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●第51回 第3章・力線の理論(その19)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

今回は、運動の問題について、もう一つだけ、注意しなければならないことを述
べておきたいと思います。
『力線の理論』というよりは『遠隔作用』に関することのように思われるかもし
れませんが、それでも間接的には『力線の理論』と関係のあることであり、なお
かつ、重要なことでもあるので、この章で取り上げることにしました。

なお、今回も絵文字の図があるので、等幅フォントで御覧下さい。

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54.相対性についての注意
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ここで、第47〜48回に取り上げた問題と、第49回に取り上げた問題とを比
較してみましょう。

 <第47〜48回に取り上げた問題>

       ・ ・ ・
     ☆ 〜〜〜〜〜> □→ v      (図1)
       ・ ・ ・


 <第49回に取り上げた問題>

       ・ ・ ・
   v ←☆ 〜〜〜〜〜> □        (図2)
       ・ ・ ・


ちなみに、『☆』は『光源』、『□』は『受光体』、『・』は『疑似エーテルと
なる物質』を表します。
そして、受光体から見た光速度は、図1の問題では c - v 、図2の問題では c
となるのでした。        
          
そこで、このことから、
「受光体が動く場合と、光源が動く場合とで、答えが違う。ということは、相
 対性を満たしていないではないか!」
と疑問に思われた方はいませんか?

そうした疑問を解消するため、図1を、受光体の系から見た図に描き直してみま
しょう。

      v
      ←・←・←・
   v ←☆ 〜〜〜〜〜> □        (図1')
      ←・←・←・


この図を図2と比較すると、疑似エーテルとなる物質が運動『している』・『し
ていない』という明確な違いがあり、全然、別の問題であることがわかります。

同様に、図2を、光源の系から見た図に描き直すと、

             v
       ・→・→・→
     ☆ 〜〜〜〜〜> □→ v      (図2')
       ・→・→・→


となって、やはり、図1とは、全然、別の問題であることがわかります。

したがって、受光体から見た光速度が異なっていても、相対性を満たしていない
ことにはならないことが、おわかりいただけると思います。

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55.遠隔作用と相対性
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このように、『相対性を満たすかどうか?』ということを考察するには、光源と
受光体だけに注目していては駄目なのです。
疑似エーテルとなる物質のことも含めて考えなければなりません。
つまり、遠隔作用では、運動の相対性についても、全空間の全物質を考察の対象
にしなければならないのです。

したがって、相対性について考察しようとするならば、図1と図1'(あるいは図
2と図2')を比較してこそ意味があるのであって、図1と図2(あるいは図1'と
図2')を比較しても意味がないのです。

これに関連して、第1章で述べたことで、思い出してほしいことがあります。
それは、

『遠隔作用では、作用の及び方が非局所的である』

『遠隔作用では、(作用を及ぼしあう)相手を選べない』

『遠隔作用では、
  1.作用を及ぼすもの
  2.作用を受けるもの
  3.疑似エーテル
 の区別は、あくまで相対的なものにすぎない』

ということです。
このため、全ての物質(電荷)を平等に扱わなくてはならないのです。

これらのことを念頭において、図1と図2を描き直すと、次のようになります。

 <図1の問題>

       ・ ・ ・
     ・       ・→ v      (図1")
       ・ ・ ・


 <図2の問題>

       ・ ・ ・
   v ←・       ・        (図2")
       ・ ・ ・


このように描かれば、両者が全く別の問題であり、相対性について考察するのに
適した問題(の組み合わせ)ではないことが、一目でわかるでしょう。

ついでながら、同様に、図1'と図2'をそれぞれ描き直した図も載せておきます。

      v
      ←・←・←・
   v ←・       ・        (図1'")
      ←・←・←・

             v
       ・→・→・→
     ・       ・→ v      (図2'")
       ・→・→・→


図1"や図2"と比較してみてください。

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