038-01
さて、「風力」などの自然(再生可能)エネルギーには不安定(出力
変動)という質の悪さがあるが、ここからは、それを解決するとい
う技術の虚しさを指摘してみたい。

038-02
まずは、蓄(充)電池。(十分な)発電が出来る時に充電し、(十分な)
発電が出来ない時に放電させる。だが、これは、「容量>出力」と
いう格差を更に酷くしてしまうものだ。

038-03
なぜなら、発電で得られた電力を(一部とはいえ)充電に回さなけれ
ばならないので、その分、(十分な発電が出来る時に)送電に回せる
電力(=出力)が少なくなってしまうからである。

038-04
おまけに、充放電には必ず電力のロスが伴う。ロスした分は、熱に
なる。これでは、わざわざ地球を温暖化させるために自然からの搾
取(=自然破壊)をやっていることになる。

038-05
また、電池には寿命というものがあり、充放電を繰り返すたびに性
能は落ちていく。初期性能だけ見て評価するのは、全く愚かなこと
である。

038-06
さらに細かいことを言えば、蓄(充)電池だけでは出力の安定化は実
現できない。電気の流れを管理・制御する装置も必要で、当然、そ
こでもロスが生じる。

038-07
要するに、不安定なものを安定化させようとすると電力が失われて
しまうのである。安定化させるための技術(たとえば蓄電池など)に
はエネルギー生産能力が無いのだから、これは当然のことである。

038-08
従って、同じことが、他の電力安定化技術にも言えることになる。
まずは、スマート・グリッド。これは、送電網を利用して出力過剰
エリアから余剰分を出力不足エリアに回すというものだ。

038-09
だが、送電には必ずロスがある。そして、このロスは、送電距離が
長くなればなるほど大きくなる。従って、出力過剰エリアから出力
不足エリアまでの距離が問題になってくる。

038-10
地理的に近い所では、気象状況が似てくる場合が多い。従って、出
力過剰エリアから出力不足エリアまでの距離が遠くなり、送電ロス
が大きくなる場合が多いのだ。

038-11
それに、そもそも、(送電網の)全エリアにおける出力過剰分と出力
不足分とが等しくなる保証など、どこにもないのだ。両者が等しく
ならなければ、電力の変動は解決しきれないことになる。

038-12
そうした変動の解決は、結局、再生可能エネルギー以外の発電所に
出力調整という負担を強いることになり、その発電効率を低下させ
てしまう。これは、実質、ロスが生じるのと同じことだ。

038-13
一方、高度な機能を有する送電システムほど、ロスは大きくなるも
のだ。つまり、結局のところ、スマート・グリッドは、質の悪い電
力を適当に始末(廃棄処分)するための技術でしかないのである。

038-14
その他にも、複雑な送電システムには、トラブルが多いという問題
点がある。また、故障したり壊れたりすると復旧に時間や金が多く
かかってしまうという問題点もある。

038-15
それに、一般に複雑なものほど壊れやすい傾向がある。以上のよう
なわけで、複雑な送電システムは、テロや自然災害には脆弱なので
ある。

038-16
ところが、NHKをはじめとするマスコミは、視聴者や読者に「自然
災害に強い」と錯覚させるような報道をしている。要するに、彼ら
は、利権屋どもの味方なのだ。

038-17
そういえば、マスコミは、震災直後の停電について、原発の被害や
事故のことは盛んに報じていたが、送電施設の被害のことは、ほと
んど報じなかった。これは、公正さを著しく欠く報道姿勢である。

038-18
あの停電の一番の原因は、(変電所等を含む)送電施設が自然災害に
やられたことだったのだ。この事実を、マスコミは(実質)隠蔽しよ
うとしたのである。

038-19
送電施設が自然災害にやられて電力危機が起きたとなると、スマー
ト・グリッドもまた自然災害に弱く、故に、その導入が無意味であ
ることがバレてしまう。だから、隠蔽しようとしたのだ。

038-20
そして、その代わりに、原発の被害(と、その結果起きた事故)の方
を騒ぎ立てることにより、「自然災害にやられるのは、発電施設だ
け」と日本国民に思い込ませようとしたのだ。

