020-01
熱のこもりの問題では、『地表を冷やす風』が主役であった。一方、風には、これとは逆の『地表を温める風』というのもある。温度が「空気>地表」という関係である風だ。

020-02
『地表を温める風』が吹けば、当然、気温は上がる。だが、この風がもたらす高温は、他のエリアから奪った熱エネルギーによるものである。それ故、他のエリアは冷やされているのである。

020-03
このように、気温を上げる(地表を温める)風が吹く場合には、他のエリアでは、逆に、地表が冷やされているものなのである。つまり、真に地球規模で見るならば、温暖化してはいないのだ。

020-04
ところが、世の中には、これを「温暖化している」と騒ぎ立てる困った人たちが存在する。彼らは、高温(熱)の出所を勘違いしているのだ。それは、(大抵)低緯度に存在していたのである。

020-05
低緯度には、日光を浴びることによって得られる熱エネルギーが、豊富に存在する。その熱エネルギー(の一部)が、風や海流によって、高(中)緯度に運び出されれば、高(中)緯度の温度は上がる。

020-06
だが、これでは、地球が温暖化することにはならないはずだ。単に、低緯度に存在する熱エネルギーが、高(中)緯度に移動する(させられる)だけの現象にすぎないのだから。

020-07
だからこそ、環境ペテン師たちは、高温の地域や時期のことばかり話題にしたがるのである。そして、この反科学的な破廉恥の頂点が「北海道洞爺湖サミット」であることは言うまでもない。

020-08
余談だが、彼らが自慢する植樹活動は、地球上に存在する木を(それも化石燃料を使って)移動させる行為にすぎず、それだけでは吸収源を増やすことにはならない。こういう騙しが大好きなのだ。

020-09
脱線したついでに言うと、電気自動車はCO2排出源を自動車から(石炭)火力発電所に、レジ袋削減はCO2発生や資源消費の原因を有料ゴミ袋に、それぞれ移動させることになるだけである。

020-10
話を熱の移動に戻そう。低緯度に存在する熱エネルギーを、高温の風や海流の形で、高(中)緯度に移動させる現象の原因となるのは、低緯度に乱入してくる寒気である。

020-11
寒気が低緯度に乱入すると、そこに存在していた暖気は、そこから押し出される。そして、押し出された暖気は、温風となって、高(中)緯度を温め、『疑似』温暖化をもたらす。

020-12
さらに、この温風が、途中、水上(海上)を通過すると、湿った空気(の風)になる。そして、これが上陸し山越えすると、フェーン現象が起き、より強力な『疑似』温暖化がもたらされることになる。

020-13
水には、水蒸気になる(気化する)ことにより、熱エネルギーを蓄える能力がある。それ故、湿った温風は、熱エネルギーを、より高緯度(や内陸部)にまで運ぶ(移動させる)ことができる。

020-14
高緯度ほど平年との差が大きくなる温度上昇は、寒気の低緯度への乱入によって生じた(それも湿った)温風によるものなのであって、地球温暖化(CO2温室効果)によるものではない。

020-15
さて、低(中)緯度に乱入する寒気は、行く手に存在する空気(寒気よりも相対的に軽い)を上昇させもする。そして、空気が上昇すれば、気圧は下がり、風や雲が生じる。

020-16
それ故、低気圧や前線や気圧の谷、さらには、竜巻や雷などを発生させることになる。このように、「異常」や「異変」のネタにされる気象現象は、実は、寒気が原因なのだ。

020-17
だからこそ、地球温暖化説の肩を持つNHKなどの気象情報では、この事実を隠すために、たとえば「寒気を伴った低気圧」といったような、因果(主従)関係があべこべの説明をするのである。

020-18
低気圧(や前線や気圧の谷)が寒気を伴っているのではない。寒気が低気圧等を発生させているのだ。見た目は同じでも、メカニズム的には正反対である。誤解を招く説明は、もうやめるべきだ。

