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           『科学』という思想信条 vol.26

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜25、及び、旧メル
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<星座の科学>

 みなさんは星座に関心がありますか?
 星座は、星々を線で結び、それを骨格にして肉付けし、
 「これは○○の姿に似ているから、○○座だ!」
 と決めつけるのですね。
 でも、星と星とを結びつける規則は、どういうものなのでしょうか?
 そして、その意義や論拠とは?
 星と星との結びつけにしろ、肉付けにしろ、全く恣意的なものですよね。
 ならば、なぜ、人間は、そんなことをしたがるのでしょうか?

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<星座を理解できる能力>

 そもそも、人間はなぜ、散り散りの星の配列に、雄牛やら、蟹やらを見いだ
 すことができるのでしょうか?

 一つには、前回も述べたように、人間には『中間を補完(補間)する能力』
 があるからです。

 しかし、それ以上に重要なのは、人間には『中間を補完(補間)したがる習
 性』があることです。
 つまり、人間という生き物は、散り散りのものを組み合わせたり、結びつけ
 たりしたがる生き物なのです。

 小さい頃、積み木とか、ブロック、レゴ、プラレール…といったおもちゃで
 遊んだ記憶はありませんか?
 子供向けの雑誌などに、点と点を結んで動物とかが現れるゲームが載ってた
 りしますよね。

 後天的なものなのか、それとも先天的なものなのかはわかりませんが、ほと
 んどの人には、そういう習性があるのです。
 だからこそ、『星座』というものが理解できるのです。

 そこで、もし、そうした習性が暴走したとしたら…
 人間は、なんでも、かんでも、見境なく結びつけようとするでしょう。
 そして、そんなことが生物学の分野で起こったとしたら…

 もう、説明の必要はありませんね。

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<中間は不要>

 ところで、人間の星座に対するこだわりは、いくつか重要なことを教えてく
 れます。

 一つには、星と星とを結ぶ線は星ではない、ということです。
 これは、星でないもので間を補完(補間)しても気にならない、ということ
 です。
 つまり、中間に星が無くても、星々の結びつきをイメージできるのです。

 このように、人間は、中間のものが実在しなくても、連続的な繋がりという
 ものを認識することができるものなのです。
 繋がりを信じる人たちにとって、中間のものが存在しないことなど、大して
 重要ではありません。

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<星座と類似性>

 もう一つには、星座と類似性の関連です。

 星々の結びつけ・肉付けの根拠になっているのは、その結果得られる姿を、
 雄牛や蟹など、人間にとって馴染みのあるものに似せようとする、人間の意
 志や意図や願望ではないでしょうか?
 実際、星座の中には、あまり似ていないものもありますよね。
 傍目から見れば、かなり無理がある類似性でも、強引に押し通してしまいま
 す。
 星座は、まさに、こうした人間の『類似性』志向の現れと言えます。

 もっとも、こんなことを言うと、
 「雄牛や蟹などと似せることで(天空において)発見しやすくなる、とい
  う利点があるのだ!」
 という反論があるかもしれません。
 しかし、このことは、人間にとって馴染みのあるものに『類似する』ものは
 見つけやすい、ということを意味します。
 逆に言うと、馴染みのあるものに『類似しない』ものは、認識できないとい
 うことです。
 したがって、この点からも、人間の『類似性』志向との関連は否定できない
 でしょう。

 ちなみに、このような人間的なものが重きをなしてくると、人間にとって馴
 染みのあるものに『類似する』ものだけが、価値あるものとして認められる
 ことになります。
 それ故、そうした『類似性』ばかりが重要視されることになります。
 こんな状況で、革新的な大発見など、あり得るはずがありません。

 いずれにせよ、『星座』という文化が、人間の『類似性』志向を示すもので
 あることは明白です。
 したがって、類似性に訴える進化論が、あの種の人たちの間でバカウケする
 のも、別に不思議なことではないのです。

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<星座とオカルト>

 『星座』という奇妙な概念は、海の向こうからきたものです。
 こうした文化があったからこそ、進化論がウケた…ということはないでしょ
 うか?
 御存知のように、星座は、占いなどの神秘主義と深い関係があります。

 もっとも、系統樹は星座というよりはメノラーに近いですね。
 占い好きの女性たちには、メノラーは魅力の無いものかもしれません。
 でも、ユダヤ・オタクのオッチャンたちにとっては、星座なんかよりもずっ
 と魅力的なものなんですよ。

 いずれにせよ、隠れオカルティズムの香りがすることに、かわりはないので
 すが…

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発行者   : media
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