038-21
NHKは、さらに、たまたま被害が無かった自然エネルギー施設の映
像を機会あるたびにタレ流し、「自然災害にやられるのは、原発だ
け」と日本国民に思い込ませようとした。

038-22
以上のようなイメージ操作により、「原発は自然災害に弱いからダ
メ。自然エネルギーとスマート・グリッドの組み合わせが良い。」
と日本国民に信じ込ませようとしたのだ。

038-23
本当は、自然エネルギー施設やスマート・グリッドは、自然災害に
弱いのである。ただ、マスコミがその実態をなかなか報じようとし
ないので、知られていないだけの話だ。

038-24
実際、たとえば風力発電施設の被害などは、極々一部だけが、それ
も全く目立たない形で報じられているにすぎない。つまり、ほとん
ど全くと言っていいほど報じられていないのである。

038-25
NHKは、この点においても実に悪質で、報道怠慢の指摘や追求があ
ると、その時だけ報道を行い、アリバイづくりをするのである。こ
うした『一時しのぎ』は、NHKの十八番である。

038-26
NHKに限らず、マスコミは、風力発電施設の被害のように『実際に
あった被害』ですら、ろくに報じないのであるから、まして『予測
される被害』のことなど、報じるわけがないのである。

038-27
こうしたマスコミ報道の実態がわかれば、なぜスマート・グリッド
の自然災害に対する脆弱さのことが報じられないのかも、わかるは
ずである。

038-28
ロス(やトラブル)のことが報じられないのも同様である。制御や送
電にロスは付き物だ。そういうことが理解できないのは、デジタル
通信技術への依存という心理的な問題があるからだと思われる。

038-29
つまり、スマート・グリッドの推進者たちは『電源用の電力』のこ
とを『回線により伝えられるデジタル信号のようなもの』としか考
えていないように思えるのである。

038-30
もしそうなら、ロスの問題を無視する気になれるだろう。実際、回
線を利用するデジタル通信の一種であるインターネットは、地球の
裏側のデータでも劣化無く伝えてくれる。

038-31
だが、それは、デジタル信号が「ONかOFFか」が判れば良い(少々の
ロスがあっても問題は無い)ものであることと、伝送の途中で信号
が増幅されたり波形整形されたりするから可能なことなのである。

038-32
ちなみに、増幅や波形整形には、電力が必要となる。つまり、ロス
した分を、エネルギーを消費することで、復元しているのである。
だから、利用者の眼にはロスが無いように見えるだけのことだ。

038-33
真の理工系人間は、こうしたことを知っている。だが、そうでない
知ったかぶり屋は、こうしたことを知らない上に、受け入れようと
もしない。政治家やマスコミ人間とかは、その典型である。

038-34
さらに、もっと困った人たちがいる。それは、一部のIT企業経営者
たちである。意外に思われるかもしれないが、彼らの多くは、実は
理工系ではなく文系なのである。学歴を調べてみるといい。

038-35
もっとも、ロスのことぐらい文系人間でも理解できそうなものであ
る。要するに彼らは、文系人間であることをいいことに、甘え、す
っとぼけて、利権を貪ろうとしているのであろう。

038-36
何しろスマート・グリッドにはIT技術が用いられているのだから、
彼らにとっては大きなビジネスチャンスのはずである。金に汚い心
さえあれば、すっとぼけるぐらい平気でできてしまうはずだ。

038-37
ちなみに、その種の経営者の一人である某社長は、スマート・グリ
ッドよりもさらに贅沢なスーパー・グリッドなるものを推進しよう
としている。だが、これには、直流送電ゆえの問題点がある。

038-38
まず、直流は交流よりも変圧が難しいという問題がある。長距離送
電では昇圧(注:変圧の一種で、電圧を上げること。)が欠かせない
のだから、これは不利となることのはずである。

038-39
第二に、直流の場合、極性が固定されるので、金属部分が腐食しや
すくなるという問題がある。送電施設には金属部分が多く存在する
のだから、これもまた不利となることのはずである。

038-40
直流送電が交流送電よりも有利になるのは、送電線が地下や海底に
敷設される場合である。交流送電の場合、導線の電気抵抗だけでな
く、送電線の周りの物質の影響も考えなくてはならないのだ。

