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           『科学』という思想信条 vol.33

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
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<『進化』という言葉(その1)>

 近年、いたるところで「進化」という言葉が溢れています。
 なぜなのでしょうか?
 進化論なんて、学会ではもちろん、教科書においてさえ、ずっと前から定説
 とされてますよね。
 なのに、なぜ、今更、「進化、進化」と熱狂するのでしょうか?
 それも、生物学とは全然関係のない分野においてまで…。

 それは、『進化』という言葉に、現代日本人を夢中にさせる要素があるから
 ではないでしょうか?

 そこで、今回から三回の予定で、「進化」という言葉の魅力の秘密を探って
 みようと思います。
 自然科学そのもの話からは遠ざかってしまいますが、案外、こういうことが
 科学の行方を左右してしまうものなのです。
 なにしろ、科学者たちの生活費や研究費を稼いでいるのは、文系の人たちを
 含む一般人であり、そうした人たちの嗜好が、科学にとって大きな社会的圧
 力になってくる、というのが現実です。

 人気の裏側に潜むオカルト的要素(=隠れオカルティズム)に迫ってみまし
 ょう。

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<「進化」って、どういう意味の言葉?>

 文字面を見ればおわかりのように、「進化」という言葉(熟語)には「化」
 という文字が含まれています。
 この「化」という漢字には、「カ」という読み方のほかに、「ゲ」という読
 み方もあります。
 たとえば、「変化」という言葉には、「ヘンカ」という読みのほかに、「ヘ
 ンゲ」という読みがありますね。(意味は少し違ってきますが…)

 そこで、「進化」という言葉を「シンゲ」と読むのはどうでしょう?

 少なくとも進化論者たちは、こんな読みを絶対に認めないでしょうね。
 なぜなら、「ヘンゲ」という言葉のイメージからもわかるように、「化」の
 字を「ゲ」と読むと、科学的な感じが出ません。(オカルト臭くなる)
 それに、「シンゲ」などと読むと「ジンジロゲ」みたいで、権威が全く感じ
 られなくなってしまいます。

 このように、科学の用語でも、語感が大切になってくるのです。

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<「シン」という響きに弱い現代日本人>

 そこで問題になってくるのが、「シンカ」という言葉の響きです。
 特に重要なのが、「シン」という音です。
 実は、この「シン」という音が、日本人、特に隠れオカルティストの多い現
 代日本人に、非常にウケが良いのです!

 ここで、「シン」という音の漢字には、どういうものがあるか?、考えてみ
 ましょう。

 まず、(言うまでもなく)「進」というのがありますね。
 曖昧な言い方になりますが、これは「進む」という、プラスの意味あいの言
 葉です。

 他には、どんなのがあるでしょうか?

 たとえば、「新」なんてのはどうでしょう?

 「真」なんてのもありますね。
 「真偽」、「真実」、「真相」、「真理」、…
 そして、「真価」なんて熟語があります。(これなんか、モロですね。)

 「芯」は、中心という意味。

 「身」は、なかみ。

 「伸」は「のびる」という意味。

 「心」には、「核心」という言葉。

 「深」には、「深淵」、「深意」、そして「深化」。

 「慎」は慎み、「慎重」。

 「紳」は、身分の高い人。

 「審」は、くわしい、または、あきらかにするの意。

 いかがでしょう?
 メジャーな感じのする言葉がずらりと並んでいる、と思いませんか?

 そうなんです!

 これが「シン」という音が日本人に与える心理的効果なのです。
 日本人は「シン」という響きに弱いのですね。(「震撼」させられる?)

 こうしてみると、なぜ、「シン化」という言葉がバカウケするかがわかるで
 しょう。
 なにしろ、世は感覚の時代!
 やはり、科学でも、ウケるために語感が重要なのです。
 言葉の音と、そこからイメージ(あるいは連想)されるものが…。

 そういうことなら、まだまだ、すごいのがありますよ。

 たとえば、「信」。
 これには、「信用」、「信頼」という言葉があります。
 でも、「信仰」、「信条」なんてのもあるのですよね。
 ぅ〜ん。

 そして、極めつけは、「神」!
 これは、もう、説明不要でしょう。
 (「神火」とか「神歌」って言葉、知ってます?)

 そう、世にはばかる隠れオカルティストたちにとって、「進化」は、まさに
 「神化」なのです!
 (1.神が万物を感化し育てること
  2.不思議な変化
  3.神となること。神とすること。「神格化」なんて言葉もある!)

 進化って、そんなに「神」秘的?

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発行者   : media
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