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           『科学』という思想信条 vol.15

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 前回に引き続き、『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。

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<二元論的宣伝術>

 ダーウィン進化論を取り上げるメディアを見ていて、いつも奇妙に思えるの
 は、『創造論と進化論』というように、創造論と対にして取り上げているこ
 とです。

 これが科学史の本ならば問題ありません。
 ですが、それ以外のメディアでは、これはおかしなことだと言わざるを得ま
 せん。
 なぜなら、ダーウィン進化論のライバルは、創造論だけではないからです。
 生命自然発生論の学説は、何もダーウィン進化論だけではないのです。
 にもかかわらず、多くのメディアは、創造論しか載せないのです。
 なぜか?

 実は、これは、ダーウィン進化論を良く見せるための宣伝術なのです。
 私は、こうした宣伝術のことを、『二元論的宣伝術』と呼んでいます。

 ここで、『二元論的宣伝術』について説明しましょう。

 二元論は1対1の世界です。
 ですから、そこに参加できるのは、2つだけに限定されるのです。
 ということは、対戦相手は一つだけということです。
 これは言い換えれば、対戦相手に選んだもの以外のものは、全て自動的に排
 除されるということです!
 つまり、二元論的宣伝術を用いると、対戦相手が一つに限定でき、他を無視
 することができるようになるのです。

 プロ野球のことを考えてみて下さい。
 日本シリーズになると、2位以下の10チームは、参戦できませんよね。
 たとえ、後半戦でどんなに調子が良かったチームでも、無視されてしまうわ
 けです。

 二元論的宣伝術も、これと同じです。
 唯一異なるのは、プロ野球の場合は、実力や実績によって2チームが決まる
 のに対し、二元論的宣伝術では、それを用いる人間によって2者が選ばれる
 ことです!
 したがって、故意に弱いヤツを相手に選んでしまえばいいわけです。

 それでは、ダーウィン進化論の場合を見てみましょう。
 二つある席のうち、一つはダーウィン進化論に与えられるのですから、残り
 は一つだけです。
 そこで進化論信者たちは、相手に『創造論』を選ぶわけです。
 こうすることによって、ダーウィン進化論以外の全ての学説が、全て排除さ
 れてしまうのです。
 どうです、うまいやり方でしょう。
 こうして、進化論信者たちは、戦わずして、ライバル理論を潰すことに成功
 するわけです。

 しかも、対戦相手に選ぶのは、科学からはおよそイメージの遠い『創造論』
 (失礼!)ですから、多くの人は「科学と言えるのは進化論だけだ」と錯覚
 してしまうのです。

 さらに気付いて欲しいのは、『創造論と進化論』というように、創造論を先
 に立てていることです。
 英語では、"I and you"とは言わず、"You and I"と、相手を先に立てて言い
 ますよね。
 つまり、創造論を立てることによって、他の学説の出てこれる機会を封じ込
 めているのです。
 まったく、なんて賢い人たちなのでしょう!

 このように、二元論的宣伝術は、対案や異説・異論を、労せずして潰すこと
 のできる、最高の宣伝術なのです。

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<他の分野での応用例>

 さて、二元論的宣伝術は、他の分野でも用いられています。

 たとえば、宇宙論の分野においてです。
 そこでは、『ビッグバン理論』と『定常宇宙論』が対になって取り上げられ
 ます。
 このおかげで、他のすばらしい学説、たとえば、『プラズマ宇宙論』などが
 かき消されてしまうのです。
 否、定常宇宙論の新バージョン、『新・定常宇宙論』さえも、出番を奪われ
 てしまうのです。
 お気付きのように、この場合も、すでに敗北している旧バージョンの定常宇
 宙論が対戦相手に選ばれているのです。
 これは不公平な話ですよね。

 いかがですか?
 これが、誰かさんたちの言う『正統科学』のやり方なのです。

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<カルト化する科学>

 二元論的宣伝術の威力は絶大です。
 事実、驚くほど多くの人たちが、この宣伝術に惑わされています。
 彼らは、定説以外の学説を知らないし、また、知ろうともしません。
 まして理解など論外。
 また、自ら新説を考案することもしません。

 これを『思考の停止』と言わずにいられるでしょうか?

 そればかりではありません。
 彼らは、定説に疑問を抱いたり、異説を唱えたりする人を見つけると、力の
 限り潰しにかかります。
 もちろん、科学の名において…。

 つまり、彼らは、他の(別の)可能性を考えようとしないのです。
 これでは、ただのカルトですよね。

 気の毒なことに、彼らは、自分たちが宣伝に誘導されていることに、全く気
 付いていないのです。

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発行者   : media
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