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           『科学』という思想信条 vol.29

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜28、及び、旧メル
 マガ『隠れオカルティズム』のvol.3〜14を、まず御覧になることをおすす
 めします。

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<線の引き方>

 前回は中途半端なところで話が終わってしまいました。
 が、言わんとしたことは、おわかりになったと思います。
 つまり、不連続なものを、線を引いて連続的なものにする際、どのように線
 を引くのかが問題になってくるのです。
 線の引き方を決定できるのは、最初から(理想的な)結果がわかっているか
 らできることであって、それがわからなければできないことなのです。
 そして、まったく同じことが、生物間に引かれる線、すなわち、系統樹(の
 線)にも言えるのです。

 さて、複数のものを線で結ぶのには、二種類の方法が考えられます。
 一つは、下図のような『直列つなぎ』です。

  A──B──C

 そして、もう一つは、下図のような『並列つなぎ』です。(等幅フォントで
 御覧下さい。)

    ┌─A…
  ──┴──┬────C
       └─B…

 そこで、A、B、Cを生物とし、横軸に時間をとってみます。
 すると、『直列つなぎ』では、AはBの、そしてBはCの、直接的な祖先と
 言うことができます。
 これに対し、『並列つなぎ』では、直接的な祖先とは言えません。
 『並列つなぎ』の図では、直接的な祖先は描かれていないのです。
 そこで、これをうまく利用すると、人を惑わすことができるのです。

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<欠陥をごまかすテクニック>

 それは何かというと、類似性の問題です。
 ダーウィン進化論では、祖先であるか?否か?を判断する決め手は、類似性
 にあります。

 そこで、たとえば、上で示したAとBを例にとってみましょう。
 この両者において、あらゆる面で類似性が見られればメデタシメデタシなの
 ですが、大抵は、別の生物ゆえ、どうしても似ていない部分が見つかってし
 まうものです。
 これでは、AとBを『直列つなぎ』にするわけにはいきません。

  A─×─B

 そして、そうなると、Bの祖先が見つからないことになってしまいます。

 そこで、Bよりも古く、しかも、ある程度、類似性が見られるAというもの
 を、間接的な祖先と決めつけ、それをもっともらしく見せるために、下図の
 ような『並列つなぎ(=枝分かれ)』の図を描くわけです。

    ┌─A…
  ──┴────B

 こうすれば、Bの直接的な祖先が見つからなくてもよくなるわけです。

 このテクニックは、類似性という条件が十分に満たされなくても、AがBの
 間接的な祖先である、と人に信じ込ませることを可能にしてくれます。
 つまり、AとBとがそれほど似ていなくても、「繋がりがある」と思いこま
 せることができるわけです。

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<巨視と微視の組み合わせによるトリック>

 実は、ダーウィン進化論の系統樹では、このテクニックが用いられているの
 です。

 生物間の繋がりと言えば、

    魚類 → 両生類 → は虫類 → 鳥類・ほ乳類

 というのがあります。
 この図を見る限りでは、生物間は『直列つなぎ』で、進化論的に、うまく繋
 がっているように見えます。
 魚類も、両生類も、は虫類も、鳥類・ほ乳類も、全て実在する生物です。
 それ故、進化論はうまくいっているように見えます。

 ところが、これは系統樹を巨視的に見た場合の話なのです。
 実際、系統樹を微視的に見ていくと、『直列つなぎ』ではなく、『並列つな
 ぎ』のところが、いくつもあるのです。

 このように、巨視的には一連なりになっているようでも、微視的に見ると、
 そうでない場合があるのです。
 テレビやコンピューターの画面に表示された『連続的な線』も、拡大してみ
 ると、不連続な点の集まりであることがわかります。
 これは、人間の目の解像度の低さをうまく利用したものと言えます。

 巨視的に見た場合と、微視的に見た場合とでは、見え方が大きく変わること
 が少なくありません。
 ダーウィン進化論では、こうした『巨視』と『微視』の組み合わせによるト
 リックが、巧みに用いられているのです。

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<天動説との共通点>

 理論に都合のいいように線を引く…
 こうしたやり方は、ダーウィン進化論以前にも存在した論法です。
 それは、『周転円』です。
 天動説では、観測事実を理論と合うようにするために、次々と、周転円が書
 き込まれました。
 周転円は、線(閉じた曲線)です。
 こうしてみると、ダーウィン進化論の手法は、天動説のそれと、そっくりで
 あることがわかるしょう。

 まず、怪しげな原理がデッチ上げられる。
 その原理に合うように、事実が解釈される。
 この解釈に基づき、線を引く。
 そして、この線にしたがって物事が推移していく、とする…
 対象(分野)は違っても、やってることは、まるっきり、同じです。

 世間では、ダーウィン進化論は反宗教(=科学)の象徴とされ、天動説は反
 科学(=宗教)の象徴とされるように、両者は正反対のものとみなされてい
 ます。
 まあ、そのような科学教育がなされているわけですから、そう思う人が多い
 のも仕方ありません。
 しかし、今までの話から、それは何とも虚しい思いこみであることが、おわ
 かりいただけたのではないかと思います。
 特に、天動説が、もともと、聖書や、ユダヤの原始キリスト教にあったもの
 ではなかった…ということを知ってしまうと、虚しさはさらに倍増すること
 でしょう。

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発行者   : media
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