038-41
送電線は長くなるとコイルやコンデンサーとしての性質が強まって
くる。それ故、交流の場合、いわゆるインピーダンスの問題が生じ
てくるわけである。

038-42
一方、送電線の通電により生じる電磁場は、送電線の周りに広がる
ように分布する。そのために、送電線の周りの物質がインピーダン
スに影響してくることになるのである。

038-43
とは言え、電源の周波数は数十ヘルツと低いので、その影響はわず
かでしかない。その影響が無視できなくなるのは、送電線(が地下
や海底に存在する部分)が非常に長くなる場合だけである。

038-44
送電線が非常に長くなれば、導線の電気抵抗がかなり大きくなり、
インピーダンスの問題どころではなくなる。つまり、直流送電でも
ロスの問題が無視できなくなるのだ。

038-45
言うまでもなく、導線の電気抵抗によるロス分は、熱エネルギーに
変換される。つまり、「グリッド」の類のような派手な送電システ
ムは、地球を温暖化させるのである。

038-46
ちなみに、スーパー・グリッド推進者である某IT企業経営者の企業
のPC向けWEBサイトは、ダウンロード・サイズがかなり大きい。ダ
ウンロードにも電力消費があるということを知らないのだろうか?

038-47
しかもサイズが大きくなったのは、内容の豊かさや使いやすさを追
求したせいではなく、自己満足的で見栄っ張りなデザイン変更のせ
いなのである。そんな贅沢をやって電力消費を増やしているのだ。

038-48
しかも、この自称「新デザイン」は、WEBサイト制作者の才能によ
り創造されたものではなく、WEBサイト用言語の新仕様等を知って
いれば誰でも出来てしまう程度のものでしかないのである。

038-49
だから、どこのWEBサイトも似たようなデザインになり、また、す
ぐに時代遅れになる(∴デザイン変更が必要になる)のだ。そんなも
のを「進化した新技術」などと自慢するのは、お笑いでしかない。

038-50
IT企業がまずやるべきなのは、再生可能エネルギーや「グリッド」
の類の推進などではない。自分たち「にできること」であるITの省
エネ…特にWEBサイト等のようなソフトウェア面からの省エネだ。

038-51
ウィルス対策ソフトでもリソースの節約をやっているのだから、そ
うするのが「企業の社会的責任」というものであろう。それに、日
本の電力消費(→CO2排出)を激増させたのはITなのだから。

038-52
それとも、そうする技術(力)が無いのか? ならば、送電ロスのこ
とが理解できないのも頷ける。彼らは、所詮、上辺のことしか知ら
ない『ただの文系人間』だったということだ。

038-53
余談になるが、デザインで見栄を張ると、旧い環境のPCでは閲覧で
きない(∴見てもらえない)ことがある。そうなっては、何のための
WEBサイト(開設)なのか、わからなくなってしまうはずだ。

038-54
また、リンクの数を増やすと、ダウンロード・サイズが大きくなる
上に、使いにくくなる。そんな無神経なWEBサイトを開設している
ところを見ると、彼らは文系人間としても二流としか思えない。

038-55
話を「グリッド」の類に戻そう。最近、マスコミは、再生可能エネ
ルギーの電力生産能力を誇張するために、「課題は、既存の送電施
設の能力が足りないことである。」などという話術を用い始めた。

038-56
ならば、なぜ、送電施設が自然災害にやられてしまうことを報じな
いのか? それは、たとえ再生可能エネルギーの施設が無事でも用
をなさなくなってしまうことを隠したいからだ。

038-57
ちなみに、送電施設がやられた状態で(再生可能エネルギーでの)発
電が続くというのは、危険なことだと言える。たとえば、切れた電
線からの漏電により火災や感電などの事故が起きる可能性がある。

038-58
それ故、「送電施設がダウンした際には、発電施設もダウンしてい
る方が良い」と言える場合もあるのだ。対して、送電施設が無事で
発電施設がダウンしたというのは、良いこと無しの事態である。

038-59
再生可能(自然)エネルギーの場合、(施設や源となるものが)送電施
設なら耐えられるような有り触れた自然災害(たとえば、強風や落
雷など)でもやられてしまうものが多い。

