042-01
風は、自然の一部もしくは一種のはずである。だから、「自然エネ
ルギー」と呼ぶのだろう。ところが、欧米人は、風について、全く
奇妙な差別をするのである。

042-02
その差別とは、「偏西風(ジェット気流)は『尊い風』だが、それ以
外の風は『取るに足らない風』である」とする差別である。当メル
マガでは、以降、これを「偏西風崇拝」と呼ぶことにする。

042-03
さて、偏西風崇拝は、少なくとも二つの精神病理現象を生み出して
いる。一つは、気象学の分野における「偏西風原理主義」とでも呼
ぶべき偏執病である。

042-04
これは、具体的に言うと、たとえば異常気象の原因を「偏西風の蛇
行のせい」としてしまう偏執病である。この精神病理現象について
は、後ほど詳しく説明することにする。

042-05
偏西風崇拝が生むもう一つの精神病理現象は、「偏西風についてだ
け、風力発電によるダメージとその影響を心配する」という「精神
そのもの分裂症」である。

042-06
つまり、偏西風以外の風については風力発電によるダメージのこと
など全く考えようともしないくせに、偏西風については、突如、エ
ネルギー保存則に目覚めるのである。

042-07
このように、偏西風崇拝教の世界では、偏西風(ジェット気流)は尊
い存在であり、偏西風以外の風は「ちり・あくた」にすぎないとさ
れるのである。それも、物理法則等を無視して、頭ごなしに…だ。

042-08
こうした非科学的差別の動機を見抜く鍵は、それぞれの風が吹く高
度の違いにある。偏西風(ジェット気流)は高く、偏西風以外の風は
低い。

042-09
そこで思い出さなければならないのが、欧米人の宗教文化である。
そこでは、神は雲の上の高いところにおり、人間のいる世界は下界
とされる。

042-10
つまり、偏西風(ジェット気流)は神に相当する風だから『尊い風』
なのであり、一方、偏西風以外の風は「ちり・あくた」にすぎない
風となるわけである。

042-11
そういうわけで、偏西風(ジェット気流)については、風力発電に利
用することに後ろめたさを覚え、偏西風以外の風については、何の
罪意識も覚えないのである。

042-12
こうしてみると、欧米人たちは、科学の中に自分たちの宗教観を持
ち込んでしまっていることがわかるだろう。こうした自称「科学」
のことを、私は「隠れオカルティズム」と呼んでいる。

042-13
それはともかく、偏西風(ジェット気流)が神に相当するのなら、そ
れが気象や気候を支配することになるのも、別に不思議なことでは
ないだろう。そう、これが「偏西風原理主義」の正体である。

042-14
そういえば、欧米人の神の頭の上には、輪が存在する。これは偏西
風(ジェット気流)の三次元的姿に似ていなくもない。真円状が理想
なだけに、「蛇行」すると一大事(→異常気象)ということか。

042-15
一方、偏西風以外の風は「ちり・あくた」にすぎないので、気象や
気候への影響は徹底的に矮小化する。特に偏西風への影響は、完全
に無視する。

042-16
つまり、神(天)は「ちり・あくた」を好き勝手に出来るが、「ちり
・あくた」が神(天)をどうにかすることは出来ないから、そのよう
な反科学的な態度を取ることが出来てしまうのである。

042-17
「偏西風以外の風が、偏西風に影響を与えることはない」とする説
は、真っ赤な疑似科学である。なぜなら、偏西風もまた、大気循環
により生じる現象(の一種)にすぎないからである。

042-18
大気循環は、地表(海面部分等も含む)の影響を受ける。一方、偏西
風以外の風は、地表(の状態)に影響を及ぼす。従って、偏西風が偏
西風以外の風から影響を受けないということはあり得ないのだ。

042-19
そもそも、偏西風(ジェット気流)は、高緯度と低緯度の間の地表温
度の違いにより生じた大気循環の気流が、地球の自転により風向き
を曲げられて「西寄りの風」となったものだ。

042-20
一方、大気循環は、上昇気流と下降気流の組み合わせにより起きる
現象である。そして、上昇気流も、下降気流も、地表が大気に影響
することにより起きる現象である。

042-21
それ故、偏西風もまた、他の風と同様に、地表の影響を受けるので
ある。つまり、地表と相互に影響を及ぼし合う関係なのだ。偏西風
を神格化するのは、全くの誤りなのである。

042-22
そういえば、偏西風原理主義の世界では、地表のうち、海だけが、
偏西風に影響を及ぼすことが可能ということになっている。この奇
妙な教義も、西洋の神話のことを考えると説明がついてしまう。

