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N┃→ 仮想力線電磁気学
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●第91回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その21)
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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。
たびたび発行が遅れてすみません。
さて、今回も遠隔作用と関連のある話です。
前回の続きで、エネルギー配分が偏る話についてです。
より具体的には、マックスウェル電磁気学におけるエネルギーの授受に関する解
法のトリックについてです。
エネルギーの放出には、反作用という概念が大きくかかわってくるのですが、実
はそこにトリックが隠されているのです。
一回ではとても説明しきれないので、複数回にわけて説明いたします。
なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。
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85.エネルギーと反作用
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まず、ある物体(Aとします)が、離れたところにある物体(Bとします)に、
誘導によって生じる電磁気作用を及ぼして仕事をする…という問題を考えてくだ
さい。
○ ○
A B
すると、物体Aは運動エネルギーを失いますね。
運動エネルギーを失うということは、速度が減少するということです。
速度が減少するということは、負の加速度があるということです。
ならば、負の加速度を生じさせたのは、何でしょうか?
それは、速度の向き(運動方向)とは逆向きの力です。
つまり、反作用ですね。
ですから、反作用を受けることによって、エネルギーを失うわけです。
ということは、物体Aのエネルギーの放出のされ方に、反作用という概念が大き
くかかわってくるということになります。
このように、エネルギーの放出には、反作用の働きが極めて重要な役割を果たす
のです。
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86.反作用を及ぼしてくる相手は?
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さて、そうなると、反作用を及ぼしてくるものが何かが重要になってきますね。
では、物体Aに反作用を及ぼしてくるものは、何でしょうか?
それは、物体Aが作用を及ぼした相手です。
ならば、物体Aが作用を及ぼした相手とは、具体的に何でしょうか?
遠隔作用の場合は、作用に空間がかかわってきません。
ですから、上の問題では、物体Bということになります。
これに対し、近接作用の場合は、作用は空間を伝わっていくことになってます。
ですから、上の問題では、物体Aと接している空間ということになります。
これは裏を返せば、物体Bは、少なくとも直接的には、物体Aに反作用を及ぼす
ものにはならない、ということです。
ここで、ちょっと注意しておきたいことがあります。
それは、近接作用でも、『物体A→空間→物体B』と作用が伝わった後に、『物
体B→空間→物体A』という形で反作用(のような作用)が伝わってくることが
あることです。
しかしながら、この反作用(のような作用)は、『物体A→空間→物体B』とい
う現象が起こった後に伝わってくるものです。
つまり、物体Aがエネルギーを放出することには関係のないものなのです。
事実、『物体B→空間→物体A』という現象は、物体Bが空間そして物体Aにエ
ネルギーを与える現象ですから、物体Aはエネルギーを放出するのではなく、得
ることになるのです。
もちろん、結果的には物体Aのエネルギーの変化(減少)の仕方に影響を及ぼす
ものになることは事実です。
ですが、それは、あくまで結果的なものにすぎません。
しかも、物体Aのエネルギーの減少の仕方を遅らせる働きしかしないものなので
す。
いま話題にしている『物体Aがエネルギーを放出する現象』にかかわってくる反
作用とは、物体Aのエネルギーを減少させる働きをするものです。
ですから、ここでの話には関係ないものになるのです。
以上のことを勘違いしないで下さい。
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87.ボロを隠すには?
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これまでの話から、近接作用においては、物体Bは、物体Aのエネルギーの放出
には(少なくとも直接的には)かかわってこないことになるということが、おわ
かりいただけたと思います。
しかしながら、実際には、物体Bは、物体Aのエネルギーの放出に大きくかかわ
ってくるものなのです。
第77回以来取り上げ続けてきた『エネルギー配分が偏る現象』は、まさにそれ
を証明するものです。
ということは、近接作用の考え方は間違っていることになりますね。
ならば、近接作用の理論であるマックスウェル電磁気学は、なぜ、かくも多くの
科学者たちに支持されてきたのでしょう?
実は、ここで、欠陥をごまかすためのトリックが用いられるのです。
そのトリックとは、以下の二つです。
まず、一つは、物体Bを物体Aから遠ざけることです。
物体Bからの反作用を弱くなるようにすれば、物体Bの影響を少なくすることが
でき、欠陥をごまかせます。
では、物体Bからの反作用を弱くするには、具体的にどうすれば良いのかという
と、一番簡単な方法は、物体Bを物体Aから遠ざけることです。
電磁気作用の強さは、距離が遠くなるほど弱くなるので、こうすることで物体B
からの反作用を弱めることができる、というわけです。
二つ目は、物体Aに強制力を加えることです。
つまり、物体Aを、人為的に加えられた強制力によって、決められた通りの運動
をさせることです。
こうすれば、反作用の影響そのものがなくなります。
物体Aは、たとえ物体Bから反作用を受けても、強制力が働いているために、運
動状態は変化させられません。
このため、物体Aが放出するエネルギーの値には、物体Bの影響がなくなってし
まうのです。
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88.ボロを隠すための二つのトリック
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ここで、上で述べた二つのトリックをまとめてみましょう。
1.物体B(反作用を及ぼしてくるもの)を、物体A(エネルギーを放出す
るもの)から遠ざける。
2.物体A(エネルギーを放出するもの)に、人為的な強制力を加えること
によって、決められた通りの運動をさせる。
ならば、これらの条件を満たす問題とは、具体的にどんな問題でしょうか?
逆に、これらの条件を満たさない問題とは、具体的にどんな問題でしょうか?
これら二つの問いを考えてみると、次の二つの謎が解明されます。
(1) なぜマックスウェル電磁気学は反証されず、むしろもてはやされること
になかったのか?
(2) なぜ量子論がウケることになったのか?
さらに、余談ですが、次のような疑問にも答えることができるようになります。
(3) なぜNHKなどの電波メディアは、相対論や量子論の前提とも言えるマ
ックスウェル電磁気学の致命的欠陥に気が付かないのか?
これらの答えは、次回、お話しします。
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