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N┃→ 仮想力線電磁気学
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●第38回 第3章・力線の理論(その6)
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前回に引き続き、力線の理論からマックスウェル方程式を導く話をします。
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18.場の変動とは?
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さて、今回からは、下記の二式を導出する話をします。
rot {E} = - ∂{B} / ∂t (2・1)
rot {H} = ∂{D} / ∂t (2・2a)
これらの式の意味するところは、
『ある微小領域の磁場(電場)が変動すると、その周囲に電場(磁場)が生じ
る』
ということです。
そこで考えなければならないのは、力線の理論において、『ある微小領域の磁場
(電場)が変動する』とは、どういうことか?、ということです。
力線の理論では、電磁場の強さは、単位面積あたりの力線の本数によって表され
ます。
したがって、『ある微小領域の電磁場が変動する』ということは、『ある微小領
域内の力線の本数が増減する』ということです。
もっと具体的に言うと、
『ある微小領域の電磁場の強さが増加(減少)する』
ということは、
『ある微小領域内の力線の本数が増える(減る)』
ということなのです。
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19.力線の保存則
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さて、それでは、『ある微小領域内』の力線の本数は、どうやって増えたり減っ
たりすることが出来るのでしょうか?
力線というものは、勝手に現れたり消えたりすることは許されません。
このため、『ある微小領域内』の力線の本数が増減するためには、その微小領域
から、増減する本数分だけ、力線が出入りしなければならないのです。
具体的に言うと、ある微小領域内の力線の本数が増えるためには、その増える本
数分だけ、力線が領域内に入ってこなければなりません。
逆に、ある微小領域内の力線の本数が減るためには、その減る本数分だけ、力線
が領域外に出ていかなければなりません。
そこで、『N本の力線が出ていく』ということを『−N本の力線が入ってくる』
と、また、『力線がN本減る』ということを『力線が−N本増える』と解釈する
ならば、以上をまとめて、
(領域内の力線の本数の増加量)=(領域内に入ってくる力線の本数)
と言い表すことができます。
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20.力線の連続の式
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さて、上で述べたことから、
(単位時間あたりにおける領域内の力線の本数の増加量)
=(単位時間あたりに領域内に入ってくる力線の本数)
と言うことができます。
このことを具体的に数式で表したものを、仮想力線電磁気学では、『力線の連続
の式』と言います。
この『力線の連続の式』と、以前述べた電磁誘導や磁電誘導の式、
{E} = -{vb}×{B} (1・1)
{H} = {vd}×{D} (1・2)
とから、(2・1)式や(2・2a)式を導くことができるのです。
つまり、こうです。
ある領域の磁場(電場)が変動するということは、その領域内の磁力線(電気力
線)の本数が変化するということです。
すると、領域内から磁力線(電気力線)の出入りがあるはずです。
すると、磁力線(電気力線)が、領域の周り(境界)を横切ることになります。
すると、上記の電磁誘導(磁電誘導)の式から、領域の周囲に電界(磁界)が生
じることになります。
力線の理論では、(2・1)式や(2・2a)式が表す現象は、このように説明
されます。
したがって、これらのことを数式で表せば、力線の理論から(2・1)式や(2
・2a)式を導いたことになるわけです。
そして、そのためには、磁場(電場)の変動、すなわち、領域内の磁力線(電気
力線)の本数の変化と、領域内からの磁力線(電気力線)の出入りとの関係を示
す式が必要になってくるわけです。
その式というのが、『力線の連続の式』というわけです。
次回は、この『力線の連続の式』について説明しようと思います。
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