020-19
さて、寒気は、低緯度に乱入することで、(熱帯)低気圧の一種である台風の類を発生・発達させもする。今年、大きな被害を出したミャンマー・サイクロンは、まさにその好例である。

020-20
寒気は、また、サイクロン(の類)の進路にも重大な影響を及ぼす。進路を妨げるのだ。このため、進路予想が外れたり、(進路等に関する)従来の常識が通用しなくなったりする。

020-21
ミャンマー・サイクロンの場合も、寒気に北上を妨げられたために、進路が東へ大きく逸れた(結果、人口の多い地域が直撃を食らった)。発生(発達)・進路とも、寒気が深くかかわっていたのだ。

020-22
ちなみに、ミャンマー・サイクロンにかかわった寒気は、その後、偏西風により東へ流され、日本にもやってきた。そして、低温をもたらした。これこそ、真の「地球規模」現象である。

020-23
ところで、寒気がかかわることで、意外と認識されていないのが、気象の予測不可能性である。寒気が入ってくると、天気などの予測が困難になるのだ。このため、天気予報が外れやすくなる。

020-24
寒気は、行く手に存在する空気(大気)を激しく運動させる(上昇→気圧低下→風発生)ため、その状態を大きく急激に変えてしまう。さらに、その影響で、寒気自身も変化してしまう。

020-25
これでは、大気の状態を正確に把握することなど、とても出来ない。しかも、寒気そのものは、直接は見えない。これでは、十分な解析など出来るわけがない。天気予報が外れるのは当然である。

020-26
よく天気予報で「大気の状態が不安定」というセリフが出てくることがあるが、あれこそ、まさに、寒気による気象の予測不可能性の実例である。実際、こういう時は、天気予報が外れやすい。

020-27
こうしてみると、「地球温暖化(人為的CO2温室効果)による異常・異変」とされていることの多くが、実は寒気の仕業であることに気付くだろう。

020-28
さて、寒気には行く手に存在する空気(大気)を上昇させる(上昇気流を発生させる)能力があるわけだが、これは、寒気には既存の上昇気流を勢いづける能力もあるということだ。

020-29
このため、低緯度に寒気が乱入すると、赤道付近での上昇気流が勢いづけられることになる。すると、この上昇気流による大気循環が強まり、この大気循環の下降気流も強まることになる。

020-30
この下降気流が生じる領域は、中緯度(亜熱帯)高圧帯と呼ばれている。そして、この下降気流は、地表に達すると、(温)風となって中緯度高圧帯から吹き出すことになる。

020-31
それ故、寒気の低緯度乱入は、この中緯度高圧帯から吹き出す風を強めることになるのである。そして、この風が強まることが、また、『疑似』温暖化の原因となるのだ。

020-32
たとえば、日本に夏の暑さをもたらす季節風を吹き出す太平洋高気圧は、中緯度高圧帯で発達する。それ故、この高気圧からの季節風の吹き出しが強まり、日本に猛暑をもたらすことになる。

020-33
一方、これとは別の重大現象がある。それは、貿易風…特に海洋上で吹く貿易風が強まることである。貿易風もまた、中緯度高圧帯から吹き出してくる風(の一種)なのだ。

020-34
貿易風は、中緯度高圧帯から低緯度方向へ吹き出す風なのだが、地球の自転の影響により、気流が西向きに曲げられる。このため、赤道付近の海水を西へ流そうとする風となる。

020-35
それ故、貿易風が強まると、赤道付近を西へ流れる暖流の流れが強まり、西の方に暖かい海水が吹き寄せられることになる。これが、地球規模の『疑似』温暖化をもたらすことになる。

020-36
たとえば、太平洋でこの現象が長期間続くと、以前説明したラニーニャになる。これは、夏の日本では、猛暑の原因となる。また、北極海に高温海水を押し込み、氷を解か(減ら)す原因にもなる。

