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●第37回 第3章・力線の理論(その5)

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今回から、力線の理論からマックスウェル方程式を導く話をします。

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16.方程式の構成
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ここで、前回示したマックスウェル方程式を、もう一度、記してみます。

 rot {E} = - ∂{B} / ∂t        (2・1)

 rot {H} = ∂{D} / ∂t + {j}      (2・2)

まず、(2・1)式が表す現象を言葉で述べると、
『ある微小領域の磁場が変動すると、その周りに電場が生じる』
ということになります。

一方、(2・2)式については、

 rot {H} = ∂{D} / ∂t         (2・2a)

 rot {H} = {j}             (2・2b)

という二種類の現象を重ね合わせたものです。

(2・2a)式が表す現象を言葉で述べると、
『ある微小領域の電場が変動すると、その周りに磁場が生じる』
ということになります。

この現象は、ちょうど、(2・1)式が表す現象の裏返しです。
したがって、(2・1)式と(2・2a)式は、同じ方法で導くことができるの
です。
これらを導くためには、二つの知識が必要となります。
まず一つは、『力線の連続の式』です。
そして、もう一つは、『仮想エーテル』の考え方です。
後者については、すでに第1章で大まかなことを説明済みですが、前者について
は、詳しい説明が必要になります。
そのため、(2・2b)式が表す現象の後に説明いたします。

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17.電流と磁界
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さて、(2・2b)式が表す現象を言葉で述べると、
『電流が流れると、その周りに磁場が生じる』
ということになります。

この現象を、力線の理論で説明してみましょう。

まず、電流とは、無数の電荷の流れです。
つまり、無数の電荷の運動です。

一方、各電荷からは電気力線がのびています。
そして、電荷が運動すれば、それに伴って、電気力線も運動します。
このため、電荷の流れの周りでは、電気力線が電流の方向に横切っていくことに
なります。
すると、力線の理論の磁電誘導の考え方から、電気力線と、運動方向との双方に
垂直な方向に磁気が生じることになります。

こうして、電荷の流れの周囲に磁界が生じることになるわけです。

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