038-60
つまり、マスコミは、千年に一度の大災害による原発事故のことは
騒ぎ立てるが、有り触れた自然災害による再生可能エネルギー(施
設)のダウンのことは見て見ぬふりをしているのである。

038-61
そんな連中なら、(千年に一度の大災害による)送電施設の被害のこ
とを見て見ぬふりをしたとしても、別に不思議ではなかろう。そん
な連中を信用し騙され続ける方が悪いのである。

038-62
ちなみに、東日本大震災で再生可能エネルギー施設の被害が出なか
ったのは、施設を飲み込んでしまうような高さの大津波が襲ってき
たエリアに、施設が存在しなかったからである。

038-63
もっとも、そんなに高くない津波でも、瓦礫等が押し流されてくる
場合には、施設は根本(または足下)から破壊されてしまう恐れがあ
る。たとえ三十何メートルもの杭を打ってあってもだ。

038-64
もうお気付きのように、東日本大震災の場合、瓦礫等が押し流され
てきたエリアにも、施設は存在しなかったのだ。ならば、施設に被
害が出るわけがないだろう。

038-65
なのに、与党=民主党(の一部議員たち)やNHKは、「風力」等の
再生可能エネルギー施設が震災に耐えられたかのような宣伝や報道
を行ったのだ。何とも破廉恥な連中である。

038-66
彼らの正体は、金に汚い再生可能エネルギー利権屋とその提灯持ち
どもだ。ならば、「グリッド」(の類の)利権のためにも、送電施設
の被害に触れないようにするのは、当然のことだろう。

038-67
ところで、スーパー・グリッド等の直流送電の推進者たちは、送電
の電圧を何Vにするつもりなのか? これは決して容易には決めら
れない問題のはずである。

038-68
高電圧では、絶縁に十分な配慮が必要になる。一方、低電圧では、
大電流となり、導線の電気抵抗による損失が(電流の二乗に比例し
て)大きくなるので、導線を太いものにしなければならない。

038-69
それに、電圧を統一するということからして、非常に難しい。発電
施設の起電力も、電気製品の動作電圧も、ものにより異なる。直流
は変圧が難しいのだから、これは大問題となる。

038-70
電圧を統一しようとすると、効率が悪くなり、また、複雑・高価・
大型化したりする。現実には、まず無理だろう。つまりは、画に描
いた餅でしかないのだ。

038-71
震災後、直流送電が人気を得たのは、50Hz(東日本)と60Hz(西日本)
という障壁の問題が浮上したからだろう。だが、直流送電には、電
圧不統一という、もっと酷い障壁の問題があるのだ。

038-72
以上、出力変動の影響を抑える技術を二種類ほど論じてきたが、蓄
(充)電池も、「グリッド」の類も、さらには直流送電も、実は『誰
もが一度は思いつくアイデア』でしかないことがわかる。

038-73
『誰もが一度は思いつくアイデア』というものは、大抵、『一見う
まくいくように思えて、実はうまくいかないもの』である場合がほ
とんどだ。

038-74
従って、そんなものを提唱・推進して得意になるというのは、全く
自己批判精神を欠いた者のすることなのだ。日本のエネルギー政策
は、その程度の連中が仕切っているのである。

038-75
そもそも、IT業者でありながら『不安定なエネルギー』を推進した
がる者がいるというところからして、全く呆れた話である。ITは、
安定した電源を必要とするものであるはずだ。

038-76
こうしてみると、再生可能エネルギーを推進したがるIT企業経営者
たちは、実は、IT技術者としては全くの『似非』でしかない実態が
わかってしまう。

038-77
彼らは、金儲けのためなら手段を選ばない連中にすぎない。現に、
質の悪い電力を押し売りし、さらに、その問題点を解消するという
システムをも購入させて、二重に儲けようとしている。

038-78
技術などというものは、自分には無くても、それを有する者(企業)
を採用(買収)することで、いくらでも得ることが出来るものだ。マ
ス・メディアが創り出す(人物)虚像に騙されてはいけない。

038-79
さて、こうした似非IT技術者たるIT企業経営者と気が合うのが、マ
スコミである。まさに『類は友を呼ぶ』で、彼らもまた、送電によ
るロス等の問題に全く無関心である。

