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●第42回 第3章・力線の理論(その10)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

今回は、電磁波の姿について考察してみます。
今回の図は複雑で、絵文字による描写は無理ですので、ホームページに図を掲載
いたしました。
メルマガ中には、該当するホームページのURLを記してあります。
どうか御了承願います。

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30.電磁波の姿
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力線の連続の式と、電磁誘導や磁電誘導の式とから、マックスウェル方程式を
導く話をする前に、今回は、電磁波の姿について述べておこうと思います。

多くの方は、電磁波の姿というと、進路は同じで、振幅の方向が90度異なる、
二つの正弦波が組み合わされた図を思い浮かべるのではないでしょうか?
つまり、このような図です。
→ 42az.htm

多くの教科書や解説書には、こうした図が載っています。
そして、ほとんど全ての方が、こうした図を見て、
「確かに電磁波(光)は横波だ!」
と信じてしまいます。

しかし、よくよく考えれば、こうした図は、問題のある図と言わざるを得ないの
です。
なぜなら、空間的な変位と、電界や磁界の変位とが、ごっちゃになっているから
です。
たとえば、電界のグラフは上下に変位していますが、実際には、何かが上下に変
位するわけではないのです。
磁界についても、同様です。
したがって、こうした図は、誤解を招きかねない図と言えるのです。

実は、こうした図を見て、
「電磁波(光)は横波だ」
と短絡的に判断するのも、そうした誤解の一つにすぎないのです。
事実、電磁波は、何かが、波の進行方向と垂直な方向に振動(変位)する現象で
はないのですから。

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31.力線で描くと…
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それでは、どのような描き方が良いと言えるのでしょうか?
それは、力線を用いる描き方です。
御存知のように、力線は、電磁場の様を描くのにも用いられます。
ですから、電磁波も、力線を用いて描くべきなのです。

力線を用いて、電磁波の姿を描くと、次のような図になります。
→ 42bz.htm

御覧になるとおわかりのように、十字に交わった電気力線と磁力線の濃淡が現れ
ます。
つまり、電磁場の強いところでは力線が密になり、電磁場の弱いところでは力線
が疎になるのです。

こちらの図では、電磁波は、横波には見えなくなるでしょう。
むしろ縦波のように見えてくると思います。
なぜなら、濃淡・疎密というのは、縦波の特徴だからです。

このように、描き方を変えると、それまで横波に見えていたものが、縦波に見え
てくるのです。

とにかく、少なくとも以上の話から、『電磁波(光)は横波である』と決めつけ
ている定説の考え方は誤りであることがわかるでしょう。
電磁波は、横波と縦波の両方の特徴を持っているのです。
もっと厳密に言うと、電磁波は、横波とも縦波とも異なる波なのです。
このことから、電磁波は、力学的な波とは全く異質なものであることが、おわか
りいただけると思います。

そして、こうしたことからも、電磁気現象を機械力学的なモデルで捕らえようと
することが誤りであることが、おわかりいただけると思います。
十九世紀の科学者たちは、そうした誤ったやり方に固執し続けたために、相対論
や量子論の台頭を招いてしまったのです。

それはともかく、ここで示した『力線を用いて描かれた電磁波の図』は、今後の
話で非常に重要になってくるので、頭に焼き付けておいて下さい。

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