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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第33回 第3章・力線の理論(その1)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

今回から第3章『力線の理論』に入ります。
そこで、初回の今回は、この章の概要について説明します。

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1.この章の概要
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この章では、以下に述べるような順序で話を進めていきたいと思います。

最初に、力線の理論の考え方について説明します。
力線の理論は、ファラデーにより提唱されました。
マックスウェル方程式も、ある程度はファラデーの力線の理論を参考にして作ら
れたものなのですが、両者の間には異なる部分もあります。
特に、電磁誘導(と、その逆の現象)の考え方が、大きく異なります。
まずは、この違いを明確にしたいと思います。

次に、力線の理論から、マックスウェル方程式が導けることを示します。
これにより、マックスウェル方程式よりも、力線の理論の方が、より本質的なも
のであることを示します。
つまり、力線の理論こそがメインあり、マックスウェル方程式は従属的・派生的
なものにすぎないことを示します。

続いて、力線の理論を用いると、従来、相対論でしか説明できなかったことが、
電磁気現象として説明できることを示します。
これにより、相対論は、マックスウェル方程式の限界を超えて乱用したがために
必要になった『周転円』にすぎないことが示されます。
もちろん、相対論的効果と言われるものの全てが、力線の理論だけで説明できる
わけではありません。
残りの現象は、第4章で説明されます。

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2.この章に関する注意点
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さて、この章を読むにあたって、注意していただきたいことがあります。
それは、この章で述べられる力線の理論は、完全な仮想力線電磁気学の形ではな
いことです。

実際、この章で述べられる力線の理論は、近接作用的なところがあります。
仮想力線電磁気学は、元来、遠隔作用の理論ですから、一見、話が矛盾している
ように思えるかもしれません。
ですが、第1章で述べたように、仮想力線電磁気学には、『疑似近接作用』とい
う概念があります。
そのことを思い出していただければ、この章の内容が、いずれ仮想力線電磁気学
と結びつくものであることが御理解いただけると思います。

この章の一番の目的は、力線の理論のすばらしさを知っていただくことにありま
す。
そして、それはまた、仮想力線電磁気学の基礎の一つを理解することでもあるの
です。
以前にも述べたように、仮想力線電磁気学は、多くの点で、ファラデーの力線の
理論の考え方を継承しています。

ところで、この章で述べられる力線の理論には、ファラデーの力線の理論とも異
なる部分があります。
例えば、『空間で、力線が横切ると、新たな電磁場が生じる』としていることで
す。
本来、力線の理論では、作用を受けるもの(例えば電荷)が存在しなければ、電
磁場は存在しないことになる、と第1章で説明しました。
したがって、上で述べたことは、第1章で述べたことと、一見、矛盾するように
思えます。
ですが、第1章で述べた『仮想エーテル』の考え方を思い出していただければ、
作用を受けるものがなくても、あたかもそこに作用を受けるもの(それはまた、
他に作用を及ぼすものにもなる)があるかのように考えることができることが、
おわかりいただけると思います。

このように、第1章で述べた知識を思い出していただければ、この章の内容も理
解できるはずです。

整理して申し上げますと、この章では、まずファラデーの力線の理論から話を始
め、それを仮想力線電磁気学の一歩手前まで発展させることになります。
そして、その過程を理解するためには、『疑似近接作用』や『仮想エーテル』と
いった、第1章で述べた概念を頭の片隅においておく必要があります。
ですから、この章をお読みになる前に、もう一度、第1章を復習されることをお
すすめします。

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