011-01
風は、温度差(と重力)によって吹く。また、風には(以前説明したように)、熱交換能力により、温度差を緩和する働きがある。この両者(発生原因と役割(働き))の関係に注目して欲しい。

011-02
両者は、後者(役割(働き))が前者(発生原因)を抑える関係になっている。いわゆる負のフィードバックである。つまり、風には、風が吹く原因(である温度差)を抑制する効果があるのだ。

011-03
これは、『あまり強くない風が吹くことにより、強風が吹くことが防がれる』ということである。温度差が大きくならないうちに風が吹くことで、強風の原因(温度差)が抑えられるのだ。

011-04
それ故、風が吹く(空気が運動する)のが阻害されると、(熱交換による)温度差の緩和が阻害されるため、強風の原因となる大きな温度差が生じやすくなってしまうのだ。

011-05
以上の話から、風が吹く(空気が運動する)のを阻害する物が存在するようになると、大きな被害(災害)をもたらす強風、すなわち、『異常気象』の風が吹きやすくなることがわかるだろう。

011-06
そこで思い出して欲しいのが、風力発電の原理である。風力発電では、風の実体である空気の運動エネルギーを搾取して発電する。それ故、空気の運動(風が吹くこと)を阻害してしまうのだ。

011-07
つまり、風力発電は、風の熱交換による温度差緩和の働きを阻害してしまうのである。このため、風力発電をやると、強風の原因である大きな温度差が生じやすくなってしまうのだ。

011-08
以上の話から、風力発電は、大きな被害(災害)をもたらす強風、すなわち、『異常気象』の風が吹く原因となる大きな温度差を生じやすくする「人間活動」であることがわかるだろう。

011-09
確かに、風力発電自身には、(風の原因である)温度差を生み出す働きは、無い。だが、温度差を抑制する自然の機能(=風の熱交換の働き)を低下させることで、温度差を大きくしてしまうのだ。

011-10
地表の世界は、物質分布や太陽光線の当たり方が一様ではないので、温度差が生じやすい環境にある。そんな所で、温度差を抑制する機能を低下させれば、温度差が大きくなるのは当然である。

011-11
以上の話から、風力発電は、大きな被害(災害)をもたらす強風、すなわち、『異常気象』の風の原因となることがわかるだろう。関与のし方が間接的なので、わかりにくく、タチが悪い。

011-12
気象を人にたとえると、温度差はストレス、風はその発散のようなものだ。ストレスは、日頃から頻繁に小さいうちに発散すると、周囲に損害を与えることは少ない。(あまり強くない風に相当。)

011-13
だが、たまって大きくなると、キレれて周囲に大損害を与える(『異常気象』の風に相当)。風力発電は、気象の日頃のストレス発散を妨げて、ストレスを鬱積させ、キレさせる人間活動なのである。

011-14
プレート境界型地震でも、あまり大きくない地震が頻繁に発生していた方が、歪みのエネルギー(ストレスに相当)が小さいうちに開放されるために、大地震が起こりにくい。これと同じようなことだ。

011-15
さて、風力発電は、強風災害の原因になるだけではない。豪雨・豪雪災害の原因にもなるのだ。次回からは、その話への橋渡しとなる話をする。温度差は、降雨・降雪とも大いに関係があるのだ。

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