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             隠れオカルティズム vol.1(創刊号)

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 この度は、当メールマガジンの購読をお申し込みいただき、誠にありがとう
 ございます。
 誤解の無いように予めお断りしておきますが、このメルマガは、オカルトを
 賛美するものでも、科学を卑しめるものでもありません。
 科学が健全なものであることを願うが故に、一部の名ばかりの正統科学に潜
 む非科学的要素や、それを支持する者たちのプロパガンダの手口の実態を、
 追求するものです。
 これらを理解した上で、当メルマガをお読み下さい。

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<『隠れオカルティズム』とは?>

 まず、当メルマガの題名にもなっている『隠れオカルティズム』とは何なの
 かについて、説明しましょう。

 本来、科学は、確かな論理と、客観的事実にのみ基づいて構築・評価される
 べきものです。
 ところが現実には、それ以外の人間的なものが、科学の中に無意識のうちに
 持ち込まれることが、よくあるのです。
 具体的にいえば、宗教観とか、思想、趣味、嗜好、習性、流行…、といった
 ものです。
 このように、科学でないものが、無意識のうちに科学の中に紛れ込む現象を
 『(狭義の)隠れオカルティズム』と言います。
 広義には、オカルトとは思えないようなもの中に、実はオカルト的要素が含
 まれている状況を意味します。

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<自覚症状がない!>

 さて、隠れオカルティズムが一番厄介なのは、自覚症状がないことです。

 超能力や心霊現象といった『露骨なオカルティズム』の場合は、まだ、自覚
 症状があります。
 ほとんどの人が『これはオカルトなんだ』と認識します。
 科学を信じる人なら、当然、警戒し、身構えます。
 オカルト信者でさえ、(正統)科学とするには違和感を覚えます。

 ところが、隠れオカルティズムの場合、こうした違和感が全くないのです。
 オカルトを全く信じない科学崇拝者ですら、何の抵抗感もなく受け入れてし
 まうのです。
 このため、科学以外のものが、無意識のうちに科学の中に持ち込まれてしま
 うのです。

 こうしてみると、隠れオカルティズムは、露骨なオカルティズムより、たち
 が悪いことがわかるでしょう。

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<文化が媒体>

 では、なぜ、隠れオカルティズムは、なかなか疑われないのでしょうか?

 それは、隠れオカルティズムが、文化を媒体にして伝染するからです。

 どんな文化にも、必ずオカルト的な要素があります。
 たとえば、西洋文化はキリスト教の影響をもろに受けています。
 ところが、その文化の中に浸っている人たち、特にその文化の中で生まれ育
 った人たちにとっては、それが不自然なものには思わないのです。
 なぜなら、文化というものは、その人たちにとっては、自然なものだからで
 す。
 人の、ものの見方、考え方というものは、その人が置かれた、または、置か
 れている文化の影響を、もろに受けるものです。
 ですから、そういうものをオカルト的だとは、全然、思わないのです。
 よそ者や異教徒のように、異なる文化のもとで育った人には、そのオカルト
 臭さが容易にわかるのですが…。

 自分が属した文化を疑う人は、極めて少数です。
 自分の属した文化を客観的に見ることができるのは、その人が属している文
 化圏を離れた時でしょう。

 もっとも、交通とメディアの発達した今日においては、これさえも、あまり
 確実な方法とは言えません。
 たとえば、現代日本人は、西洋の神秘主義に、すっかり侵されています。
 これは、現代の日本には、娯楽など様々な形で、西洋文化が大量に入り込ん
 できているからです。

 このように、隠れオカルティズムは文化を媒体にして感染するのです。
 このため、たとえば、キリスト教信者にならなくても、西洋文化に浸るだけ
 で、西洋の神秘主義、キリスト教的な神秘主義に、知らず知らずのうちに侵
 されてしまうのです。
 しかも、文化という形で入ってくるため、それがオカルトとは全然思わない
 わけです。
 だから、警戒心もわかず、すんなりと受け入れてしまうのです。

 こうしてみると、隠れオカルティズムはまるで『トロイの木馬』のようです
 が、実は送り込んだ側さえ、それがオカルトとは全然思っていないのです。
 そういう意味では、むしろ、ある種のコンピューター・ウィルスに近いとこ
 ろがありますね。

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<黒は忌まわしい色?>

 もっとも、これだけ言っても、隠れオカルティズムの感染力の恐ろしさがわ
 からない人がいると思います。
 そこで、我が国がどれだけ西洋のオカルティズムに侵されているか、実例を
 あげて説明しましょう。

 たとえば、『黒は忌まわしい色』という認識です。
 たしかに、黒は葬式など、不幸の場でよく使われる色です。
 喪服、黒飯、仏壇、(白と)黒の幕、霊柩車…
 なるほど、黒が多く使われていますね。
 そのせいか、かなり年配の人でも、これが伝統的な日本文化に基づくものだ
 と思っている人が、沢山いるようです。
 ですが、それは完全な誤りです。
 日本の伝統文化では、黒には、そのような意味はありませんでした。
 黒は、高貴な色だったのです。
 黒が葬式などで多く使われるのは、それが不幸を意味する色だったからでは
 なく、葬式が神聖な儀式だったからです。

 死を意味する色は、むしろ、白です。
 日本の伝統的な幽霊は、白い衣装をまとってますね。
 そういえば、香典の文字も、薄い墨で書きます。
 もっとも、白は必ずしも不幸を意味する色ではなく、『無』とか『空』を意
 味する色なのです。
 命が無くなるので、死という意味で使われます。
 また、無垢という意味でも、白が使われます。
 とにかく、黒にしろ、白にしろ、良いとか悪いという意味は、あまりなかっ
 たのです。

 黒を忌まわしい色とするのは、西洋文化です。
 彼らは、暗黒を極端に忌み嫌います。
 そして、また、このことが黒人差別にも利用されたわけです。
 今日、大部分の日本人が伝統文化と信じている、色に対する概念も、実は舶
 来品だったのです。
 しかも、現代日本人は、この事実に、全く気付いていません。

 どうですか?
 こうした問題を見ても、自覚症状の全くない、隠れオカルティズムの感染力
 のすごさが十分に認識していただけるでしょう。
 
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<さて、次回は?>

 色に対する認識なんてものは、科学とは直接関係ないことなので、科学にと
 ってはそれほど重大な問題ではありません。
 ですが、もし、こうしたことが科学の分野で起こっているとしたら…
 それは決して見過ごせない問題でしょう。
 そこで、次回からは、いよいよ、科学における隠れオカルティズムの実態に
 ついて、具体的に見ていこうと思います。

 どうぞ、お楽しみに…

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発行者   : media
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