033-01
さて、ここからは、再び、温室効果説のウソを暴く話をしたいと思
う。まずここでよく考えて欲しいのは、物質が輻射(赤外線)を吸収
・放出することができるための条件である。

033-02
まずは、物質が赤外線を吸収することができるための条件から。物
質は、電磁波(である赤外線)のエネルギーを運動エネルギーに変換
できるのでなければならない。

033-03
そして、そのためには、『物質が電磁気的に中性ではないこと』と
『物質が波動に合った運動をすることが可能であること』という2
つの条件を満たさなければならない。

033-04
電磁気的に中性では、物質は赤外線の電磁場から作用を受けること
は出来ず、故に、運動エネルギーを得ることは出来ない。これが、
一つ目の条件が要求される理由である。

033-05
なお、物質というものは、巨視的には(電磁気的に)中性でも、微視
的には中性ではない場合が多いということを、念のため注意してお
きたいと思う。

033-06
次に二つ目の条件についてであるが、これは『周囲からの束縛』か
らくることである。作用を受けても、周囲から束縛されて運動する
ことが不可能では、運動エネルギーを得ることはできない。

033-07
そして、もう一つ重要なのは、赤外線は電磁波ゆえ、その電磁場か
らの作用の方向が時間により変化することである。作用の方向と運
動の方向とが逆になると、運動エネルギーが失われてしまう。

033-08
従って、そういうことが極力無いようにするためには、物質が電磁
波の波動に合うように運動することが可能なようになっていなけれ
ばならない。以上が、二つ目の条件が要求される理由である。

033-09
さて次に、物質が赤外線を放出することができるための条件につい
て考えてみたい。物質は、運動エネルギーを電磁波(である赤外線)
に変換できるのでなければならない。

033-10
そのためには、まず物質が(微視的にも)電磁気的に中性ではないこ
とが要求される。なぜなら、電磁気的に中性なものが電磁場を発生
させることは不可能だからである。

033-11
さて、この電磁場が変動することにより電磁波(赤外線)が発生する
わけであるが、電磁場の変動は物質の運動と同期する。なぜなら、
電磁場の変動は物質の運動により起きることだからである。

033-12
一方、電磁波(赤外線)の波動は、この電磁場の変動と連動する。従
って、物質は、(発生が期待される電磁波の)波動に合うような運動
をすることが可能なようになっていなければならない。

033-13
以上、要求される条件をまとめてみると、『物質が電磁気的に中性
ではないこと』と『物質が波動に合った運動をすることが可能であ
ること』の2つになる。

033-14
すると、これは、物質が赤外線を吸収することができるための条件
(033-03参照)と全く同じであることがわかる。このように、吸収も
放出も要求される条件は同じなのだ。

033-15
それ故、赤外線を吸収(放出)する物質は、必ず、放出(吸収)もする
のである。これは物理学の常識である。ところが、呆れたことに、
温室効果(地球温暖化)説は、この常識を完全に無視しているのだ。

033-16
もし、吸収委託放出説の言うように、窒素や酸素が赤外線を放出す
るのなら、窒素や酸素は赤外線を吸収する温室効果ガスでなければ
ならない。(もちろん、これは事実に反する。)

033-17
また、CO2は赤外線を吸収するのであるから、放出はしないとして
いる吸収委託放出説の教義は誤りである。以上のことから、吸収委
託放出説が全くの疑似科学であることがわかってしまうのだ。

033-18
吸収委託放出説は、温室効果説の最終決定版である。その最終決定
版が疑似科学である以上、温室効果(地球温暖化)説は完全に死んだ
と言わざるを得ないのである。

033-19
なぜ、わざわざ宇宙から大気中の温室効果ガス濃度を観測すること
はしても、大気から放出されてくるはずの赤外線を地球上で観測す
ることはしないのか? それは、温室効果説の嘘がバレるからだ。

033-20
そもそも、宇宙からガス濃度が観測できるのは、ガスが赤外線(等
の電磁波)を宇宙に放出する(それを観測・分析する)からである。
宇宙に放出してしまったのでは、温室効果は生じない。

033-21
要するに、気候を激変させてしまうような温室効果ガスなどという
ものは、原理的にあり得ないのである。なお、水蒸気に対する誤解
については、番号034で詳しく説明することにする。