042-23
それは、『ウリッセ(ユリシーズ)の帰還』の話に出てくるネプチュ
ーン(ポセイドン)という海神のことである。この海神の怒りの抗議
には、最高神ジュピター(ゼウス)も折れてしまう。

042-24
しかも、この海神は、船を難破させられる嵐(すなわち、異常気象)
を起こすことが出来るのだ。このことが、「海洋原理主義」とでも
呼ぶべき、もう一つの偏執病の病原となっているのである。

042-25
『地表のうち、海だけが、偏西風に影響を及ぼすことが可能』とす
る海洋原理主義の教義は、物理学的には真っ赤な嘘である。本当は
陸もまた偏西風に影響を及ぼすのだ。

042-26
なぜなら、偏西風の大本である上昇気流や下降気流は、H2OやNaCl
が無くても生じるからである。上昇気流や下降気流に関係してくる
のは、(地表の)組成ではなく温度だ。

042-27
もちろん、組成が異なれば、比熱が異なることがあり、そのせいで
温度が異なってくることがある。温度が異なれば、上昇気流や下降
気流の生じ方も異なってくる。同じ緯度でも。

042-28
つまり、経度により地表の温度分布が異なることが、偏西風蛇行の
本当の原因なのである。従って、陸ばかりのエリアでも、経度によ
り地表の温度分布が異なっていれば、偏西風は蛇行するのだ。

042-29
逆に、海ばかりのエリアでも、地表の温度分布が同じであれば、偏
西風は蛇行しないのである。こうしてみると、海洋原理主義はオカ
ルト疑似科学にすぎないことがよくわかるだろう。

042-30
もっとも、海には暖流や寒流といった海流があるので、経度により
海面の温度分布が異なってくる場合があり、それ故、偏西風の蛇行
が起きる場合がある。だが、それは異常や異変ではない。

042-31
また、海と陸とでは、比熱が異なるために、季節によって地表温度
に差が生じることがある。それ故、陸や海の分布が異なると、偏西
風が蛇行することがあるのだ。これもまた、異常や異変ではない。

042-32
特に北半球の大陸について見落としてはならないのが、経度による
海岸線の緯度の違いである。高緯度側は凹凸が比較的小さいが、低
緯度側は凹凸がかなり大きい。

042-33
この凹凸(緯度の差)は、陸や海の分布の様が異なることを表すもの
であり、それ故、大陸上空において偏西風の蛇行という現象が自然
現象として十分起こり得ることを示すものなのである。

042-34
このように、偏西風の蛇行(さらには南下・北上)という現象は、全
く極ありふれた自然現象なのであり、しかも大陸の上空でも起こる
現象なのである。

042-35
偏西風は気象における神などではない。その蛇行(南下・北上)は、
地表からの影響で起きるのだから。そもそも、上空には風の動力源
となるものは存在しないのであるから、これは当然のことである。

042-36
もちろん、偏西風は、たとえば雲の移動などに影響を与えるわけだ
から、地表に影響を与えることは事実である。しかし、だからとい
って、地表から偏西風への影響のことを無視して良いはずがない。

042-37
それに、雲のことを重要視するのなら、降雨・降雪・日照(遮光)の
ことだけでなく、温室効果のことも考えるべきであろう。雲には、
正真正銘の、それも極めて強力な、温室効果があるのだから。

042-38
だが、雲の温室効果を考えると、陸の気象や気候への影響が全く無
視できなくなる。しかも、陸を「ただの静物」とみなすことが出来
なくなってしまうのだ。

042-39
なぜなら、陸には強力な放射冷却の能力(すなわち、気象や気候に
大きな影響を与える寒気を発生させる能力)があり、これを陸の上
空の雲(の分布)が大きく左右することになるからである。

042-40
陸が海(洋)のように気象学や気候学の研究対象にされることがほと
んどなかったのは、海水が運動し変化する複雑なものであるのに対
し、陸は運動も変化もしない静物でしかないからだ。

042-41
だが、実際には、上空の雲の分布のしかたにより、陸は著しくキャ
ラクターを変えてしまうものなのである。となれば、今までのよう
な『研究対象にしない』という態度は、もはや許されないはずだ。

042-42
また、陸とその上空の雲が重要なら、さらに宇宙線も重要になる。
なぜなら、以前説明したように、宇宙線飛来量の増加・減少は、大
陸内陸部上空の雲を減少・増加させるからだ。

