まぐれに、他のメーカー、及び、利用者が振り
 回されているわけです。

 もちろん、機能や性能が向上している場合もありますが、それは、ハードウ
 ェア(の充実)によるところが大です。

 もっとも、まれに、そうでないものもあるようですがね。
 でも、この手のものは、よくよく調べると、非公式(≒反則的)な処理(≒
 禁じ手)を用いているものがほとんど。
 このため、機種や環境によっては、まともに動かないことも…。

 こういうことを知らないと、「進化」という宣伝文句に踊らされることにな
 ります。

 (そういえば、「進化、進化」と宣伝する某ソフトウェア会社の発行するメ
  ルマガに、半角の『・』が使われていたことがありましたよ。これは一体
  何を意味するのやら…)

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<ハイテクと進化>

 「進化」なんて騒がれているものの多くは、単なる流行の変化です。
 人間は、飽きやすく、また、欲深い。
 だから、流行がコロコロ変わるは、当たり前。
 そんなものを「進化」と呼ぶのはどうか?、と思います。

 確かに、技術は『進歩』を遂げています。
 しかし、それは、決して不連続な変化=進化ではありません。

 技術の進歩なんてものは、実質、カネとマンパワーによるものです。
 実際、「ハイテク」とか「先端技術」というものには、たとえば、「理論は
 何十年も前に提唱されていた」といったものが、少なくありません。
 ただ、カネやマンパワーが得られないために、開発がなかなか進まない。
 それが、ひとたび、注目を浴びるようになると、カネとマンパワーが大量に
 注ぎ込まれることになる。
 そこで、開発が一気に進み、急激な進歩を遂げる。
 そして、今まで日の当たらなかった技術が、急に、晴れの舞台に登場してく
 る…。

 こうした事情を良く知らない人たちには、それが不連続な変化、すなわち、
 「進化」に見えてしまうわけです。

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<瞬間移動?>

 もう一つ、技術の進歩に関して、重要なことがあります。
 それは、一見、ひとつに見える革新的な『大進歩』(*)というものも、実
 は、多数の、地道な開発による『小進歩』(*)の『積み重ね』または『組
 み合わせ』であることです。
 (注:*は私が勝手につくった造語です。)
 小進歩のうちのどれか一つでも欠けていれば、革新的な大進歩などというも
 のは実現し得なかったのです。
 しかも、これらの小進歩は、互いに異分野の人たちによってもたらされるこ
 とが少なくありません。
 新技術の正体とは、そういうものです。
 ですから、その一つ一つの過程は、決して不連続なものではないのです。

 ところが、こうした事情を知らない人たちは、公開された結果だけしか見な
 いので、それを不連続なものと思い込み、「進化、進化」と騒ぎ立てること
 になるわけです。

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≪超余談…進化するドラマ≫

 ところで、進化論を盛んにヨイショする某TV局が、朝ドラを一話分すっ飛
 ばして放送してしまったとか。
 なるほど、これは確かに「進化」と呼べるかもしれない…( ̄▽ ̄)

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発行者   : media
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