005-01
環境ファシストたちの主張によれば、中国での気候の極端化は、温室効果による地球規模の温暖化により、北の高気圧の勢力が増し、そのせいで梅雨前線が北上できず停滞することで起きるという。

005-02
だが、地球規模の温暖化のせいで北の高気圧の勢力が増すということ自体、あり得ないことだ。なぜなら、高気圧は空気が下降する場であり、高温化した場で発達するものではないからだ。

005-03
空気が下降するのは、空気が陸地によって冷やされるような温度関係、すなわち、『陸地<空気』という温度関係である場合だ。だが、それは、温室効果によって実現するようになる状態ではない。

005-04
おまけに、この季節(夏季)は、(熱が逃げていく)夜の長さが短く、(太陽光線により加熱される)昼の長さが長い。このため、陸の方が空気よりもよっぽど高温になりやすい。

005-05
さらに、北(高緯度)へ行くほど、夜の長さが短く(昼の長さが長く)なる度合いは大きくなる。それ故、空気が下降する(陸地によって冷やされる)温度関係は、ますます実現困難になる。

005-06
空気が下降する温度関係が実現するためには、海で温められた空気が陸の方に流れてくれば良い。だが、そのためには、海水の温度が(陸地のそれに比べて)高くならなければならない。

005-07
だが、昼の長さが長い(夜の長さが短い)この時期に、比熱が大きい(∴温度が上がりにくい)物質である(海)水の温度の方が高くなるというのは、おかしな話だ。

005-08
それに、(海)水は、高温になれば蒸発する。すると、気化熱を奪い、水温を下げようとする。また、蒸発した水は雲を形成して太陽光線を遮り、やはり、水温の上昇を防ぐ。

005-09
海水温が高くならなければ、高温の空気は生成されない。よって、陸の方に高温の空気が流れ込むこともない。故に、(陸である北では)下降気流は生じず、高気圧が発達することもない。

005-10
以上のように、北で高気圧が発達するような温度関係は実現し得ないのである。よって、中国における気候の極端化は、温室効果による地球規模の温暖化によるものではあり得ないのだ。

005-11
以上のことから、地球シミュレータによる解析には、トリックがあることがわかるだろう。そのトリックだが、モデルやロジックに無いのなら、初期条件にあることになる。

005-12
つまり、環境ファシストたちは、温室効果では実現し得ない『架空』の温度関係を初期条件に設定することで、自分たちに都合のいいシミュレーション結果を捏造した…と考えざるを得ないのである。

005-13
ここで知っておかなければならないのは、シミュレーションにおける『初期条件』についてである。初期条件が違えば、結果も違ってくる。そして、初期条件とは、人間が設定するものなのだ。

005-14
そして何より問題なのは、初期条件の「初期」の意味である。それは、「原始」とか「原初」といった意味ではない。あくまで、「シミュレーションの開始点」という意味にすぎないのだ。

005-15
したがって、それは過去や現在でなくても良いのだ。つまり、未来…それも仮定や架空であっても良いのである。それ故、現実にはあり得ない状態を初期条件にしても、一向にかまわないのだ。

005-16
もちろん、そんな初期条件から得られたシミュレーション結果は、現在すなわち現実の世界とは、何の繋がりもないものだ。すなわち、それは、「予測」などではなく、ただの「空想」にすぎない。

005-17
このように、シミュレーションというものは、部外者にはロジックのみならず初期条件までもがブラック・ボックス化されている場合があるのだ。鵜呑みにするのは愚かなことである。

005-18
ところが何とNHKは、昨年の日本における異常な梅雨を、地球シミュレータによる解析の正しさを証明するものであるかのように報じたのだ。それも新エネルギー(∋風力)がテーマの番組で。

005-19
しかも、実際の気圧配置等が、地球シミュレータ上(の仮想地球)のそれとは異なっていたのに…だ。つまり、北で高気圧が発達したせいではなかったのに…である。NHKはニセ解釈を垂れ流したのだ。

005-20
昨年の異常梅雨の本当の原因は、北と南の温度差の極端化だ。これにより、梅雨前線が寒冷前線のようになり、なおかつ、その北上が阻まれたのである。局地的な大雨と、北の低温とが、その証拠だ。

005-21
ちなみに、今年は気温が高いにもかかわらず、(寒気が入ってきた時以外は)少雨で、しかも梅雨の期間が短くなっている。これは地球シミュレータが噴飯物であることを証明するものだ。

005-22
このように、自国民のみならず、世界中を騙すことが、国家プロジェクトになっているのだ。百年後、日本人は、地球シミュレータが実は日本の恥さらしであったことを悟ることになるだろう。

005-23
ちなみに、ある書物によると、地球シミュレータの電力料金は、何と、年間7億円と噂されているそうだ。つまり、それだけ大量のCO2を発生させるのである。これは最高のジョークではないか?

005-24
このスパコンの業者は、さぞ儲けたに違いない。環境ファシズムは、醜い利権の巣窟である。風力発電もそうだ。学校の教材用の風車とて例外ではない。これが環境ファシズムの実態なのである。

005-25
もし、気候極端化という解析結果が、現在の実際の気象データを初期値にしたものだというのであれば、地球シミュレータは、今後の日々の気圧配置を正確に予測できるものになるはずだ。

005-26
日々の気圧配置が正確に予測できるものなら、日々の天気も正確に予測できるはずだ。環境ファシストたちの宣伝文句の一部を借りて表現するならば、少なくとも「百年後」まで…。

005-27
もちろん、地球シミュレータには、そんな予測能力は無い。そのことは、当の環境ファシストたちが自ら認めていることだ。ということは、日々の気圧配置の予測能力も無いということだろう。

005-28
それもそのはず。なぜなら、地球シミュレータは、『気象』シミュレータではなく、『気候』シミュレータだからだ。ならば、現在の実際の『気象』データを初期条件にするわけがないだろう。

005-29
気候シミュレータが初期条件とするのは、気象データではなく、気候データである。気候は気象とは異なる。そこで、現在の実際の気象データとは異なるデータでも良い…ということになるわけだ。

005-30
たとえば、気温や海水温を恣意的かつ御都合主義的に高めに設定したデータでも良いのである。つまり、以前話した「温室効果では実現し得ない『架空』の温度関係」のデータでも良いのである。

005-31
このように、気候が気象とは異なることをいいことに、自分たちに都合のいいデータを設定することが可能になってくるのである。事実と似た結果を捏造することは、いくらでも可能なのだ。

005-32
ここまでくれば、地球(気候)シミュレータにおけるトリックの正体が見えてくるだろう。それは、気候と気象の区別の曖昧化である。ちなみに、気候とは、気象の平均的傾向のことだ。

005-33
大変奇妙なことに、地球シミュレータは、『気候』シミュレータであるにもかかわらず、台風の発達や進路等のような『気象』的なことまで予測の対象にしている。これは理論の乱用である。

005-34
そのくせ、日々の天気の予測のような即検証可能なことからは、巧妙に逃げ回っている。『気候』シミュレータであることを理由に。何とも御都合主義的な態度である。全く信用するに値しない。

005-35
寄り道があまりにも長くなってしまった。地球シミュレータに関する話は、この辺で中断したいと思う。残りはまた別の機会に。次回からは、再び、本題の風の役割についての話に戻ることにする。

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