042-43
ところが、我が国の政治家どもは、海洋原理主義者ばかりに研究予
算を配分し、しかも気象庁を牛耳らせるなどの強い権限を与えてい
るのである。彼らは科学の敵である。

042-44
マスコミも同様である。彼らは、海洋原理主義者たちの見解ばかり
報じている。故に、マスコミもまた、科学の敵である。彼らは、大
衆を集団催眠や集団ヒステリへと導いている。

042-45
そういえば、海洋原理主義者の学者には、太陽影響説を頭ごなしに
否定し、地球温暖化説を絶対視する者が少なくない。要するに、両
者は、互いに相手を利用し合っているのだ。

042-46
海洋原理主義者は、地球温暖化説とは無関係な現象についてはもち
ろんのこと、本当は地球温暖化説に都合が悪い現象でさえ、地球温
暖化説に都合の良いように、こじつけ解釈してくれる。

042-47
それ故、地球温暖化説を信じたがっている(もしくは、国民に信じ
込ませたがっている)政治家どもやマスコミにとっては、非常に役
に立つ存在なのである。

042-48
一方、海洋原理主義者たちにとっては、自分たちを売り込み、予算
や地位や権威や勢力等を獲得・拡充する絶好のチャンスとなる。つ
まり、学者としてのモラルを全く欠いた連中なのだ。

042-49
ちなみに、海洋原理主義者の多くは海洋屋である。つまり、海(洋)
が専門なのだ。それ故、気象学を利用する者なのであって、気象の
専門家ではないのである。

042-50
そのような者たちに気象の分野を牛耳らせることは、たとえばソフ
トウェア技術者たちにハードウェアや電子工学などの分野を牛耳ら
せるのと同じくらい、とんでもないことだ。

042-51
だが、騙す側(政治家やマスコミ等)からすれば、それでいいわけで
ある。なぜなら、大衆やエリートでも門外漢の者たちの多くは、こ
うした細かい違いに注意しないからである。

042-52
事実、海洋原理主義者たちによる『地球温暖化→海水温の上昇→偏
西風の蛇行→寒気や雪雲の流入→低温・豪雪』という屁理屈は、何
の疑問も抱かれることなく、世間に受け入れられてしまっている。

042-53
それはともかく、この屁理屈で注目して欲しいのは、低温・豪雪と
地球温暖化を無理矢理結び付けるために、偏西風原理主義と海洋原
理主義が巧みに利用されていることだ。

042-54
ここで、この屁理屈のトリック(手口)を解剖すると、次のようにな
る。まず、低温・豪雪について、寒気や雪雲の流入のことを話題に
する。こうすることで、偏西風原理主義を適用可能にする。

042-55
つまり、寒気や雪雲の流入を、偏西風の蛇行のせいにするわけであ
る。次に、『偏西風の蛇行』と『海水温の上昇』を結び付けるため
に、海洋原理主義が用いられる。

042-56
つまり、『海水温の上昇』のせいで『偏西風の蛇行』が起きたとす
るのである。そして、残る『海水温の上昇』と『地球温暖化』の結
び付けについては、もはや説明の必要はあるまい。

042-57
かくして、本来、地球温暖化説に都合の悪い現象であるはずの低温
・豪雪が、地球温暖化に結び付けられ(地球温暖化のせいにされ)て
しまうのである。

042-58
そして、このような『こじつけ』芸当が出来るからこそ、海洋原理
主義や偏西風原理主義の学者たちは(地球温暖化説を世間に信じ込
ませたがっている)政治家やマスコミから重用されるのである。

042-59
それはともかく、この屁理屈では、陸やその上空の雲の働きが完全
に無視されていることに気付くだろう。従って、当然、陸で発生す
る寒気やその働きについても完全に無視しているわけである。

042-60
これは、あまりにも人をバカにしきった疑似科学教義である。大陸
で発生する寒気の働きを無視したのでは、たとえば『西高東低の冬
型の気圧配置』などは全く説明できなくなる。

042-61
そういえば、地球温暖化説に味方する我が国の気象屋たちは、よく
「西高東低の気圧配置になるために寒気が入ってくる」といった説
明のしかたをする。だが、これは全く片手落ちな説明なのだ。

042-62
なぜなら、「ならば、なぜ西高東低の気圧配置になるのか?」とい
う極めて重要な問題について釈明することをしていないからだ。無
論、それは、大陸での寒気の発生が原因である。

042-63
まず、「西」の「高」気圧は、大陸で大気が冷やされ下降すること
により生じる。また、「東」の「低」気圧は、大陸で発生した寒気
が太平洋上に入ってきて上昇することにより生じる。