020-37
一方、インド洋でこの現象が起きると、ダイポールモード現象が起きる。インド洋の海水温分布が西高東低になるのだ。また、夏の日本に猛暑をもたらすとされている。

020-38
日本は、去年の夏はラニーニャによる猛暑に見舞われたが、今年の夏はダイポールモード現象による猛暑に見舞われている。これらは共に『寒気の低緯度乱入→貿易風強化』による現象なのだ。

020-39
ミャンマー・サイクロンといい、ダイポールモード現象といい、今年はインド洋で寒気の低緯度乱入が起こりやすい年のようである。そういえば、今年のアジアの冬はとても寒かった。

020-40
ところで、ラニーニャやダイポールモード現象が起きる時は、ジェット気流の蛇行も起きる。特に夏は(“やや”ではあるが)ジェット気流が弱まり蛇行しやすくなるので、なおさらである。

020-41
そのせいか、「ジェット気流の蛇行が、ラニーニャやダイポールモード現象の原因である」と勘違いしている人が少なくないようである。特にNHK盲信者には。

020-42
ラニーニャやダイポールモード現象は、それぞれ、太平洋、インド洋…といったように、特定の海域上(すなわち、経度範囲)で、(寒気の低緯度乱入→)貿易風が強まる現象である。

020-43
つまり、経度により貿易風の強さが不均一になる現象なのだ。このため、大気の大循環(貿易風・偏西風・極偏東風の各循環)も経度により不均一になり、ジェット気流が蛇行してしまうのである。

020-44
このように、『ラニーニャやダイポールモード現象』と『ジェット気流の蛇行』が一緒に起こるのは、原因が同じだからであって、後者が前者の原因だからではないのだ。

020-45
ところが、地球温暖化説の肩を持つNHKは、一緒に起こることをいいことに、後者が前者の原因であると誤解させるような報道を行っている。要するに、寒気が原因であることを隠したいのだ。

020-46
無理もない。寒気は放熱によって生じるものだ。対して、温室効果は、放熱の邪魔をする効果である。寒気の存在は、それが低いことを示すものだ。こんな都合の悪い証拠は、隠して当然であろう。

020-47
さて、日本は、『寒気乱入による低緯度からの熱供給』を非常に受けやすい位置に存在する国である。それ故、(自然現象による)寒冷期の到来が遅れる国なのだ。

020-48
つまり、到来が遅れる分、日本は(自然現象による)寒冷期の期間が短くて済む国なのである。実は、寒冷化の方が温暖化よりも遥かに恐ろしい。日本は気候的に非常に恵まれた国なのである。

020-49
たとえば、他の多くの国々(地域)は、6世紀頃に、ローマ温暖期から暗黒時代寒冷期へと移行していった。対して、日本は、8世紀頃まで温暖だったのだ。

020-50
また、他の多くの国々(地域)は、14世紀頃に、中世温暖期(小気候最適期)から小氷河期(と言われる寒冷期)へと移行していった。対して、日本は、15世紀前半頃まで温暖だったのだ。

020-51
このように、日本で寒冷期の到来が遅れる(その分、寒冷期が短くて済む)のは、『寒気乱入による低緯度からの熱供給』があるからなのである。

020-52
寒冷期になると、太平洋やインド洋などの海洋上の低緯度への寒気の乱入が盛んになる。すると、温風や温水(暖流)の形で、低緯度の熱エネルギーが、高緯度に放出されるのだ。

020-53
これにより、高緯度は温められ、寒気の勢力は弱まり、低緯度への乱入も弱まる。つまり、これもまた、地球規模の循環(熱交換)の一種なのである。それも、負のフィードバック的な反応である。

020-54
高緯度にとって、低緯度からの熱放出は、暖房のようなものだ。そして、日本は、ちょうど、その温風や温水の送出経路上に位置するのである。

020-55
そのため、日本は、地球規模の寒冷期が始まっても、すぐには寒冷化せずにすむ(条件次第では短期的に温暖化することさえある!)のである。日本は、世界で最も気候的に恵まれた国の一つなのだ。