033-22
赤外線を吸収(放出)する物質が放出(吸収)もする物質である以上、
「その物質は吸収するのか?それとも放出するのか?」ということ
は、相手とのエネルギーの高低関係で決まることになるのだ。

033-23
つまりは『高→低』という流れである。その物質よりも相手の方が
高エネルギーなら(その物質は赤外線を)吸収し、逆に、その物質の
方が相手よりも高エネルギーなら放出することになる。

033-24
CO2が地表からの赤外線を吸収するのは、CO2よりも地表の方が高エ
ネルギーになっている時である。それ故、地表にではなく、より低
エネルギーな宇宙に放出することになるのである。

033-25
地表に放出するためには、地表がCO2よりも低エネルギーになって
いるエリアにCO2が移動するか、あるいは、地表がCO2よりも低エネ
ルギーになる(冷める)のを待つしかない。

033-26
だが、移動や冷却には時間を要するので、それらが完了する前に、
CO2は赤外線を宇宙に放出して(低エネルギー状態になって)しまう
のである。つまり、温室効果は生じないのだ。

033-27
結局のところ、赤外線吸収により構造や組成が変わってしまうもの
でもない限り、赤外線を吸収する性質のあるガスは、地表から宇宙
への赤外線放出における中継役しか果たさないのである。

033-28
吸収委託放出説の問題点をもう一つだけ指摘しておこう。それは、
CO2→窒素・酸素というエネルギーの受け渡しでは必ずロスが生じ
るはずであるということを無視していることである。

033-29
マックスウェル電磁気学によれば、『電磁気的に中性でないもの』
の運動状態が変わると、電磁波が放出される(∴その分、エネルギ
ーが失われる)ことになっている。

033-30
一方、CO2→窒素・酸素というエネルギーの受け渡しでは、『電磁
気的に中性でないもの』の運動状態が変わることになる。従って、
電磁波が放出されることになる。

033-31
電磁波が放出されれば、その分だけエネルギーは(窒素・酸素には
受け渡されず)失われることになる。従って、ロスが生じることに
なるはずなのである。

033-32
ところが、吸収委託放出説は、このロスを無視しているのである。
つまり、吸収委託放出説(温室効果説)は、ここでもまた物理学(特
に電磁気学)の常識を無視しているのである。

033-33
温室効果説に騙されてしまうのは、物理学的な考察・検証を怠り、
イメージだけで納得してしまうことをするからだ。以下に、その例
をいくつか挙げることにしよう。

033-34
まず、CO2等に含まれる炭素(元素)には『黒い→光や熱を吸収する』
というイメージがあるために騙されるというケースがある。そうい
う人への処方箋としては、ダイヤモンドがいいだろう。

033-35
ダイヤモンドは炭素から成るが、黒くはない。また、ダイヤモンド
を部屋に置いていても、室温は高くはならない。こういうことに気
付けば、「炭素」のイメージの呪縛から解放されると思う。

033-36
次の例は、やはり「炭素は黒い」という思い込みから、虫眼鏡を用
いて太陽光で紙を焦がす実験を連想してしまうケースである。白い
紙より黒い紙の方がよく焦げるというあれだ。

033-37
だが、黒い紙が焦げるほど高温になる一番の原因は、虫眼鏡が光を
集めるからだ。CO2分子には、赤外線を集める能力は無い。そもそ
も、CO2分子は、虫眼鏡とは違い、肉眼では見えないほど小さい。

033-38
さらに、分子を構成する原子は分子よりも小さく、原子の実体とな
る素粒子は原子よりも桁外れに小さい。一方、気体の場合、分子が
自由運動できるほど大きな隙間が分子間にはある。

033-39
そして、濃度が低い(たとえば数百ppmぐらいだ)と、分子間の隙間
が大きくなり、CO2分子が大気全体に占める体積の比率は小さくな
ることになる。

033-40
以上のようなわけで、大気中の『赤外線を浴びる(→吸収する→集
める)ことができる部分』の大きさ(比率)は、ごくごく小さなもの
にしかならないのである。虫眼鏡の場合とは大違いなのだ。

033-41
次なる3つ目のケースは、これまた「炭素は黒い」という思い込み
から、新聞紙のことを連想してしまうケースである。新聞紙を身に
まとうと暖かい(防寒になる)というあれだ。