038-80
彼らマスコミは、再生可能エネルギーにはコストの問題しかないか
のような報道をしたがる。だが、既に指摘したように、実際には、
他にも(それも致命的な)問題がいくつも存在するのだ。

038-81
そもそも、コストという金の話を第一にしたがるところからして、
再生可能エネルギー推進の本当の目的が金儲け(利権)であることを
自ら白状しているようなものだ。

038-82
マスコミは、今でも、再生可能エネルギーの電力生産能力を誇張す
るために、送電網の能力不足を話題にする。だが、送電網の能力強
化には、(カネの他に)エネルギー・資源が大量に必要になる。

038-83
これでは、エネルギー・資源的に元をとることが難しくなってくる
だろう。『どんなものでも製造・建設・保守等にエネルギー・資源
を必要とする』という現実がマスコミには理解できないらしい。

038-84
特に再生可能エネルギーの場合は、単位面積あたりの電力生産量が
少ないのであるから、その分、施設数を多くしなければならず、そ
れ故に、それこそ毛細血管のような送電網までもが必要になる。

038-85
さらに、それに加えて、電力変動を抑える施設も…ということにな
ると、必要になるエネルギー・資源の量は、膨大なものになってし
まう。

038-86
つまり、エネルギー・資源的に元をとることが、ますます困難にな
ってしまうのだ。これでは、一体何のための事業なのか、わからな
くなってしまう。

038-87
再生可能エネルギーはタダのはずなのに、なぜ電気料金を高くしな
ければならないのか? それは、「周辺」を含む施設類に沢山の資
源が必要になるからである。

038-88
しかも、再生可能エネルギー施設は、寿命が短く、壊れやすい。そ
れに変動を抑える施設も…というのでは、資源消費量は膨大なもの
となる。だからこそ、売り手は儲かる(∴利権屋がタカる)のだ。

038-89
経済産業省(資源エネルギー庁)等が示す数字は、全く信用するに値
しない。あんな少ない資源消費で済むのなら、原発や火力発電並み
に電気料金を安くすることができるはずだ。

038-90
反原発派には「原発には夜間に余る電気のために揚水式発電施設が
必要になるので、本当はもっと高コストになるはずだ」と主張する
人がいるが、ならば、なぜ代わりに蓄電池が導入されないのか?

038-91
それは、蓄電池の方が揚水式発電施設よりも高コストで、しかも問
題点が多いからだ。以上のことに気付けば、マスコミがもてはやす
『変動を抑える技術』の虚しさにも気付くはずである。

038-92
「グリッド」の類は、蓄電池以上に虚しい。送電可能エリア内での
気象(発電)条件がどこも同じなら、何の役にも立たない。気候異変
傾向が「地球規模」で同じなら、エリアを拡大しても無意味だ。

038-93
結局、変動を抑えようとすると、さらなる資源喰いとなり、かとい
って、変動を抑えないと、それこそ「厄介者」でしかなくなってし
まうのが、再生可能(自然)エネルギーというものなのだ。

038-94
ここで教訓とすべきことがある。かつて、IT化を推進すればペーパ
ーレス時代が来ると言われたことがあった。ところが実際には、紙
の消費量は却って増えてしまったのである。

038-95
原因は、たとえばマニュアルなどのような『マスコミが考慮しない
もの』の需要が大幅に増えたせいだ。自然エネルギー利用も、これ
と似たような事態を招くだけの浅知恵でしかないのである。

038-96
にもかかわらず、再生可能(自然)エネルギー幻想がもてはやされ続
けているのは、欧州幻想があるせいだ。そこで、次に、マスコミが
垂れ流し続けている欧州幻想を斬ってみたい。

038-97
でも、その前に、余談を一つ。今年は実にくだらない全く自己満足
的でしかない自称「スマート」技術が流行った。電気の見える化技
術である。そんなものが無くても、節電は可能なはずだ。

038-98
それに、この技術自体、電力消費がある。さらに、開発・製造・流
通等でエネルギー・資源を消費する。こうした空虚さ・偽善・欺瞞
に是非とも気付いて欲しいのである。

038-99
「つくる」にしろ、「使う」にしろ、技術というものはエネルギー
・資源を必要とするものである。技術は神ではないのだから。どう
も現代人は当たり前のことが理解できなくなっているようである。

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