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           『科学』という思想信条 vol.14

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 当メルマガを購読していただき、ありがとうございます。
 今回から『ダーウィン進化論』について取り上げようと思います。
 以前発行していたメルマガ『隠れオカルティズム vol.14 』の続きとしてお
 読みいただくとよろしいかと存じます。
 (→ http://isweb23.infoseek.co.jp/school/mediax/mm2/bn.htm )

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<隠された前提>

 科学には、必ず前提となるものがあります。
 それを知らずに用いると、信じられないような間違い(たとえば、符号やオ
 ーダーの狂った計算結果を平気で出す…など)を犯すことがあります。
 ですから、その科学理論を本当に知る(理解する)ためには、その前提が何
 なのかを知る必要があるのです。

 ところが、そういう馬鹿真面目な学習をしていると、科学というものが、何
 とも心許ないものであることに気付くものです。
 なぜなら、『前提』というものは、(もとを辿れば、)大抵、人間が決めた
 もの、あるいは、人間が作ったものだからです。
 事実、科学は『仮定』から始まるものなのです。

 それはともかく、『前提』に関しては、もっと大きな問題があります。
 それは、『前提』というものには、『建前上の前提』と『隠された前提』と
 があるからです。
 もちろん、問題になるのは後者、すなわち、『隠された前提』です。

 たとえば、「天動説は聖書を前提にしている」と言われていますが、実際に
 は、そうではないことは、『天動説の教訓』のところで示しました。
 そもそも、「天の方が動いている」という考え方は、カトリック教会の専売
 特許ではありません。
 たとえば、アリストテレス(紀元前4世紀!)なども、地球中心の宇宙モデ
 ルを提唱しています。

 『隠された前提』の中で最も悪質なのが、論理を展開していくうちに、当初
 示された前提の中には無かった前提が、いつの間にか(こっそり)持ち込ま
 れる…というものです。

 それとは別に、前提となるもの自体に前提がある…という場合もあります。

 いずれにせよ、こうした『隠された前提』というものは、なかなか見抜けな
 いものです。
 そして、この『隠された前提』にこそ、実は、その理論・学説を主張・支持
 する人たちの本音が隠されているのです。
 したがって、それは『本音の前提』と言い換えても良いでしょう。
 そして、それはまさに『隠れオカルティズム』の潜伏場所なのです。

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<類似性に注目する理由>

 それでは、『ダーウィン進化論』における『隠された前提』とは、何でしょ
 うか?
 それは、『起源は一つ』という信条です。
 ちなみに、これは『全ての人間の祖先は、アダムである』とする聖書の教義
 と酷似しています。

 では、そう判断する根拠は何か?
 それは、生物間の『類似性』に注目していることです。
 類似性に注目するということ自体が、実は、起源を一つに統一したがってい
 る証拠なのです。

 類似性に注目して分類すれば、分類の数は減ります。

 たとえば、今、○と◎と●について考えるならば、この三つは「円い形」と
 いうことで類似(共通)しているわけですから、「円いもの」として一つに
 まとめられます。
 こうして、三つあったものが、一つに統一できるのです。

 では、○と△と□はどうか?
 図形ということで、一つにまとめられる。

 では、○と×は?
 線で描かれるということで、一つにまとめられる。

 一口に「類似性」と言っても、注目すべき項目は無数にあるわけですから、
 類似性に注目していけば、全てが一つにまとめられることになるのです。
 したがって、類似性に注目すれば、起源が一つになるのは当然のことなので
 す。

 もし、生物間の相違性(という言葉は無いのかもしれませんが…)に注目し
 たら…。
 言われなくても、わかりますよね。

 要するに、類似性に注目するということ自体、起源を一つにしたがっている
 証拠なのです。

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<集合>

 上で述べたことは、数学(算数?)や論理学で出てくる『集合』という概念
 のことをよく考えれば、理解できると思います。

 『分類』という言葉は「数(種類)が増える」というイメージがあるようで
 すが、実際は逆!
 むしろ、数(種類)は減るのです。
 分類とは、それらを『集合』に分ける、ということなのです。
 集合の数は、要素の数より少ないのが普通ですよね。
 もちろん、『空集合』というのを考えれば話は違ってくるのですが、数学や
 論理学以外の分野では、空集合は「考える価値のないもの」として無視され
 るのが普通です。
 ですから、集合を考えれば、数は減らせるのです。

 そして、さらに、『母集合』というものを考えれば、複数ある集合は、一つ
 にまとめられるのです。

 類似性に注目するダーウィン進化論の手口は、まさに、この集合の考え方を
 利用したものです。
 聖書を模した『単一起源』という思想信条が、集合という学問概念(のイメ
 ージ)により、正当化・審美化されているのです。

 よく考えてみて下さい。
 生物とは、もともと『命あるもの』という、一つの集合なのです。
 それを『種』という相違性(?)の概念によってバラバラにし、そして、類
 似性によって、ふたたび一つにまとめているだけのことなのです。

 はたして、生物学は『ジグソーパズル』にすぎないのでしょうか?

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<起源統一のテクニック>

 おしまいに、起源統一のための別のテクニックを述べましょう。

 たとえば、今、ある分類法によって、AとBという二つに分類されたとしま
 す。
 では、この二つをまとめるには、どうしたらよいか?

 一つは、AとBとの共通の起源をでっち上げる…という方法です。
 この共通の起源をCとしましょう。
 すると、「AとBは、Cが二つに枝分かれして生じた」とするわけです。
 こうして、起源は統一されるのです。

 もう一つの方法は、「BはAの突然変異によって生じた」とするものです。
 こうすれば、BはAから枝分かれしたものとなり、やはり起源は一つにまと
 められることになるわけです。

 ひょっとすると、ここで示されたテクニックは、御覧になったことがあるの
 ではないでしょうか?
 シナリオというものは、人間によって作られたものであり、それ故、その人
 間の意図や願望が隠されているものなのです。

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発行者   : media
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