033-42
だが、その一番の原因は、新聞紙が繊維状の構造になっているため
に、風を通しにくく、また、空気を封じて層を作りやすいために断
熱性が高くなっているからである。

033-43
さて、最後の例として、(専門)知識がある人によく見られるケース
を挙げておこう。それは、黒体輻射の黒体のことを知っているがた
めに錯誤に陥るケースである。

033-44
ちなみに、黒体とは、あらゆる波長の電磁波を100%吸収・放出す
る能力のある(理想上の)物体のことである。そして、錯誤に陥る人
たちは、この黒体(の代替品)の放出能力に惑わさてしまうのだ。

033-45
なぜなら、黒体(の代替品)は、電磁波を受ける(→吸収する)のをや
めても、しばらくの間は電磁波を放出し続けるからだ。その様が、
温室効果のように見えてしまうわけである。(∴惑わされる。)

033-46
だが、電磁波放出が続くのは、その電磁波が(黒体の)表面からのも
のだからだ。つまり、電磁波放出によりエネルギーが失われ得るの
は表面だけで、内部にエネルギーがまだ豊富に存在するのである。

033-47
そして、この内部に存在する豊富なエネルギーが、(電磁波放出に
よって低エネルギーになった)表面へと流れ続けるために、電磁波
放出が(しばらくの間)続くのである。

033-48
黒体関連の錯誤の例をついでにもう一つ。それは、黒体の代替品の
形状(構造)から、全くイメージ的に、温室効果のことを「あり得そ
うなことだ」と類推し、納得してしまうケースである。

033-49
黒体の代替品は、口の小さい壷のような中空の形状(構造)をしてい
る。それ故、その口から中に入った電磁波は、なかなか外に出て来
れず、まるで吸収されたかのようになるのである。

033-50
それに、反射の際には一部が吸収されるので、外に出られなくなっ
た電磁波は、内部で反射を繰り返すことにより、黒体の代替品の非
空洞部分に吸収されていくことになるのである。

033-51
以上のようなわけで、代替品は、電磁波をほぼ100%吸収するのと
同じ特性を有することができるのである。それだけではない。電磁
波を(しばらくの間)放出し続ける能力をも有しているのだ。

033-52
つまり、軽薄な者たちは、黒体(の代替品)の特性や能力のことしか
考えようとしないために、「赤外線を吸収するものには必ず温室効
果がある」と思い込んでしまうのである。

033-53
特に代替品については、空洞になっている内部に電磁波を閉じ込め
るようになっているために、「空気に赤外線のエネルギーを溜め込
む能力がある」とまで思い込んでしまうのである。

033-54
このように、せっかく知識があっても、よく考えずにイメージだけ
で納得してしまうようなことをしていると、ニセ科学(詐欺)のいい
餌食にされてしまうのである。

033-55
温室効果説は、初めから結論ありきで捻り出された説である。その
ことは、アレニウスの主張の変遷を見ても明らかだ。1895年頃、彼
は、CO2濃度が倍になると地球の気温は6度上がると主張した。

033-56
ところが、1906年頃には、せいぜい2度(上昇)になった。これは、
温室効果説のいい加減さを示していると同時に、説の提唱に(自然
科学ではない)社会的なものが影響した可能性をも示している。

033-57
というのは、彼が6度上昇を唱えた頃、メディアが氷河期到来の恐
怖を煽っていたからだ。つまり、この恐怖を打ち消すために温室効
果説を捻り出した可能性が考えられるのである。

033-58
特に彼が寒冷化の影響が深刻な北欧(スウェーデン)の人であること
を考えると、余計、パニックを鎮めようとして捻り出した可能性が
高いと言えるのだ。今時の「利権屋」科学者どもとは対照的に…。

033-59
ところで、「せいぜい2度(上昇)」というのは、ゼロである可能性
もあり得ることを示す表現である。そこで、「せいぜい」の部分を
意図的に落とすという新手の論法が出てくるわけである。

033-60
つまり、「6度上昇というのは間違いだが、2度上昇は正しい」と
して、温室効果説を部分的に救おうとする論法である。これは、考
えようによっては、「6度上昇」よりもタチが悪いと言える。

033-61
なぜなら、「6度はいくらなんでも大きすぎだが、2度程度なら妥
当と言えそうだ」と油断させる心理的効果があるからである。特に
中立・中道を気取る者たちは騙されやすい。

033-62
ちなみに、この新手の論法による一見控えめな値は、フィフティ・
フィフティ論の根拠に利用されることが多い。たとえば、温度上昇
のうちの半分ほどが人為的CO2の影響であるとする論の根拠に。

033-63
だが、フィフティ・フィフティ論は、たとえば政治交渉等がうまく
いくようにするために用いられる妥協のための手段であって、(自
然)科学における証明の手段ではない!

