019-01
冬のエルニーニョは季節風を弱らせ暖冬をもたらすという話を以前したが、これは、(冬の)季節風という風(かぜ)に、地表(海を含む)を冷やす働きがあることを示している。

019-02
温度が「空気<地表」という関係の場合、(空気の運動である)風は地表を冷やすことになる。それ故、風を弱らせると、地表付近に熱をこもらせ、『疑似』温暖化を招くことになるのである。

019-03
地表を冷やすことになる風を弱らせるのは、エルニーニョだけではない。『人が造ったもの』もまた、その種の風を弱らせるのだ。たとえば、風車は、風からエネルギーを奪うことで、風を弱らせる。

019-04
雪や氷に覆われていない陸地の場合、晴れた日の昼間は、太陽光により温められるため、地表はかなりの高温になる。このため、温度が「空気<地表」という関係になりやすい。

019-05
それ故、冬の季節風に限らず、多くの風が、地表を冷やすことになる風になるわけである。そして、このことは、風力発電に利用される風にも、そのまま言えることだ。

019-06
それ故、風力発電は、地表付近に熱をこもらせ、『疑似』温暖化を招いてしまうことになるのである。地表を冷やす風の働きを阻害することによって。

019-07
一方、都市部では、夜間でも、温度が「空気<地表」という関係になる場合が少なくない。その原因となるのは、車や冷暖房などといった、熱を出す物の存在である。

019-08
いわゆるヒート・アイランド現象だが、風には、これを和らげる(冷やす)働きがあることになるわけである。それ故、風を阻害すれば、熱がこもり、『疑似』温暖化することになってしまうのだ。

019-09
もっとも、都市部には、よく知られた大型の風力発電機は、建設出来ない(∴存在しない)。だが、都市部を吹き抜ける風の通り道となる場所に位置する郊外等になら、建設が可能だ。

019-10
一方、最近では、風車が円筒型のものや、風向きに合わせて風車の向きが変わるタイプのものなど、小型の風力発電機が開発されている。これらは、都市部でも建設が可能だ。

019-11
どちらの場合にしても、風力発電機を建設してしまうと、都市部の風通しを悪くし、熱をこもらせ、『疑似』温暖化をもたらすことになってしまうのである。

019-12
話は少々逸れるが、都市部には、風力発電機以外にも、風を阻害するものが存在する。たとえば、ビルなどの建造物がそうである。都市部は風通しが悪く、故に、熱がこもりやすいのだ。

019-13
風通しの悪さ(→熱のこもり)は、ビルの窓などによる反射光の影響とともに、とかく見落とされがちな、都市部での『疑似』温暖化要因の一つである。

019-14
知っておかねばならないのは、気象庁などの観測用の温度計のある場所で、風通しの悪さ(→熱のこもり)による『疑似』温暖化が起きているという事実である。

019-15
そして、そのような場所で計られた、いい加減な温度(数値データ)が、地球温暖化の根拠にされ、風力発電導入推進論の論拠にされているのである。これは、まこと許し難い欺瞞である。

019-16
加えて、風通しの悪さは、熱だけでなく、(人為的分が多い)CO2をもこもらせ、その濃度を増大させる。こうして、CO2濃度増と、『疑似』温暖化とが、セットで実現することになる。

019-17
一方、田舎では、風通しが良いため、CO2も熱もこもりにくく、故に、CO2濃度も温度も(相対的に)低めになる。以上のことから、データ上、CO2濃度と温度との間に相関性が生まれることになる。

019-18
しかも、都市部(田舎)では、CO2や熱の排出量が多(少な)い。このことが、CO2濃度と温度との間の『データ上での』相関性(CO2濃度高→温度高)をさらに強めることになる。

019-19
こうしたデータ上での相関性から、「人為的CO2→地球温暖化」という誇張・歪曲された因果関係がでっちあげられるのである。こんなものは、風通しの問題を無視したデータ誤解釈にすぎない。

019-20
だが、今日では、この誤解釈が、それこそ「地球規模」の政治力を得てしまっているのである。そして、風通しを(さらに)悪くする風力発電導入推進の論拠に(も)なっている。

019-21
そもそも、CO2を出す物は熱も出すのだから、CO2濃度と温度との間にデータ上の相関性があるのは、当然のことなのだ。風力発電導入推進論者たちによる統計悪用トリックに騙されてはいけない。

019-22
つまり、CO2濃度が高くなる時代(や場所)においては、熱も沢山排出されているので、「温室効果による温暖化」とすり替えるインチキ解釈が可能なヒートアイランド現象が起こるわけである。

019-23
いくら低炭素を実現しても、排熱量を減らさない限り、ヒートアイランド現象は抑えられない。その場合、風力発電の導入は無意味であり、熱をこもらせる分、かえって逆効果ですらある。

019-24
気温は、風通しの善し悪し(熱のこもり方)により、かなり違ってくる。ところが、呆れたことに、気象庁などは、この問題を無視または矮小化しているのである。

019-25
そんな彼らが話題にしたがるのが、「体感温度」なのである。これを悪用することにより、高めになってしまっている自分たちの観測結果(気温)のことを正当化してしまうのである。

019-26
つまり、「気温が低く感じられるのは、風による体感温度の違いのせいだ」とするのだ。こうして、彼らは、風通しの悪さ(→熱のこもり)からくる『疑似』温暖化の問題をごまかすのである。

019-27
そもそも、風により体感温度が低く感じられるのは、風が体温を奪っている(人体を冷やしている)からである。これは、風に冷却作用がある証拠であり、風通しが無視できない問題である証拠だ。

019-28
ちなみに、夏の晴れた日の路上や車のボンネットなどの温度は、人間の体温よりも、はるかに高くなる。気象庁などの主張がトリックであることは明白だろう。

019-29
デスクトップ型のパソコンやDVDレコーダーのようなデジタル機器類などには、冷却用のファンがついている。これは、風(空気の運動)に冷却作用があることを証明するものである。

019-30
一方、冷却用ファンと正反対の働きをするのが、風力発電機なのである。つまり、通気を阻害することで放熱を妨げ、熱をこもらせる働きをするのである。

019-31
このように、現代人の『風通しの悪さ→熱のこもり』の問題に対する無関心は、ヒートアイランド現象の助長と、CO2に対する冤罪という、二重の愚行の原動力となっているのである。

019-32
以上で、熱のこもりに関する話は、とりあえず終わりにする。次回からは、再び、寒気が低緯度に乱入することによって生じる『疑似』温暖化現象に関する話をしたいと思う。

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