042-64
このように、大陸での寒気の発生が、西高東低の気圧配置の原因と
なるのである。だからこそ、西高東低の気圧配置は、大陸で寒気が
発生しやすくなる冬に多く見られるのである。

042-65
こうしてみると、名ばかり気象屋どもによる「西高東低の気圧配置
になるために寒気が入ってくる」という説明が、如何に偏った公正
さを欠く説明であるかがわかるだろう。

042-66
確かに、西高東低の気圧配置には、『大陸での寒気の発生』や『日
本列島への寒気の流れ込み』を助長する働きがある。しかし、だか
らといって、それを根源的なものとしてしまって良いはずがない。

042-67
どんなに贔屓目に見ても、『西高東低の気圧配置』は、せいぜい、
『大陸での寒気の発生』とは互いに「因」であり「果」でもある関
係にある…とぐらいにしか言えない。

042-68
御親切なことに、名ばかり気象屋どもは、「寒気が南下してくる」
という解説までしてくれる。これは、寒気が、大陸ではなく、北極
で発生しているかのように思わせることになる表現である。

042-69
このように、名ばかり気象屋どももまた、偏西風原理主義者や海洋
原理主義者たちとグルになって、陸の寒気とその働きを隠蔽してい
るのである。こちらは、気圧原理主義とでも呼ぶべき精神疾患だ。

042-70
それにしても、地球温暖化説に尻尾を振る「専門家」どもは、なぜ
陸で発生する寒気のことを隠蔽したがるのだろうか? それは、温
室効果ガス説にとって非常に都合の悪いことだからである。

042-71
陸での寒気の発生は、放射冷却により起きる。温室効果は、これを
妨害する。それ故、地球温暖化が進むほど温室効果が高まっている
のなら、寒気が発生しにくくなっているはずなのだ。

042-72
ところが、実際には、全く逆に、寒気(それも、かなり強い!)が発
生しやすくなっているのである。これは明らかに温室効果ガス説と
矛盾している。つまり、これは決定的な反証証拠なのである。

042-73
だからこそ、犬のような「専門家」どもは、自分の得意分野の概念
を悪用(誤用、乱用)した屁理屈をこね回して、陸での寒気の発生の
ことを隠蔽しようとするのである。

042-74
すなわち、それが「偏西風」原理主義なのであり、「海洋」原理主
義なのであり、「気圧」原理主義なのである。これらは、全て疑似
科学である。それも、全く政治的な目的のための。

042-75
これらの疑似科学については、今後、改めて斬ってみたいと思う。
ここでまず認識しておいてもらいたいのは、これらの疑似科学が俗
ウケ狙いのポピュリズムであるということである。

042-76
実際、これらの疑似科学には、物理学的な説明が無い。あるのは、
言葉やCG等による感覚やイメージに訴える(物理学的には全くの
子供騙しでしかない)自称「説明」だけだ。

042-77
また、偏西風原理主義(と海洋原理主義)は、既に指摘したように、
「隠れオカルティズム」である。それ故、科学にコンプレックスを
抱いている人たちにはウケがいいのだ。

042-78
もっとも、一般的な日本人には、そうした「隠れオカルティズム」
によるウケはピンとこないかもしれない。宗教や文化が異なるから
だ。だが、欧米人には、かなりの誘惑になるのである。

042-79
また、欧米かぶれの日本人にとっても、同様である。ポピュリズム
は、政治だけでなく、科学にも害をもたらすものなのである。ポピ
ュリズムが害にならないのは、芸能・娯楽の世界ぐらいなものだ。

042-80
何しろ、芸術の世界でさえ、ポピュリズムは堕落や陳腐化をもたら
すと言われているほどである。ならば、科学に害があるのは当然の
ことであろう。

042-81
そして、気付かなければならないのは、TVや新聞…といったマス・
メディアがポピュリズムの最大の温床となるものであるということ
である。日本では、そんなものが「為になる」とされているのだ。

042-82
繰り返すが、偏西風原理主義(や海洋原理主義)は、欧米人の信仰や
民族性につけ込んだ騙しなのだ。従って、宗教や文化の異なる日本
人が騙されるのは、本当は非常に恥ずかしいことなのである。

042-83
ところが、我が国のインテリ・エリート(ということになっている
人)たちは、そんなものに騙されているのである。自虐なのか?、
それとも、本当は似非なのか?

042-84
疑似科学は、物理を無視したものが多い。そこで、次回からは、こ
こで告発した気象学や気候学を蝕む三大疑似科学を、物理により順
に斬っていきたいと思う。

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