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           『科学』という思想信条 vol.30

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 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜29、及び、旧メル
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 なお、今回は図があるので、等幅フォントで御覧下さい。

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<不連続と類似性>

 不連続なものを、連続的な繋がりのあるものだと信じ込ませるのに有効な切
 り札となるのが『類似性』でしょう。
 しかし、類似性は、どこまで当てになるのでしょうか?

 そこで、次のような問題を考えてみましょう。
 ここに、以下のような横長の四枚の写真(だと思って下さい)があったとし
 ます。

 ┏━━━━┓
 ┃○   ┃  (A)
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃ ○  ┃  (B)
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃  ○ ┃  (C)
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃   ○┃  (D)
 ┗━━━━┛

 さて、問題は、これら四枚の写真を、どう解釈するか?、です。

 まず一つには、A、B、C、Dの順に並べて、「これは、物体○が、一定の
 速さで、右向きに移動していく様子を撮ったものだ」という解釈が可能でし
 ょう。
 これは、物体○の位置の類似性を根拠にしたものです。
 でも、本当に、物体○は、そのような運動をしたのでしょうか?

 これだけでは、わかりませんよね。
 ひょっとしたら、A、C、B、Dと運動したかもしれません。
 あるいは、B、D、C、Aだったかもしれません。
 物体○が、どのように運動したかなんて、この四枚の写真だけからは判断で
 きないはずです。

 もしかすると、物体は運動しなかったのかもしれませんよ。
 同じ物体○を、異なる場所にあった四台のカメラから、同時に撮影したもの
 かもしれません。

 さらに、こんな解釈も可能です。

 ┌────┐
 │    │ カメラの視界
 └────┘
  ↑
  ○
   ↑
   ○
    ↑
    ○
     ↑
     ○

 これは、四つの物体○が、代わる代わる視界の中に入っては出ていく、とい
 うものです。
 つまり、上の四枚の写真は、同じ形をした四個の物体を撮ったもの、という
 ことです。

 もちろん、これとは別に、静止している四つの○を別々に撮影したもの、と
 いう解釈も成り立ちます。

 いかがでしょう?
 これだけいろんな解釈が可能であるとなると、類似性は決め手にはなりませ
 んね。

 上の問題では、物体が、どれも同じ形の○だったから、まだ、いいようなも
 のです。
 もし、こんな写真だったら、どうでしょうか?

 ┏━━━━┓
 ┃○   ┃  (A')
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃ ◎  ┃  (B')
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃  ● ┃  (C')
 ┗━━━━┛

 ┏━━━━┓
 ┃   ■┃  (D')
 ┗━━━━┛

 ○と◎、◎と●、●と■は、姿が似ていますよね。
 そこで、一つの物体が○→◎→●→■と姿を変えながら右に移動したと解釈
 しますか?
 それとも、全然、別の物体を撮影したものだと解釈しますか?

 もしかすると、カメラマンは、物体が変化するものであることを信じ込ませ
 ようとして、わざと、こんな構図の写真を撮ったのかもしれませんよ。
 まして、これが、人間の描いた図となれば…

 こうしてみると、やはり、類似性は決め手にはならないことがわかるでしょ
 う。

 だとすれば、それは、生物学にも言えることではないでしょうか?

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<錬金術的ロマン>

 物理(力学、運動学)のお次は、化学の話をしましょう。

 窒素と酸素の原子番号は、それぞれ7と8で、似ていますよね。
 でも、『窒素⇔酸素』なんて化学変化は、少なくとも地上の世界で、自然現
 象としては、まず起こらない現象です。

 ネオンとアルゴンは、どうでしょうか?
 どちらも0族、不活性ガス(希ガス)で、似てますが、やはり、『Ne⇔Ar』
 なんて変化は、地上世界では、まず、お目にかかれない変化です。

 水素とヘリウムは、どうでしょうか?
 原子番号が1と2、どちらも軽いガスで、よく似ていますね。
 そして、『水素⇒ヘリウム』という変化も、核融合によって実現します。
 これは、人工的にも可能ですし、自然界でも太陽のような恒星で見られると
 されています。(異論を唱えている人もいるようですが…)
 とはいえ、やはり、地上世界で自然現象としては、見ることができません。
 そういえば、一頃、『常温核融合』というのが話題になったことがありまし
 たけど…。

 このように、二つの物質が似ているからといって、必ずしも、一方から他方
 へ変化出来るというものではないのです。

 それでは、進化論者たちが主張している物質の変化は、どうでしょうか?
 彼らが取り扱うのは、DNAなどのように、分子レベルでの話でしょうが、
 化学変化であることにかわりはありません。
 彼らの主張する化学変化は、本当に起こり得るものなのでしょうか?
 それも、生体内という、より限定された条件のもとで…

 不思議なことに、こうした観点からの議論は、ほとんど行われていないよう
 に思います。
 もし、彼らの主張する化学変化が、生体内では起こり得ないようなものだっ
 たとしたら…
 進化論は、まさしく『錬金術的ロマン』だったと言えるでしょう。

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<超常現象…あなたは信じますか?>

 ある条件の下で、その変化=現象が起こり得るか?否か?
 それを判断する決め手となるのが、物理や化学の『法則』ではないでしょう
 か?
 UFO論争でも、物理学の法則に反するという観点から批判する人たちがい
 ますよね。
 これに対し、進化論論争では、こうした観点からの議論がほとんど行われて
 いないように思います。

 特に問題に思われるのは、進化論者たちが、『進化』を『現象』という観点
 から論じようとしないことです。
 彼らは、静的なデータの解釈にばかり、情熱を注いでいます。
 進化は現象なのですから、動的な観点から議論されるべきでしょう。
 それとも、現象として議論すると、まずいことでもあるのでしょうか?

 いつだったか、あるTV番組で、ロシアの超能力者が、超能力を披露しよう
 として失敗した…というのがありました。
 たとえ超能力の存在を信じる人でも、その現象を見せてくれないことには、
 彼の超能力を信じることは出来ませんよね。
 彼は、「パワーが足りない」とか「日本の風土が合わない」とか言い訳して
 ましたけど…

 では、『進化』という現象は、どうでしょうか?
 進化という現象を見たことがありますか?
 「時間が足りない」ですか?
 「進化する環境にない」ですか?

 進化論が『超常現象的ロマン』に終わらないことを祈りましょう。

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発行者   : media
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