020-56
だからこそ、辺境の島国にすぎないにもかかわらず、日本は文明が発達し栄え得たのである。また、(寒冷化による)社会の混乱も少なかったため、大人しく理性的な民族の国となり得たのだ。

020-57
ここで、気候が日本にもたらした歴史上の幸運について指摘しておきたい。小氷河期(寒冷期)の到来は、西洋諸国を植民地主義に走らせた。そうでもしなければやっていけなくなってしまったのだ。

020-58
一方、日本では、寒冷化の進行が遅かった。だから、日本にも西洋人がやってきたのだ。彼らは、西洋の先進的な技術(例:てつはう)等をもたらすといった陽動作戦をとった。

020-59
ところが、西洋諸国が日本を植民地化しないうちに、日本でも寒冷化が進んでしまった。そのせいで、日本は、植民地とするには適さない地になってしまったのだった。

020-60
このため、西洋諸国は日本から手を引き、江戸幕府は鎖国が可能になったのである。つまり、西洋の植民地にされずに済んだのだ。この歴史上の幸運は、元寇の際の嵐以上のものと言えるだろう。

020-61
もし寒冷化が無ければ、そして、日本での寒冷化の進行が遅れなかったら、西洋人は日本にはやって来ず、西洋の進んだ技術等がもたらされることも無かったことだろう。

020-62
さらに、もし(タイミング良く遅れて)日本にも厳しい寒冷期がやって来なかったら、日本は西洋諸国の植民地にされていた可能性が極めて高かったと言える。

020-63
このように、日本は「神や仏が護る国」と言いたくなるほどの幸運に恵まれていたのだ。そして、この幸運をもたらしたのは、寒冷期の到来と、『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』なのである。

020-64
ここで注意点を三つ。一つは、『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』は、いつまでも続くものではない…ということ。だから、日本にも(遅れてではあるが)寒冷期が到来するのである。

020-65
二つ目は、『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』による恩恵を被ることが出来る期間は、高緯度ほど短い…ということ。北海道が和人の地ではなかったのは、そのせいもあるのかもしれない。

020-66
三つ目は、低緯度からの熱の大部分は、(一度は)海(水)に蓄えられていた熱である…ということ。気象や気候における水の働きの重要性を説くのなら、この熱供給現象についても知るべきだろう。

020-67
さて、2000〜7年にかけては、太陽黒点の数が減少していた。これは、太陽活動が低下していたということであり、寒冷化の原因となることだ。そして、その影響は、実に興味深いものとなった。

020-68
というのは、日本では、「ここ数年」は、むしろ、温暖化傾向が見られたからだ。その本当の原因が『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』の活発化であることは、もうお分かりであろう。

020-69
寒冷化傾向になると、寒気が発生しやすくなり、低緯度への寒気の乱入→高(中)緯度への熱放出が盛んになる。日本は、この熱放出(温風や暖流)の経路上に位置し、その影響をまともに受けるのだ。

020-70
つまり、日本では、太陽活動低下による寒冷化傾向よりも、それによって活発化した『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』による温暖化傾向の方が上回ってしまったのである。

020-71
さて、「ここ数年」の温暖化については、太陽活動変動とは別の原因も考えられる。それは、『寒気の乱入による低緯度からの熱供給』という地球の機能がアレルギー反応を起こした可能性である。

020-72
そして、そのアレルゲンとなるのが、近年乱造された風力発電機である。不自然な寒気を発生させやすくするのだ。また、そうなれば、(疑似)温暖化以外の異常・異変も説明可能になるだろう。

020-73
というわけで、次回からは、風力発電が不自然な寒気を発生させるメカニズムについて説明する。寒気が発生するのは、極地(北極、南極)だけではないのだ。

戻る