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           『科学』という思想信条 vol.24

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 なお、今回から購読される方は、このメルマガのvol.14〜23、及び、旧メル
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<突然変異と量子力学>

 最近のダーウィン進化論者たちの中には、『遺伝子の突然変異』をネタに進
 化論を正当化しようとする人たちもいます。
 で、その『突然変異』と、イメージ的によく似た学問があります。
 それは『量子力学』です。

 量子力学の世界では、現象はアナログ的に(連続的に、緩やかに)進むので
 はなく、デジタル的に、瞬間的に起こるのですね。
 この様は、まさに『突然変異』にそっくりでしょう。

 御存知の方も多いとは思いますが、量子力学は20世紀に登場した、それま
 での科学とは全く次元の異なる新しい学問です。
 そして、相対論とともに、近代物理学の中枢をなす二本柱の一つです。
 しかも、相対論と違って、(たとえば、エレクトロニクスのような)実用の
 分野においても、その有用性が認められています。
 量子力学は、まさに、科学・技術において、革命をもたらしたと言っても過
 言ではありません。

 したがって、量子力学がそれだけ偉大な科学となれば、それとイメージ的に
 よく似た学問、すなわち、『遺伝子の突然変異』に訴える進化論も、革新的
 で、確かな根拠のある科学である!…と錯覚する人たちがいたとしても、不
 思議ではないでしょう。

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<因果構造の否定>

 量子力学には、非常に興味深い特徴があります。
 それは、因果構造を否定していることです。
 つまり、「なぜ、どのようにして、それが起こるのか?」ということを問わ
 ないのですね。
 したがって、現象が起こるメカニズムなどというものは、量子力学において
 は無意味なのです。
 もっと乱暴な言い方をすると、
 「自然が、そうなっているのだ!」
 と居直る学問なのです。

 実は、この点においても、『遺伝子の突然変異』に訴える進化論は、量子力
 学と全く共通しているのです。
 つまり、それは、
 「遺伝子が、なぜ、どのようにして、突然変異したのか?」
 という因果構造も解明せずに、
 「それは起こる、起こったのだ!」
 と居直る学問なのです。

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<オカルトとの関連>

 量子力学が因果構造を否定するものであるがために、それを批判する科学者
 たちがいたことは事実です。
 驚くべきことに、そうした科学者たちの中には、プランク(エネルギー量子
 化仮説)、アインシュタイン(光量子仮説)、ド・ブロイ(物質の波動論)、
 シュレディンガー(波動方程式)…といった、量子論の基礎を築いた科学者
 も含まれていました。
 彼らは、量子力学を「神秘主義に向かう傾向だ」と非難したのです。
 シュレディンガーの猫のパラドックスは有名です。
 アインシュタインも、死ぬまで量子力学に抵抗し続けました。

 今では、量子力学を批判する科学者は、ごく少数です。
 しかしながら、上記の科学者たちの心配は、ある程度、正しかったと言えま
 す。
 というのは、量子力学は、しばしば、オカルトと結びつくことがあるからで
 す。
 実際、量子力学(の応用分野)では、たとえば、粒子がパッと現れたり、消
 えたり、といった魔術のようなことが起こると言われているのですから…。

 進化論者たちが主張する遺伝子の突然変異という現象も、これと似たような
 ところがあるのではないでしょうか?

 もし、そうなら、進化論は、『まだ見込みのある仮説』から『俗ウケねらい
 のオカルト』に堕落してしまっている…と言われても無理はないはずです。

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<問題の在処をごまかすテクニック>

 量子力学につっこみをかますのは、ここでは避けたいと思います。
 むしろ、指摘したいのは、次の三点です。

 まず、第一に、量子力学は素粒子のような微視的な世界を扱う学問であり、
 それよりスケールの大きい遺伝子(の突然変異)の問題には、量子力学の教
 義(=因果構造の否定)は通用しないことです。

 第二に、量子力学が予言する現象は実験等によって直接確認されているが、
 進化論者たちの主張する遺伝子の突然変異については、全く間接的な情況証
 拠しかない、ということです。
 これがエライ違いであることは、言うまでもないでしょう。

 第三に、これは第一に述べたことと関連があるのですが、遺伝子の突然変異
 が「なぜ、どのようにして起きたのか」ということを説明しなければ、進化
 が起きた原因を説明したことにはならない、ということです。

 この三番目のことは、特に重要です。
 結局のところ、遺伝子の突然変異を盾に進化論の正しさを説く人たちは、
 「進化は、なぜ、どのようにして起こったのか?」
 という肝心の問題の在処を、遺伝子という、人々が疑問を抱かない(抱きに
 くい)ところに移し替えて、問題を解決したかのように見せかけているだけ
 なのです。

 実を言うと、このように、問題の在処を別の場所に移して問題を解決したか
 のように見せかけるテクニック(トリック)は、直接的な検証の困難な分野
 では、ごく当たり前のように用いられているものなのです。

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<念のため…>

 誤解の無いようにお断りしておきますが、遺伝子とか(その)突然変異とい
 ったことに関する学問を批判しているわけでは決してありません。
 そうした学問の誤用、悪用、乱用の可能性を指摘したまでです。
 特にメディアというものは、物事をイメージでとらえようとする傾向が強い
 ため、味噌も糞も一緒にして騒ぎ立てる傾向がある、ということを知ってお
 くべきだと思うのです。

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発行者   : media
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