033-64
フィフティ・フィフティ論者の中には、御親切にも、温室効果の計
算式まで示してくれる者(主に化学系)までいる。だが、理論が正し
くない以上、正しい計算式などあるはずがないのである。

033-65
既に説明したように、CO2の赤外線の吸収・放出は、CO2が置かれて
いる状況、すなわち「環境」に左右されることである。ところが、
彼らの計算では、そのことが無視されているのだ。

033-66
それが証拠に、彼らは、日照や風(CO2を移動させる)等の影響を全
く考慮していない。それらは(大気中の)CO2の環境にかかわってく
ることであるにもかかわらず。

033-67
もっとも、地表の反対側は宇宙であるというCO2の環境を考えるな
らば、CO2は地表から宇宙への赤外線放出を中継する役割しか果た
さない(∴温室効果は生じない)ことがわかるはずである。

033-68
キッチンの流しの排水管は、排水口に栓がされていない環境だと、
水を、吸い込みはするが、溜め込ませることはできない。(流れの
向きは上下逆になるが)天に栓がされていないCO2も同様である。

033-69
地表からの赤外線を吸収はするが、そのエネルギーを溜め込ませる
ことは出来ない。「『吸』う能力のあるものには、溜め込ませる能
力が必ずある」とする教義は、完全に間違っている。

033-70
それに、CO2が赤外線を「吸収する」という言い方からして実は問
題があるのである。アンテナが電波を「受信する」という言い方は
しても「吸収する」という言い方は普通はしないだろう。

033-71
確かに「受信する」ということは「吸収する」ということなのでは
あるが、電波が吸収される空間的範囲(→吸収量に影響してくる)の
広さ(狭さ)の印象がかなり違ってくるはずである。

033-72
「受信する」だと、アンテナの実体が占めている領域の電波だけが
吸収されるイメージになる。一方、「吸収する」だと、周辺一帯と
いうような遥かに広い範囲の電波が吸収されるイメージになる。

033-73
つまり、それだけ大量のエネルギーが吸収されるという印象を与え
る表現なのだ。とくれば、CO2が赤外線を「吸収する」という表現
を用いる理由も見えてくるだろう。

033-74
要するに、これは、エネルギー吸収量を実際のよりも(それも桁違
いに)多く思わせるための表現なのだ。「CO2分子が(吸収する)」で
はなく「CO2が」となっている点にも御注目いただきたい。

033-75
分子は肉眼では全く見えないほど小さく、しかも点在しているにす
ぎない。故に、全ての分子を合わせても、空間を占める割合(→エ
ネルギー吸収量)は全く微少なものにしかならない。

033-76
一方、「CO2」となると、広い範囲に隙間無く分布しているイメー
ジになるため、エネルギー吸収量が相当な量になるように思えてし
まうのである。

033-77
従って、CO2の場合も(アンテナの場合と同様に)、赤外線を「吸収
する」という言い方はすべきではなく、「赤外線の電磁場から作用
を受ける」といったような言い方をすべきなのである。

033-78
大気中のCO2が吸収する赤外線のエネルギー量は、微少なものにし
かならない。しかも、吸収するとすぐに(低エネルギーな宇宙への)
放出を始める。窒素や酸素に受け渡す余裕など、まずあり得ない。

033-79
なぜ空気は熱を伝えにくいのか? それは、分子間のエネルギーの
受け渡しが僅かしか行われないからである。このことからも、吸収
委託放出説の(少なくとも定量的な面での)破綻は明らかであろう。

033-80
ここで、余談を一つ。一般に吸収能力があるものには、(相手の)放
出を促進する働きがある場合が多い。それ故、CO2には(条件次第で
は)地表を冷ます働きがあるとさえ考えられるのだ。

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